human in book bouquet

読書を通じて「身体へ向かう思考」を展開していきます。

 -四国遍路回想記

15日目(後半):風にあおられ海で歯みがき 2017.3.15

前半はこちら。 cheechoff.hatenadiary.jp × × × (3)風・・・今日は一日中風が強く、ほとんど向かい風。ゲタ修理中もひっきりなしに吹いてるし、橋では飛ばされそうになるし[室戸]岬[の周辺]では前に進めないくらいでさすがに疲れた。 風は歩き遍路の大敵で…

15日目(前半):食べ放題の刹那的幸福、応急鼻緒の刹那的命脈 2017.3.15

この日は記述が多いので、小分けにコメントしていきます。 ちなみに、の行に書いてあるのは、その日にお参りしたお寺、泊まった宿、歩いた距離です。 距離は遍路地図から算出しています。 27神峯寺→宿(ビジネスホテル弁長) 23.5km(1)居酒屋「白牡丹」にて…

14日目:高知市街で一本歯を探すが見つからず 2017.3.14

ロルバーンのリングノートに書いた14日目の日記は以下だけです。 というのも、この日は歩き以外の移動日で、その移動の際に日記を携帯するのを忘れたからです。 (メイン荷物の登山ザックを奈半利駅のロッカーに入れたのだったかな…?) 高知市からの電車の…

13日目:遍路宿「蔵空間」にて、行程先取りのこと 2017.3.13

ふと思いついて、「一本歯遍路」回想記の続きです。日記を見返すたびに当時の記憶が薄れていることを感じるのですが、 記憶は「なくなった」のではなく「底に沈んでいる」だけなのだと、 毎日新聞の人生相談欄にあった高橋源一郎氏の言葉で気付いたので。引…

12日目:疲労の徴候、4日ぶりの24番 2017.3.12

この日は、9日目に薬王寺を出て、鯖大師には寄りましたが4日ぶりに次の寺、24番最御崎寺に到着しました。般若心経や光明真言などを唱える、寺に着くと本堂と大師堂とで2回行う「お勤め」は、日によっては8回、10回とやる日もあり、そんな日は歩く時間が減る…

11日目:鈴をなくす、食あたり、「徳増」にて 2017.3.11

以下、日記をそのまま抜粋。 (1)鈴*1をなくした:人気のない道が増えてから白衣の紐につけるようになっていたが、上着を脱ぐ時に一度外す必要が生じ、いったんそばに置いてからそのまま忘れてしまった*2。熊よけ鈴との縁はこれまで、遍路用品店か高知市のア…

10日目:護摩、地産地消、おにぎらず 2017.3.10

朝の6時10分前、宿坊のロビーに行くとフランス人Jack翁が待っている。"Good morning."「オハヨゴザイマス」お互いが気遣って言語がひっくり返る。5分前に住職が早足でやってきて、立ち止まりもせずに「ではお堂へ参ります」と案内を始める。「あの、まだ1人…

9日目:日の出を拝む、砂浜蟻地獄、鯖大師 2017.3.9

朝に薬王寺でのお勤めがある。早起きして、白衣と数珠と、それから遍路者用の簡易的な袈裟である輪袈裟を装着し、宿坊を出る。宿坊は寺とは通りを隔てて別の区画にあり、寺も敷地に入ってから坂やら階段を登ってやっとたどり着く高台にある。多くの宿泊者が…

8日目:思考即転倒、最長記録更新、遍路宿ネットワーク 2017.3.8

早朝に出発の準備をし、おかみさんに車で昨日の地点まで送ってもらう。「今日の宿はお決まりですか?」「薬王寺の宿坊に泊まろうと思ってるんですが、まだ連絡していませんね」「もしよかったら、知人がやっている宿が日和佐にあるので」お宿ひわさ、という…

7日目:山上の二寺、素敵なペンション宿、囲炉裏ご飯 2017.3.7

登り登って、20番。下った先の、21番。橋の向こうにそびえる2つ目の山に、ため息をつく。もちろん21番太龍寺の姿は見えない。山の斜面に忠実に登る形で出発した鶴林寺を擁する山と違い、山と山の間に通る道を進む。舗装されているが、アスファルトではない。…

6日目:空海の気持ち、取星な話、雛祭り 2017.3.6

納経所の開く時間に合わせて宿を出て、すぐそばの18番恩山寺へ向かう。霧模様である。敷地一帯に木が茂っていて、境内へ向かう車道に沿って石畳の敷かれた自然道がある。その車道の途中から19番に向かう細い道が出ているため、行きは覚悟をして石畳を歩くこ…

5日目:グローブの効用 2017.3.5

「私は韓国人で、踊り子で、人間国宝です。若いとき、日本に講演にきて、前の住職と出会いました」 「私の息子はいま19歳で、アメリカに留学しています。韓国語、日本語、英語、中国語、スペイン語の5カ国語をマスターしています。テレビで取材を受けたこと…

4日目:建治寺闇雲冒険譚、大日寺にて 2017.3.4

宿を出てすぐ、車道から自然道に入る。小さな森の中の、土手になって幅の狭い道を歩く。幅が狭いうえに斜めになっていて、まっすぐ歩けずにてこずっていると、坊主頭の中年男性が後ろから追いついてくる。「こっちはゆっくりやってるから、また追い越してい…

3日目:遍路転がし、山越え、美しい尻餅 2017.3.3

今日は山越え。「遍路転がし」という四国遍路に4つある難所のひとつが、12番焼山寺までの登り道。出発からの2日間が平地だっただけに落差が大きく、油断するとその名の通り「転がされる」ことになる。一本歯での山道は京都でいくらか練習を積んできたが、果…

2日目(後):鐘の追憶、風の記憶

cheechoff.hatenadiary.jp(承前) その寺は小高い山の中腹にあって、山へ向かう道は、途中まであった家々がなくなり、手入れのされていない無骨な自然とその間を抜ける高架になった車道を突き抜けて進む。ここから先が敷地であるらしい門をくぐると、木々が…

2日目(前):雨の軍勢、宇宙服的生活、自然な不自然 2017.3.2

" Think of nothing things, think of wind. " × × × 昨日は正面から入ってきた同じ門を右に出て、塀沿いに新たな道を進む。家が密に並んだ細い生活道が続く。雨はぽつりぽつりと降っている。色みはあるが分厚い雲で空は全く見えない。ザックは撥水だが防水…

1日目(後):親切とは、札の功徳、「クス供養」

cheechoff.hatenadiary.jp(承前) 4番までは島の内側に向かう幹線道路に沿って進む。交通量が多く、その大半をトラックが占めているように見える。だが主要道からひとつ右に入ると(左でも同じことだが)、そこはほとんど車が通らない、通るとしても自家用…

1日目(前):形而上的重み、初お接待、正確な言葉 2017.3.1

「ねえ、ジギー」と僕は声をかけた。 「俺たちに欠けているものは細部(ディテイル)なんだ」と彼は言った。*1 × × ×門を入れば小さな橋で渡る池があり、鐘があり、宝物庫があり、堂が2つある。堂にはそれぞれ寺の本尊と弘法大師が祀られている。手と口と目…

0日目:駅と渦と梅 2017.02.28

足袋は靴ずれ、ヨハネスブルグ。 × × × 京都駅ビル大階段の途中の展望エリアから眺めるロータリは、人も車も動いてはいるが、ジオラマのようにその中が空っぽに見える。いや、ジオラマの一つひとつの要素にも中身はある。空っぽなのはぼくの頭の中か、それと…