human in book bouquet

読書を通じて「身体へ向かう思考」を展開していきます。

-ノルベルト・ボルツ

甲野善紀氏の simple complexity についての私見

複雑性(コンプレクシティー) 確実な計算のための情報が欠けていること。複雑性の下では処方箋を書いても呪文を唱えても効き目がない。ただし、「それ自体として」複雑な対象があるわけではないのであって、ある構造がどれだけ複雑で「ある」かはそれを記述…

不死身(富士見)の伝統芸能「純粋暗箱形式主義」

それ以来、人々はポスト・イストワール的に硬直した世界に動きをもたらす「情念(パトス)の型」を求めてきた。失われた「生の緊張」を、改めて純形式的に、生活世界に注ぎ込もうというのである。これが、コジェーヴが分析した魅惑的現象、すなわち純形式的…

現実へのリンクとしての「自己包摂性」

自己包摂性(アウトローギッシュ) 自己包摂的な概念とは、その概念自体を定義のなかで用いることによってのみ定義できるような概念である。そうした概念は、その概念自体に適用することが可能であり、必要でもある(そうしても無意味にはならない)。たとえ…