human in book bouquet

読書を通じて「身体へ向かう思考」を展開していきます。

 -アイン・ランド

<AR-F05> たとえばそれは杉田水脈氏を「生む機械」

人が他人のために生きるのは、彼への関心がそこに伴うから。 どんな無意味な作業にも意味が見いだせるのも、そのためだ。 けれど、社会共生システムの高度化が「無関心」に仕事を割り当てると話は変わる。 無関心の強制が、人に意味の境界を既成とみなし、無…

<AR-F04> Innocence Mirror

言葉は常に両義的で、言い放つ瞬間に反転することがある。 その身に余る言葉は、純粋な鏡の前で無慈悲に己を裏切る。 行動の目的に拘る男は目的意識に囚われているのではない。 目的の存在理由は行動に必然がないという観察ゆえのこと。 キーティングは、自…

個人を殺す個人主義の時代

権力/依存、あるいは命令/服従というタイプの関係は、ひとたび作動するとそれだけで自らを強化し、正当化する傾向を持つのである。言うまでもないことだが、かつてジャン・ジャック・ルソーが述べたように、「おのれの力を法に、そして服従を義務に変える…

<AR-F03> 期待が生む恐怖

社会の皮相が個性に植え付ける、悲愴なまでの皮肉。 鋼鉄の意志は赤錆に蝕まれ、孤独なアイロニと化す。 苦渋を嘗め尽した過去は、あらゆる未来に恐怖する。 再来の予感を打ち消すことに全力を捧げる徒となる。 「どうして、所長はそんなことを僕に話してい…

<AR-F02> ある表情

表情に自然法則を適用することはできない。 物体ではある人の顔の、それは意味だから。 表情のない顔と向き合うことを人は恐れる。 しかし稀に、人を内省に誘う無表情がある。 彼の顔から笑いが消えている。自分の回りの大地に気づいて目を凝らしているから…

<AR-F01> 個人主義の萌芽

仕事を依頼する人と仕事を受ける人とが、 互いに向き合う場合だけでなく、 両者が同じある方角を見据える場合にも、 その仕事が成立する場合がある。 「そうですね、確かに、僕は僕の顧客のために、建てうる中でももっとも快適でもっとも論理的でもっとも美…

尽きぬ流れの「初源」の風景

『水源 The Fountainhead』(アイン・ランド)を読了しました。 かなりの大著で、平日に一日1~2時間読み進めて、半年かかりました。あとがきに書いてあったことですが、 著者は20世紀初期にロシアで生まれたユダヤ系の人で、本名はアリッサ・ローゼンバウム…