human in book bouquet

読書を通じて「身体へ向かう思考」を展開していきます。

仕事

群島思考 後編〜エコロジカル・ニッチのタネまき仕事

ビジョンが浮かんできました! やはり待ってみるものですね……別のことをしていても、他の本を読んでいても、 頭の中のどこかではいつもこのことを考えていたわけですが、 リースマン(『孤独な群衆』で有名な人)の本を今さっき読んでいて、 いちいちの記述…

群島的思考 前半

島に木が生えているのを見たら、どちらが先にできたとあなたは思うだろうか。自然な(そして普通は正しい)のは、島が肥沃な土壌を提供し、幸運な種がそこに落ち着いたと考えることである。マングローブの森はしかし、この一般的な規則の示唆に富む例外とな…

今、日々在りて

ここ最近、併読書のなかで、長々と読み続けてきた本の読了がいくつかありました。『意識と本質』(井筒俊彦)、『存在なき神』(ジャン=リュック・マリオン)と、それから先ほど読み終えたのがイヴァン・イリイチの『脱病院化社会』。それぞれ、最終頁を閉…

香辛寮の人々 2-11 微々と縷々

前記事からの続きです。 いや、インタールードかな。 久しぶりに、フェンネル氏登場。 対するは、直接は初登場のアニス嬢。 × × ×香辛寮「G&S&B(ジーエスビー)」のリビングにて。 テーブルには一組のコーヒーと、各々その傍らに男女。時は夕暮れ。 建物は…

「鎖書」概念考その1 ~ 心理療法との共通点

ここひと月ほどブログを更新していませんでした。 別の場所で文章を書いていて、そちらの方で「文章を書く意欲」が満足されていたようでした。 それはいいのですが、まあ、たまにはこちらでも。司書の仕事の話を書きます(もちろん「考えながら」)。 オンラ…

司書ブログ更新

一年ぶりですが、個人事業HPのブログを更新したのでリンクしておきます。選書したセットが自分の仕事の価値観に関わるものだったので、 これを機会にと考えてみました。この089は相当に内容の濃い鎖書なので、引き出せるものはもっとあるはずです。もとい、…

『鞄図書館』と「鎖書空間」

これまで幾冊もの本を取り上げてきた。小説はもちろん、伝記、旅行記、闘病記、日記、童話、詩集、歴史書……等々、ジャンルは多岐に亘る。本の選択は私に任されており、どんなにアンバランスな組合せになっても(例えば『武蔵野夫人』と『不思議の国のアリス…

ポストモダンとはなにか

ちょうど選書作業中に見つけたので引いておきます。これを読むと、思想とは生き方なのだと改めて思います。そして、「鎖書店」のコンセプトがポストモダン的であることに気付きました。それで特に驚いたわけでもありませんが。 ポストモダンとは、モダンの内…

マトリックスと目鱗

本記事はメモです。 × × ×https://twitter.com/three_turnerたしか去年からツイッターで細々と鎖書店の選書メモを発信し続けていて、 けれどフォローを全くしなかったので発信力という意味では弱いなとふと思い、 フォローを始めることにしました。ただ本ア…

鎖書店のABOUTページを更新しました

ふと思いついて、鎖書店のコンセプトを書いたページ内容を改訂しました。3tana.stores.jpいままでは販売サイトを立ち上げる時に勢いで書いた内容オンリーのごつごつした文章だったんですが、久しぶりに最初から読もうとすると、自分で書いた文章ながら読みづ…

三島由紀夫と上野千鶴子

連想でオフィスの書庫の本を繋げてセット販売する、「鎖書店」というネット古書店を運営しています。 書庫には多様なテーマの本が並んでいて、作成するセットの分野はいろいろです。 が、やはり連想という自分の無意識に頼ると、僕自身の興味の度合いがセッ…

<AR-F01> 個人主義の萌芽

仕事を依頼する人と仕事を受ける人とが、 互いに向き合う場合だけでなく、 両者が同じある方角を見据える場合にも、 その仕事が成立する場合がある。 「そうですね、確かに、僕は僕の顧客のために、建てうる中でももっとも快適でもっとも論理的でもっとも美…

ブックアソシエータのつぶやき 1

耳年増というのがあって。 経験はなくとも話には聞いていて、なんだか知った風であるという。 本読みにも似た傾向があり。 読んだ話と実際にあったこととがごっちゃになるともうダメで。何がダメなのか。古本屋を始めたのが、いや開店は最近ですが準備は半年…

「鎖書店」説明ページのための文章

このブログにはほとんど書いてこなかったのですが、現在「新しいコンセプトのネット古書店」の開業準備中で、半年以上前からコツコツと進めていました。今日はその準備の大詰めで、販売HPの説明書き(要するに「売り文句」)を書いていました。 「鎖書店」と…

「巣箱型図書館」をつくろう

オフィスに書庫を作ろうと思ったのは半年以上前で、相変わらず進捗は遅々としていますが、いつだったか、書庫の設計中に紀伊国屋で本を3冊買いました。設計用にと構造力学の入門書(結局読んでませんが…)と、図書館関係の本2冊。後者のうち読んでなかった…

本の可能性を「草の根」で賦活するために

『「本の寺子屋』が地方を創る - 塩尻市立図書館の挑戦』(「信州しおじり 本の寺子屋」研究会)を読了しました。表紙裏に抜粋された、まえがきの一節には、こうあります。 「本の寺子屋」とは── 塩尻市立図書館が中心となって推進している取り組みで、 講演…

悪なす善人、名刺を作って思うこと

半年以上かかっていた『1Q84』は結局、岩手から引っ越す時期の慌ただしさに巻き込まれてbook3前半で途絶し(そして引越し時に半分の蔵書とともに手放した)、なにはともあれ騎士団長への道が一歩前進、次は「多崎つくる」かと思って本棚を眺めると、訳書でな…

Galera2級初クリア、鍛えずに登る、三度入り口、etc.

galera-climbing.com 大阪へ来て、ガレーラ↑に通い始めて1月半、昨日ようやく2級課題(スラブ)を初クリアしました。 常設課題ではなく月ごとにホールドの配置が変わるマンスリー課題ですが、マンスリーの中では3級が未だ一つも登れていない中の、唐突な…

新しい仕事(1):友人とユニットで工業設計をする

シェアオフィスでの仕事が始まりました。 開始早々に忙しくて、1週間ほど経った今やっと落ち着きました。 次の案件開始は僕次第ですが、その前に仕事内容について書いておきます。仕事のジャンルとしては「機械設計・工業設計」です。 大小問わずモノの設計…

新しい仕事(0):磨耗を起こさない、風景との関係

前に書いた文章を読んでいました。 これが書かれた時の頭の状態が、読んでいると思い出されます。 眉間には軽く皺が寄り、口は意識的にぴたりと閉じられている。 真一文字を崩す口の端の歪みは、頭の潜行を許す身体の諦めの証。cheechoff.hatenadiary.jpこの…

新しい仕事(0):本と自覚

仕事についてちゃんと考えておかなくてはと思い、その一方で直近にやる必要のあること(引っ越し準備など)が確定されてそちらに意識がとられていました。 やることが具体的なほど動きやすいけれど、抱えるタスクが具体的であるほど、それと同時に対面してい…