human in book bouquet

読書を通じて「身体へ向かう思考」を展開していきます。

2014-12-01から1ヶ月間の記事一覧

「ゆくとしくるとし」のこと

少し前の記事の註に書きましたが、毎年の年末年始に恒例の記事を書いています。 一年の出来事を振り返るテーマで「ゆくとしくるとし」というタイトルです。 今年も実家(大阪と京都の境目)に帰り、「毎年恒例」を続けることができました。 毎年同じことがで…

「仕事をしている人」の一心さ(2011/9/24)

2011/09/24(土)16:21店内 Lブレンドコーヒー ¥220 「仕事をしている人」の一心さ 『いいひと。(20)』で、ミキさんと料理人さんの やりとりに奥様が発した一言 「無我夢中に仕事」というわけではなく、 着実に仕事をこなす中で個人の人間性が 自然ににじみ…

「方法論」について

註(13) <"かまえ(disposizione)"=もののみかた、ふれかた>という意味での理論について、メルッチは「現実を単に当たり前のもの、明白なものとして見てしまわないための、リアルな現実をとらえるためのある種のフィルター、現実がもつ意味について問いを…

実践的否認について

「貧乏人に贈与するために富み栄えるのだ」と言われる。これは利害関心の実践的否認の模範的表現であって、この否認はフロイトの否認(Verneinung)のように利害関心を充足させるのを許すが、利害関心を満足させているのではないのだということを明示する形…

忘れないこと。(2011/09/04)

2011/09/04(日)15:56店内 Lブレンドコーヒー ¥220 忘れないこと。 1)『いいひと。(21)』(髙橋しん) 母と娘の間になかったもの 家族で唯一共有できるもの …家族で共有した時間、記憶 (生) 「記憶は、思い出せば……。」 形を変えて身体に染み込むまでの…

歴史と無時間について

「未発の一揆」は、下記の鹿野政直の言葉による。 「日常性の根深さは、革命の一時的喧噪などものともしない」「実際には、一揆のときだけが異常事態で、その他のときはすべて静謐であったかのように歴史を描くのは、当を得ていない。不平・不満・いらだち・…

子を叱る母を見て。(2013/05/14)

2013/05/14(土)16:35 店内 Lブレンドコーヒー ¥220 子を叱る母を見て。 「水筒」「モノを大事に…」「父親に電話(するわよ)…」 責任感・使命感が内向する(内側に閉じる) ←子供は母の所有物 ←言葉(記号)による了解≠コミュニケーション ・形式を実質に…

「やがて哀しき境界人」のこと

『やがて哀しき外国語』(村上春樹)を読了しました。 村上春樹の本のあとがきは、いつも「読みごたえ」があります。 本の内容のまとめなのですが、それは要約でなくて「濃縮還元」なのです。 この本のあとがきで、村上春樹も「境界人」だったことに今さら気…

Veloceメモについて

部屋が寒くてキーボードが打ちづらい… 暖房器具がコタツだけだと読書はできてもPCが厳しいですね。読書が一区切りついて、でも外に出していた手が冷たかったので、 コタツに手を入れて「寒いなあ…」とボーッとしていました。 すると、幅広のペン立てに入った…

和歩実践一ヶ月目進捗報告

和歩を始めてひと月ちょっとが経ちました。(きっかけは長いですがこちら↓) 「和のウォーキング」について - ユルい井戸コアラ鳩詣 2時間も和歩で歩くと、毎週何かしら発見があります。 でも歩き方を考えながら歩く時間は減っていて、安定しつつある。 何…

象徴は 小腸巡りて 昇華せむ

(…)理論構築は、贈与交換と、次に言うようなおそらく象徴的労働の全体との本源にある制度的に組織され保証されている誤認の可能性の諸条件を消滅させるのだ。その象徴的労働とは、利益にとらわれない交換という、本気で思い込んでいるフィクションによって…

せり上がる足裏について

一本歯の歯底に巻いていた靴下が、マジックテープが外れてとれました。ラグの上を歩いていてとれたのですが、すると面白いことが起こった。 とれた左足でラグを踏み込むと、足の裏の感じが断然変わっている。 具体的には、平らなはずの一本歯の平板が「内側…

「太腿歩き」の重力操作について

和歩の話です。なにやら進化を遂げたようなので、その経過報告です。先週の半ばに、会社から出ようと廊下を歩いていて唐突に閃きました。 閃いたのは(その主語は)頭ではなく、身体でした。 実は通勤でも会社内でも和歩は目立たないように実践しているので…

農業と「普通の農産物」について

農業新聞の影響かもしれませんが、ここ最近は農業の記述に反応します。 諺に曰く。「農夫が勘定したら、種を撒かなくなる」。おそらくは、労働とその生産物との関係は、本当に知られていないのではなく、社会的に抑圧されているのだと理解しなくてはなるまい…

「井土浩平型ポテンシャル」について

本ブログの筆者はけしてコアラを見逃さない。 数千年後のある日、ライシャワー教授はこれを私に教えたあと、つけ加えて言った。 『これが、日本の古代史にみられる所謂コアラ型支配だ。諸君もご承知のとおり、そもそもコアラは雑食性の獣だった。ところが、…

「修行球」の軌跡中心について

前に、続くと言いながら放置していた「球」の話です。これは健身球と呼ばれる球で、手のひらで回るように転がします。 中国のお土産でよくあるそうで、ネットでも簡単に買えます。 指を鍛えるのによいらしいのですが、手に入れたきっかけは違う所にある。 こ…

愛について(2)

カポーティの『遠い声 遠い部屋』を読了しました。 村上春樹氏が好きな作家、というリンクがひとつあります。 そして高村薫氏が同名の小説を書いたきっかけの『冷血』の作者としても。 気に入った箇所のうちひとつを抜粋してみます。 (…)愛のよろこびはあ…

変化のこと(7)-不易流行もフラクタル(ジャム&ウィスキー2)-

本ブログの開設初期に書いた、ジャムとウィスキーの話の続きです。 その時の投稿内容はこちら↓↓ ジャムのこと(2) - ユルい井戸コアラ鳩詣 ウィスキーのこと - ユルい井戸コアラ鳩詣 「ジャム(ときな粉)をグラノーラにトッピング」の朝食はあれから続い…

変化のこと(6)-脱・首凝り族-

年末だから、でもないですが、生活の変化を振り返ってみます。 生活の細部を点検すると、変わったことと変わらないことがある。 でも変化には必ず「基準」があります。 果して「変化の基準」とは何か、そんなことも考えつつ。+*+*+*まず、肩と首の凝り…

クミンコーヒーについて

きっかけはマッドコーヒー 最初にマッドコーヒーの名を知ったのは梨木香歩氏の本ででした。 最初、この居間に通された時、モシェが言った。 ──さあ、選択肢が五つある。オレンジジュース、アップルジュース、ミルクティー、レモンティー、マッドコーヒー。 ─…

有時間モデルの安定について

続きを書く前にさっき思い付いた別の話をします。一本歯を履くと「体が前に傾くから歩くんだな」と実感できます。 ふつうに立っていると安定し過ぎて気付きませんが、 歩く時は片足を踏み出すより前傾姿勢をとる方が先です。 このことは、直立した状態で片足…

臍下丹田の位置について(2)

(…)べつに下腹から何か得体のしれない力が出るわけではなくて、支点をそこに置くと、全身がうまく協調的に動いてくれるんじゃないか、ということなんです。もちろんこれは仮説ですけど。 ごく一般的な踏ん張った動きであれば、身体のかなりの部分は、もう…

臍下丹田の位置について(1)

(…)そこで、私なりにこの丹田というものをいろいろ考えてみたのです。支点を消す動きという見地から見て行くと、腰とか、足の裏とかは、やはりどうしても骨がありますから、そこがいわゆる、さきほどから言っている明確な支点になりやすいんですね。 とこ…