human in book bouquet

読書を通じて「身体へ向かう思考」を展開していきます。

◆マンガ

色即是空、お布施、命の重さ

江戸時代のお伊勢参りのマンガを読みながら考えたこと。てくてく ~東海道ぬけまいり~ (1)作者:山崎浩リイド社Amazon今でいうボランティアと、 お布施、またはお接待の感覚は、 違う。「情けは人のためならず」 という言葉は、その誤用でない正しい意味の…

ラヴロフとシュレディンガ

スーパーで同じアパートに住むご近所さんを見かける。「あ、セイちゃんだ。わっほーい。買い物かのー?」 サキさんがこちらに気付いて、手を大袈裟なほどに振ってくれる。彼女は多動症かと思うほど元気一杯で、ふわりとしたスカートがいつも空気を巻き込んで…

「怒り」と「憤り」、あわよくば『VIVO!』(瀬川藤子)の書評

3巻まである『VIVO!』(瀬川藤子)をさっき読了しました。 何度目かの再読ではあるんですが、最終章を呼んでいるあいだに意外なところに連想がつながったので何か書こうと思いました。VIVO! 3巻作者: 瀬川藤子出版社/メーカー: ノース・スターズ・ピクチャ…

岡潔と安西水丸の共通点

まさかこの二人がつながるとは。 好きな画家は大観と久隅守景、外国ならゴッホ、ラプラードなどである。 (…) 守景のは実物は見ていないが、ある画家から新聞に出ていた写真版の「夕顔欄」を見せられて好きになった。この絵には半裸の夫婦よりも、それを見…

「横文字」的現象について(ホントなんだっけな…)

一つ前の記事を書いてる途中なんですが、 (途中でもう投稿しちゃいましたが) 「タイムリー」の話になったので寄り道します。 今日偶然読み始めた『ゲド戦記』(ル・グウィンの原作小説の方)もそうなんですが、 なにかの節目にそれとなく読む文章が非常に…

過活動、資格取得、冬支度

近況です。 × × ×体調を崩しました。 風邪でしょうか。原因ははっきりしていて、無理がたたりました。 講習が終わってからボルダリングに行く時間が早くなり、 それでいて終わる時間が講習中と変わらない。 という日々をやはり週3で続けていて、 今週はその…

街で求職と買い物、転換の第二十三歩

今日は烏丸御池のハローワークに行ってきました。修行と両立できて生活リズムが整うようなパートを探します。 希望職種に「未定(職歴問わずなんでもいい)」、その他備考に「PCをあまり使わない仕事、事業規模10人以下」と書きました。どんな仕事があるでし…

死者として

cheechoff.hatenadiary.jp 一昨日のこと↑ですが、遍路について調べた時に四国八十八ヶ所についての論文集みたいなものをちらりと読みました。「四国遍路における装備の由来と歴史」という項目に惹かれて拾い読みをしたのですが、杖は大師(空海)であって宿…

大文字山〜如意ヶ岳〜浜大津

今日は山越えというか峠越えというか、とにかく琵琶湖まで行ってきました。 が、今日の行程は登山部的にはアウトで、反省せねばなりません。反省。というのも、according to Yamano Jikan,(←訳:山の時間によれば。高校時に所属していた登山部の"名言集"に…

着実の第二歩/おまけのヒラリー

今日は所用で三条河原町-四条烏丸界隈に行きました。鴨川沿いを荒神橋まで下って荒神口通りを西へ行き、御所を斜めに(運動場も斜めに)突っ切って丸太町通りに出て、車道の向かいにあった通りに適当に入って(富小路通でした)南へずーっと進み、四条通まで…

「狐の葡萄」にしちゃいけない

『竜の学校は山の上』(九井諒子)という短編集を入手しました。 さっそく表題作「竜の学校は山の上」を読みました。「竜学部」という語呂が良くて、どこかの大学に本当にありそうですね。 留学部の誤字でパンフに載ってたりして…いや、あっても留学サークル…

六、今日も元気に(45.指)/「星の恋人」

切り落ちた 指は 挿し木にしてね 今日も元気に 洗濯をしてる 「星の恋人」(市川春子『虫と歌 - 市川春子作品集』) 1 頭21 インキ41 金61 家81 礼儀 2 緑22 怒り42 馬鹿な62 可愛い82 狭い 3 水23 針43 ノート63 ガラス83 兄弟 4 歌う24 泳ぐ44 軽蔑する64 …

五・合! ユーバリ

本記事は紹介されている作品を知らない人には意味不明な内容です。 興奮して書かずにいられなかったという、ただそれだけです。 タイトルの音でピンときた人がいれば、それだけで本望です。 × × ×先週から『草子ブックガイド』(玉川重機)を読み始めたと先…

ほんのマンガ/知識と思想の大循環

今手元にある「ほんもの」のマンガたちです。どのマンガも本への好意が溢れていて、本読みにはたまりません。 右の三冊はブックガイドの要素が大きく、 書評本とはまた違った形で新たな本と出会わせてくれます。 (と書いてみたものの「どう違うか」は…考え…

首凝り族の生活、GHOST LINE、リアル盤古幡

ここしばらく書いていなかった首の話を書こうと思います。首凝り解消に向けて試行錯誤を続けていますが、 興味深い体験があったのを期に、 ある程度治療?の方向が固まっ(てい)たこともあり、 とある計画を練るのも兼ねていろいろ書きます。 × × × (1)せいか…

光・風・波の干渉と骨の意思について

思い返すと、今年新品で買った本はこのマンガだけかもしれません。宝石の国(2) (アフタヌーンKC)作者: 市川春子出版社/メーカー: 講談社発売日: 2014/01/23メディア: コミックこの商品を含むブログ (28件) を見る前にこの本について(内容には一切触れていま…

接骨院の院長の話

今日から毎週、接骨院に通うことにしました。 やっぱりまえおき長いです。 経過1 首の違和感が自分の工夫ではどうにも治らんなと思い、1月ほど前に整形外科に行きました。 駅前で繁盛しており(年配の方が多い)、院長は片時も惜しいという感じで診察され…

冷蔵庫の音

『キッチン』(吉本ばなな)をかつての同僚M氏に借りて読んだ時に書きました。+*+*+*2012/05/06 00:49 ふと思いついて台所で本を読んでみた。 正座をしたくなって、でもテーブルを出してしまい、 リビングでは落ち着いてできないなあと、 あれ、キッチ…

鳥居の結界について

最近『ぎんぎつね』(落合さより)を読み始めました。 1巻の終わりに「神社での参拝の仕方」の解説がありました。 そういえば参拝の仕方を本なりで「学ぶ」ことは今までありませんでした。 ふつう参拝の作法は、家族や友人に教わるか見よう見まねでやるか、…

「測量術」のこと

ソローは、本が売れなかったから、人の家でまき割りをしたり、鉛筆を作ったりして生活を支えるのですが、もう一つの収入の道があった。それは測量です。プラグマティズムの哲学者には、測量技法を身につけた人が多い。パースは、光の波長を使う測量術を考え…

「ヘンショリ君」と「100%人柱」のこと

『僕らはみんな河合荘』(宮原るり)をちびちび読んでいます。 主人公の高1宇佐君が変人の巣窟に下宿して和気藹々と過ごすマンガです。 コミュニケーションの機微が丁寧に描写されていて社会勉強になります。 露骨な下ネタが清々しくすら思えるのは住人たち…

子を叱る母を見て。(2013/05/14)

2013/05/14(土)16:35 店内 Lブレンドコーヒー ¥220 子を叱る母を見て。 「水筒」「モノを大事に…」「父親に電話(するわよ)…」 責任感・使命感が内向する(内側に閉じる) ←子供は母の所有物 ←言葉(記号)による了解≠コミュニケーション ・形式を実質に…

限りなく金に近いと金

千ちゃんの先チャン本紹介、という趣向です。 (そういえば俺をそう呼ぶ人はもう近くにはいないなあ、とか…) 最近はスパゲティ本に『フフフの歩』(先崎学)を読んでいます。 棋士の日常を綴ったエッセイなんですが、面白いです。 着物で懐手でいつも眉間に…

想像と質感について

想像の種類について少し考えました。それを「目の前にしたようにありありと思い浮かべる」という。 また、「具体的にはよくわからないけどこういう感じ」という想像がある。 臨場感と質感を並べた時に、 前者の想像に臨場感を、後者の想像に質感を当てはめら…

段ボール刀のこと

まえおき 本記事は、前にジャムの話の中でした、習慣の話の1つです。僕は自身の生活においてブリコルールの実践を信条としています。 ブリコラージュとは器用仕事の意味で、平たく言えば「ありものでなんとかする」。 根本的なことをいえば、自分の身体も、…

デフォルメについて

写実主義でないマンガの描き方をデフォルメと呼んでみます。 やたら頭が小さい、足が長い、あるいは手が丸、足が棒、などなど。 マンガのほとんどは何がしか描写がデフォルメされています。 ここで考えたいのは、特殊な場面でのみ適用されるデフォルメについ…

ほんの本棚

いしいひさいち氏の書評マンガではなく、自分の部屋の本棚の紹介です。 いしい氏は「ほんの」に"book of"と"a little"をかけていますが、 僕の場合は省略があって、「ほ(と)ん(ど)の」というオチです。 ということで実はもう1つ本棚がありますが、そちらは…