human in book bouquet

読書を通じて「身体へ向かう思考」を展開していきます。

2015-01-01から1年間の記事一覧

『喜嶋先生の静かな世界』(森博嗣)を読んで

いつも平日夜は一日おきに小説二冊を交互に読んでいますが、 今回はちょうど年末で、先週後半にうち一冊を読了したので、 仕事納めの今日に読了するようにもう一冊を毎晩読みました。 年始からは二冊とも新しく始められるわけできりがよいです。+*+*+*…

女性への適応と行動について

「きおくをことほぐ」タグの(4つ前の記事は零回目として)一回目ですが、 言祝げるような内容でない予感が書く前からしていますが、 大事なのは内容の評価(ニュアンス)ではなく「縁が生まれる」という現象そのものです。 過去に対する評価は常に、その時…

アッパラ兄弟とトスタン嬢

もともと書こうと思ったのが本記事で、 材料集めに過去ツイートを探しているうち脇道に二度逸れました。さておき。まずは写真を一枚。 これはいま居間で現役のフロアライトです。 (マンションにありがちな天井ライトは夜まぶしいので使っていません)そして…

「得をしない」≠「損をする」

「つぶやきなまし」祭です。このタグ名は「つぶやき」+「焼き鈍し」の造語なんですが、 なぜこんな名前にしたのか思い出せません。 語呂の良さにいい気になってロクに考えてなかった気も…まあいいか。「得になることをしなかった」ことと「損をした」ことは…

コショウ主義者のプライドについて

「胡椒中につき塩禁止」— chee-choff (@cheechoff) 2015, 6月 27ある理由で過去ツイートをたどってたら面白いのを見つけました(自分で言う)。 「故障中につき使用禁止」ですね。

「記憶の祝福」について

久しぶりに新しいタグをつくろうと思います。 要するに「記憶」なんですが、書きながらもう少し気の利いた名前を考えてみます。 きっかけになったのは、最近何度か引用している『アフターダーク』(村上春樹)の一節。 (今思うとですがこの引用部は、この小…

守り隔てる薄膜について

読中の『野生の哲学』(水沢哲)について何か書きたいと思い、 本の中にマーク(「○」や「!」など)を書き込んだ箇所を読み返していたのですが、 いつもの「部分抜粋&コメント」がしづらいなあと思ったのはこの本に全体の流れがあるからで、 もし書くなら…

「変化による美味しさ」について

3つ前の記事↓の続報のようなものです。 cheechoff.hatenadiary.jp上から、先週日曜の昼食と今日の昼食です。 パンはどちらも最寄りのスーパーで買ったもので、「ゆめちから(というお米)入り塩バターロール×6」と「フランスパン」です。 バターロールは何…

『アフターダーク』と「しんみりカオス」

昨日『アフターダーク』(村上春樹)を読了しました。 何か書いておきたいと思ったので思いつくままに書きます。 僕は学部時代にジャズ研にいて、カーティス・フラーのアルバム「blues ette」も持っていて、「fiver spot after the dark」と言われてすぐメロ…

「未来を予告するかすかな物音」について

サハラの辺り一面の砂漠にぽつんと立つ、哨所(郵便機の発着を成立させる最低限の施設)にて。 ところが今度は、緑いろの蝶が一羽飛ぶ。蜉蝣が二羽、ぼくのランプに突き当る。するとまたしても、ぼくは曖昧な気持に襲われる。それは喜びかもしれない。あるい…

空腹感について

毎週土曜の昼食の変化から思うところがありました。つい1月前ほどから昼食がサンドイッチ(2切れ)になりました。 それまではわりとがっつり食べていて(ニラレバ炒め定食とかラーメン大盛りとか)、平日に食べないものを食べようとかちょっと太らないと体…

山岸センセと揖斐くん

相変わらず土曜日の話。最近、土曜にVeloceにいる時間が長くなりました。先週は『「しがらみ」を科学する』(山岸俊男)を午後いっぱいで読始&読了し、 今日は『安心社会から信頼社会へ』(山岸俊男)を5時間強で半分読みました。 前者はちくまプリマー新…

光・風・波の干渉と骨の意思について

思い返すと、今年新品で買った本はこのマンガだけかもしれません。宝石の国(2) (アフタヌーンKC)作者: 市川春子出版社/メーカー: 講談社発売日: 2014/01/23メディア: コミックこの商品を含むブログ (28件) を見る前にこの本について(内容には一切触れていま…

『時代の風音』(堀田善衛×司馬遼太郎×宮崎駿)

ここ最近は平日にブログを書く気にならなくて、 かといえば土曜に書きたいことがいくつも噴出してきて、 その日に書かないと書く気を失くすのは分かっていても、 習慣的なあれこれをこなした頃には日が変わりかけていて、 残念だなあと思いつつもまあこうい…

歴史叙述とは

今日は祝日対応(仕事みたいだな…)で一日一冊をと思い、昨日Veloceで読み始めた『時代の風音』(宮崎駿、堀田善衛、司馬遼太郎)の面白さに導かれて『日本近世の起源』(渡辺京二)を一日中読んでましたが読了ならず。3/5くらいかな。残りは明日どこかで時…

身体不離、臨終図巻、カラス・スナイプ

明日から雨ということで、今日はお休みを取りました。 というテキトーな理由付けでもしないと取り忘れてしまうのです。 それほど忙しいわけではないのですが、週休2日で生活リズムを作っているとそれを崩すのにエネルギィがいるのです(祝日は不可抗力なの…

酔狂(的)架橋(的)越境(1)

朝歩いていて、保坂和志の(HPに載ってる)エッセイのことを考えていた。最近読んだ中で、加藤典洋やら橋本治やら僕自身が著書に親しんでいる人々について言及していて(早稲田での講演だったかな)、このリンクは嬉しいなあと思いつつ保坂氏は歯に衣着せな…

「高一追想シリーズ」4冊目

先々週と先週はイレギュラでリュウ氏の新書を読みましたが、 今日から「高一追想シリーズ」最終の第4弾、『人と接するのがつらい - 人間関係の自我心理学』(根本橘夫)を読み始めました。 この4冊を今回読む順番はランダムにした(目を瞑って本棚から手に…

経済だけじゃない、『日本経済に関する7年間の疑問』(村上龍)

『日本経済に関する7年間の疑問』(村上龍)を読了しました。本書は新書なんですが、村上龍が新書を出してるんだと興味をそそられて手に取りました。 経済の本を買ったのは久しぶりで、今の僕は学問としての経済に興味はないのですが(院生時にスティグリッ…

芸術と反権力

は似ているな、と思うリンクがありました。 芸術は意図を超えて反権力的だし(例はいっぱりありますね)、反権力は時に芸術性を帯びる(0円で国家作った人いましたね)。 言葉というのは人間にとって厄介なもので、表記のうえではそれが否定されていてもあ…

「どちらの生き方を選ぶか」?

その結果、抑ウツ傾向のないふつうの人は七五パーセントも当たると当てた(傍点)と思い、何の根拠もないのに、状況をコントロールしていると思うのです。しかし、抑ウツ傾向の人はそうではありませんでした。たとえ七五パーセント当たっても、状況をコントロ…

未知が導く好奇心

『自己チュウにはわけがある』(齊藤勇)を読み始めました。 高一で読んだ本の再読シリーズ第三弾です。心理学の実験の話(被験者が先生役で、サクラの生徒役に電気ショックを与えるとか)が豊富に出てきて、想像しやすくて書かれた理論(というほど堅くなく…

レンコン、アナログ時計、前のめり和歩

<起床> 今日はちょっとした起床事故でお休みとなりました。先週木曜の夕食で味噌汁のレンコンがアタって体調不良となり、今日も病み上がりではあって病院にも行ったのですが(という言い訳を明日のために用意しています)、まあそれとこれとは何の関係もあ…

望めば、叶っている。

何か現状にままならないことがあって、 こうなればいいのに、 あんなものなくなればいいのに、 などと思うとする。その状況があって、 その状況に対する思いがあって、 けれどほんとうは、 「現状」にはその状況に対する思いも含まれている。 つまり、望むべ…

ほんの昔話

今週のお題「人生に影響を与えた1冊」→『「おじさん」的思考』(内田樹)です。「おじさん」的思考作者: 内田樹出版社/メーカー: 晶文社発売日: 2002/04/06メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 14回この商品を含むブログ (62件) を見る学生時代に、実家(二…

観察主義者の素地について

『人間関係』(加藤秀俊)を今日から読み始めました。この本は前に書きましたが、高一の時に一度読んだ本です。 当時の出来事や考え方を思い出すかなと思っていましたが、文章としては「読んだことがある」と思わせる箇所は全くなく、グリーンの蛍光ペンで几…

「カキフライ理論」実践

液の適切な量が重要である。 滴下する前にはだいたい数回転で個々の位置関係が変化せずに全体が一体化してぐるぐると回る。 質点の座標は変わらずにXYZの空間軸が無秩序にぐりぐり動く座標空間を思い浮かべればよい。 それでは回転の意味がない。しかし考え…

「第5次スーパー味噌汁配膳」記録帳1

「第5次〜」の説明は前の記事↓の後半に書きました。変化のこと(10)- 一念ほっけ(サバだけど) - ユルい井戸コアラ鳩詣cheechoff.hatenadiary.jp なんだかんだで、というかあまり考えずに、当初の方針のまま9週間経ちました。 「具は3種類」を忠実に守…

無題7

「肝心なのは」彼女は指を一本立てる。「味噌汁における味噌は脇役ではなく主人公であるということなのよ。汁に味噌がなければただの汁だし、また具のない味噌汁はあっても汁のない味噌汁はないわけだし」 彼女の指が左右に揺れる。 「ダシのない味噌汁もあ…

「春日本」とのシンクロについて

純粋な情報量から言えば、ぼく以上にぼくについての多くを語ることのできる人間は、この世界のどこにもいない。しかしぼくが自分自身について語るとき、そこで語られるぼくは必然的に、語り手としてのぼくによって──その価値観や、感覚の尺度や、観察者とし…