human in book bouquet

読書を通じて「身体へ向かう思考」を展開していきます。

2020-11-01から1ヶ月間の記事一覧

デジタル平安時代の崩壊とその先

日本の歴史を見ていると、外国でもそうかも知れないが、何か外来の事変に出くわすと、内に蔵せられて今まで気のつかなかったものが、忽然首を動かして事物の表面に揺ぎ出て来るのである。何か刺戟をもたぬと心の働きの鈍るのは、個人生活の場合は固よりそう…

「不気味の山」とリアリティの解像度

電子の仮想空間が誕生する以前から、人間は夢を見ていた。夢と現実を取り違えないでいられたのは、夢が現実に比べて圧倒的にデータ量が少なかったからだ。多くのメモリィを必要としない、解像度の低いものだった。合理的な秩序も、緻密なディテールも、そし…

先天性ニヒリズムの克服法

スニーカー刑事は立ち回る。 事件は人心の闇への招待状。 参加は強制の呪われた祝宴。 死の足跡をたどる即席の詩。 生の所業は諸行無常への道。 手応えはたしかに存在する。 闇を照らせば有象が浮かぶ。 光は見えぬ無象を消し去る。 後先はなくただ存在があ…

対話と株式会社性、誠実な近視眼と形式に対する食傷

党派性を超えて政治を語ること。 政治とは利害調整のことだが、党派が対立するのは、 こちらとあちらの利害が異なるからである。互いに利益となる政策なら反対意見は出ないし、 互いに損害を生む事業は誰もやろうとは言わない。 一方の利益が他方の損害を招…