human in book bouquet

読書を通じて「身体へ向かう思考」を展開していきます。

 -加藤典洋

着脱式鰓呼吸器の詩

最近、仏教や禅の本を並行していくつか読んでいて、 おそらくそのせいで文章があまり書けません。何度か動機が湧いて書き始めたことがあって、 でもだんだんと内容が書きたいことからずれていって、 それ自体はいつものことですが、 その収拾のつかなさを放…

マジックミラーの「閉鎖系多重反射」の怪

先の記事を書いていて、最後に読み返す時に、別の進路へ派生する思いつきがもう一つあったことを思い出しました。 cheechoff.hatenadiary.jp 以下の引用は再掲です。 「お前は誰だ」と訊かれて、優等生の言葉は風紀係の教師に向かい、「私は私だ、あなたの思…

ラディカルの未来形、マジックミラー・シティ、意識活動の質的変化

風紀係の教師の前に立たされた非行少女は、ただ一つのことを知っている。それは、自分の言葉がけっして相手に受けとめられることはないということ、もし受けとめられることがあれば、それは、相手が虚偽であるか、自分が虚偽であるか、そのどちらかの場合だ…

愚かさと愛、ねじれ、ちいさな問題

『戦中派不戦日記』(山田風太郎)を読了。 橋本治氏の解説から2つ抜粋しておく。 太字は本文中傍点部。 昭和十七年の春は、こうして軍需工場で働きながら医学校進学を目指すことになる。受験勉強は全くしていない。医者になるということは、一人で飛び出し…

九条と自衛隊、思想のオーソドクシー、手続きのまっとうさ

『さようなら、ゴジラたち』の「戦後から遠く離れて」の章を読む。 憲法改正手続き法案が衆議院を通った頃の、憲法九条論。『九条どうでしょう』(内田樹ほか)は前に読んだ。 加藤氏はこの本所収の内田樹の主張にほぼ賛成している。 (以下、いろいろ混ざっ…

小指関節と肩の痛み、責任回避推奨社会

登壁と身体の話。・ブランクがあいてから身体が重い 筋肉云々より体重のせいで、以前登れたコースに歯が立たない。 無理せずやさしめの課題を多くこなしてまずは減量をめざす。・右小指の関節が痛い 登る課題が難しくなってくると故障の質も変わってくる。 …

SIM、不戦派日記、徒党社会の多様性

脳内BGMという表現がごわごわしているので略語を考える。 Back Ground Musicの目的をそのまま持つが、性質をその略語に取り入れる。 たとえばSynaptic Imaginative Music、SIM。 実体すなわち波動性を有さず、頭中を走る電気信号によって奏でられる。 虚数は…

酔狂(的)架橋(的)越境(1)

朝歩いていて、保坂和志の(HPに載ってる)エッセイのことを考えていた。最近読んだ中で、加藤典洋やら橋本治やら僕自身が著書に親しんでいる人々について言及していて(早稲田での講演だったかな)、このリンクは嬉しいなあと思いつつ保坂氏は歯に衣着せな…

資本主義の「次」を待つ

「資本主義は富の偏在を内側から補正するような『何か』を生み出すことはないのか」。ですから、そこにもし、可能性があるとすれば、その核心は、これを駆動するのが、やはり「死すべき」存在であるところの人間だというところにあるでしょう。資本主義はシ…