human in book bouquet

読書を通じて「身体へ向かう思考」を展開していきます。

ほんの本棚

いしいひさいち氏の書評マンガではなく、自分の部屋の本棚の紹介です。
いしい氏は「ほんの」に"book of"と"a little"をかけていますが、
僕の場合は省略があって、「ほ(と)ん(ど)の」というオチです。
ということで実はもう1つ本棚がありますが、そちらは秘密です。
(と言いつつも、どこかでひっそりと公開されていますが)

最近在庫本の整理をして、そのついでに本棚の本を系統立てて並べました。
あまり秩序があり過ぎるのも苦手なので、整頓というほどでもありません。
見かけよりも本同士のリンクを重視しています。
例えば、単行本と文庫が一緒に並んで凸凹しています。

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本棚の構成

本棚は2つあって、2つとも奥深スペースとスライド棚スペースがあります。
奥深スペースは単行本を前後二列に並べることができます。
スライド棚スペースは奥には一列しか並びませんが、手前が可動棚です。
左の本棚(旧棚)は左半分が奥深スペースで、右半分がスライド棚スペース。
右の本棚(新棚)は左1/3が奥深スペースで、右の残り2/3がスライド棚スペース。
ちなみにどちらも「本棚.com」で買いましたが、
時期が違ったせいで同じ焦茶色のはずが若干異なっています。

並べた本について

続いて段ごとの本について解説します。
自分の頭の一部を開陳するが如しですが、その可視化(文章化)も込めて。
個々の作家についても書かずにはいられなくなりそうですが、
それは何とか別の機会に譲りたいと思います。

旧棚・奥深スペース

一段目(上から)は「内田樹と愉快な仲間達」です。
僕はウチダ氏によって読書に目覚めたといっても過言ではなく、
長年読み続けるうちにイモヅル式に増えていった本を並べています。
実際は内田氏の本よりブログの方が読んできた量が多いのですが、
氏のブログで紹介される本や人が、とても面白そうでつい乗せられるのです。
並んでいるのは内田樹のほか、鷲田清一名越康文小田嶋隆中沢新一など。

二段目は高村薫池澤夏樹宮部みゆきの小説(単行本、文庫)です。
各氏とも「ジャケ買い作家」で、持ってない本を見つけたら即断で買います。
と言っても、ブックオフの、しかも105円棚での話ですが。
(そういえば消費税が8%になってから、105〜200円棚になりました)

三段目は森博嗣桐野夏生の小説やエッセイ(単行本)です。
二段目との作家の区分けに大した意味はなく、スペースの問題です。

四段目は奥が小説いろいろ、手前が最近買った本&最近読み終えた本です。
手前は図書館の返却棚のイメージでしょうか。
単純にスペースが余った所に置いただけで、気が向けば落ち着き先を探します。
奥は色々な縁があって単発で集めた小説たちです。

旧棚・スライド棚スペース

一段目の奥は新書を並べています。
諏訪哲二、佐々木正人、なだいなだ、長山靖生羽生善治などは数冊あります。
手前の可動棚はフリースペースです。

二段目の奥は長嶋有梨木香歩保坂和志の小説やエッセイです。
手前は加藤典洋鶴見俊輔の評論です。
この二人は関係ありますね、それをイメージして並べた気がします。

三段目、四段目の奥は森博嗣オンリーです。
単行本も合わせると、蔵書数トップは森博嗣氏です。
氏が多作なのも原因の一つですが。
そういえば最近本屋で立ち読みして(たしか)『つぼやきのテリーヌ』が、
氏が小説稼業を始めて265冊目だとかまえがきに書いていました。

手前の三段目は「古典名著シリーズ(評論)」でしょうか。
赤白が目立つ中公クラシックスオルテガレヴィ・ストロースで、
自分の中ではとても例が少ない新品購入本です。
院生の時にウチダ氏のブログに触発されて読んだ記憶があります。
手前の四段目は「古典名著シリーズ(小説)」です。
サリンジャーが多くて、あとはオースター、カポーティ、チャンドラーなど。
あれ、チャンドラーは分裂してますね(後述)。

新棚・奥深スペース

一段目は養老孟司の本+αです。
養老氏も多作で、「同じことを言っているようで毎回微妙に違う」という点で
ウチダ氏の本と性質が似ているように思います。
それは間を置いて同じ本を読んでも新たな感銘が生まれることでもあります。
αは何かというと、神谷美恵子の本が2冊あります。
鶴見氏も「ぜひ読みたくさせる」書評の名手で、
神谷氏の本との出会いも鶴見氏の仲立ちのお陰です。

二段目は橋本治オンリーです。
新棚のスライド棚スペース奥もハシモト本によって占拠されています。
小説とその他がありますが、その他の雑多度が凄まじいです。

三段目は村上春樹オンリーです。
小説、エッセイ、ノンフィクションなどがあります。
ハルキ小説は読了を惜しむように、ちびちびと読んでいます。
まだ『1Q84』を読んでいない、と言えば驚かれそうですが、
book3が105円棚に並べば読み始めるかもしれません。
『世界の終わりとハードボイルドワンダーランド』の方を先に読みそうです。

四段目は高橋源一郎オンリーです。
タカハシ氏は特殊な本が多くて、生活とのマッチングの問題から、
つまり日常をちょっとズラしたい時期に手に取ることが多いようです。

新棚・スライド棚スペース

一段目の奥は文庫いろいろです。
手前は数少ないマンガ蔵書です。
マンガは基本は立ち読みでちびちび読みますが、1ページをじっくり読む本、
あるいは何度も読み返しそうな本は買うことにしています。

二段目の奥は、前述の通り橋本治オンリーです。
手前はフリースペースで無秩序です。
吉本隆明の文庫本の隣になぜか『11人いる!』(萩尾望都)があります。

三段目の奥はこれもジャケ買い著者の単行本&新書&文庫が並んでいます。
路上観察学派、森毅仲正昌樹春日武彦多田富雄の各氏です。
学派というより学会ですが、これは赤瀬川源平藤森照信の二氏です。
あ、南伸坊も学会所属だったような…氏の本は別の所に紛れています。
手前は田口ランディオンリーです。
ランディ氏も内田樹のブログがきっかけでした。不思議な縁ですね。

四段目の奥は哲学等のコムズカシイ本いろいろです。
アウトサイダー』とファイヤアーベントが無秩序筆頭でしょうか。
手前は矢作俊彦とチャンドラーが並んでいます。
この二氏(つまり二村永爾とフィリップ・マーロウ)の共通イメージは、
ハードボイルド、で決まりでしょう。
恐らくスペースの関係で、右端にピンチョンがあります。
ぴちょん君ではありません。

おまけ

マンガの段の拡大写真です。
本棚に入らなかったワイド版を上に積んでいます。
何でしょう、一言でいえば「まったりふわふわ系」でしょうか。
女性マンガ家が多い気がします。
そうそう、少女マンガに抵抗がなくなったのもウチダ氏のおかげです。
「妄想乙女系」としては、山名沢湖が好みのドンピシャです。
「カップラーメンの麺に混入した運命の赤い糸」という発想にたまげました。
「カップ・ラーメン→カップルァーメン(巻き舌)→カップル・アーメン」
に本気で爆笑しました。(いやほんとに)
つい昨日の話なのでつい書いてしまいました。
妄想は偉大です。
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