human in book bouquet

読書を通じて「身体へ向かう思考」を展開していきます。

「巣箱型図書館」をつくろう

オフィスに書庫を作ろうと思ったのは半年以上前で、相変わらず進捗は遅々としていますが、いつだったか、書庫の設計中に紀伊国屋で本を3冊買いました。設計用にと構造力学の入門書(結局読んでませんが…)と、図書館関係の本2冊。

後者のうち読んでなかった方を、ようやく今日手にとってみました。まだまえがきしか読んでいませんが、いろいろ想像が膨らんだのでメモしておきます。思いついたことの、具体的な方法とか先例とかを調べる前に、自分の思いつきをそのまま形にしておいた方がいいかと思ったので。

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マイクロ・ライブラリー 人とまちをつなぐ小さな図書館

マイクロ・ライブラリー 人とまちをつなぐ小さな図書館

  • 作者: 礒井純充,中川和彦,服部滋樹,トッド・ボル,まちライブラリーマイクロ・ライブラリーサミット実行委員会2014,坂本伊久子
  • 出版社/メーカー: 学芸出版社
  • 発売日: 2015/04/23
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
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アメリカのトッド・ボルさんという人が2009年に始め、14年秋には世界75ヶ国、2万ヶ所に広がったという、「リトル・フリー・ライブラリー」=小さな巣箱型図書館というものがあるそうです。

図書館司書講習のとき、教室に展示されていた本に、世界の街角のいろんなものが図書館(本棚)になっている写真集がありました。電話ボックスとか、保冷庫(冷蔵庫?)とか、太い丸太の中をくり抜いて立てたものとか。これらも多分「巣箱型図書館」の一種だと思います。

その運用の仕組みは写真集に書いてはいませんでしたが(いや、英語だったから読み飛ばしたのかも)、鉄道文庫みたいに、借りてちゃんと返す人、そのまま持っていく人、自分の本を置いていく人、等々いろんな利用者がいて、管理者の気配りと寛容さ、プラス利用者の自由とが文庫の鮮度を保っていく、そんな形だと想像します。


話を戻せば、フリーライブラリーの「巣箱型」という表現が、いいなあと感じたのでした。

大阪・九条のオフィスの入り口横に、販売用の移動式本棚を置こうという計画はありました。当初のそれは、古本屋がよくやるような「100円均一ワゴン」のイメージで、鎖書としてリンクづけができない本を無人販売の形で売るつもりでした。

でも、書庫を作ってみると、意外に外観も実用一点張りというほどの無骨さはなく、照明の工夫をすれば「開架」書庫になるのではという司書講座仲間のアドバイスをもらいました。そこから、インターネットだけでなくオフィスのある地元に対して、本や読書を通じての繋がりを作れないかと考え始めました。


「リトル・フリー・ライブラリー」の話を読んで、無人販売じゃなくて、巣箱型図書館を作ればいいじゃないか、と思い立ちました。

棚板の材料は在庫があり(まだ作業途中なもので…)、加えてφ200mmだったか、太い丸太が2本あります。丸太はもともとまるみつのバランスボード的なものを自作しようと、書庫用木材と同時に買ったものでしたが、「巣箱」の足に使えそうな気がしています。

末広で自立できるようにした丸太の上に、二段ほどの書棚を乗せます。棚の背面は薄い木、全面はアクリル板で中が見える蝶番式の戸にして、屋外に置いても中身が濡れないようにする(塗装もしないとですね)。棚に本を入れる。本の隙間、あるいは書棚の下にスペースを作って、ノートを入れる。簡易の貸出帳。棚に入れた本のリストがあり、各書名の横に記入欄がある。名前(ニックネーム可)、貸出日、返却日、この3つが横に繰り返し並ぶ。

この「巣箱」を置くことで、地元の読書事情を知ることができるのではと思います。今後どう展開するかはその時次第ですが、まずは、一人でコツコツ(本の整理とか)作業している状態から、他人とのやりとりに繋げる状態に持っていければ、展望は一気に開けるのではという気もします。

ネット鎖書店の方も、準備はけっこう進んでいるんで、時間のあるうちに、同時進行でいきます。


いやしかし、「本の本」はいいですね。ちょろっと読んだだけで、本の仕事に対するモチベーションがぐっと上がります。丁寧にちびちび読み進めようと思います。