human in book bouquet

読書を通じて「身体へ向かう思考」を展開していきます。

過活動、資格取得、冬支度

近況です。

 × × ×

体調を崩しました。
風邪でしょうか。

原因ははっきりしていて、無理がたたりました。
講習が終わってからボルダリングに行く時間が早くなり、
それでいて終わる時間が講習中と変わらない。
という日々をやはり週3で続けていて、
今週はその合間に大沢温泉へ行ったり、
(日帰り一日で4つの湯に計6回入りました。卓球もした)
第二回図書館巡りをしたり、
(宮城の一関図書館と川崎図書館を見に行きました。運転は自分)
いつもは7時間壁登った次の日は家でへばり続けているのにそんなことして、
調子を崩して当然ですね。

一昨日、昨日と一歩も家を出ず、寝るか一人用ソファで読書をして、
今日も同じ感じでしかし食糧備蓄が尽きたのと図書返却日なので外出はして、
外では終始ふらふらしてましたが帰ってからご飯を作る元気もあり、
今も若干身体が熱いものの治る過程にはあるようで、
明日はジムへ復帰できそうな気がします。

半日睡眠生活というのもなかなかいいですね。
(病気以前に、講習が終わってからこんなかんじです)
身体がのびのびしているようです。
今日借りて夕食時に読み始めた『春宵十話』(岡潔)にありましたが、
副交感神経の調子が良いと大胆な発想ができるそうです。
この調子でムージルの『特性のない男』を読み続けると何が起こるでしょうか。

ナカタさん(@『海辺のカフカ』)が自分みたいだと思って、
またウルリヒ(『特性のない男』の主人公)も自分みたいだと思って、
でもナカタさんとウルリヒにどういう共通点があるのかといえば、
そこがおもしろいところなんですね(?)。

 × × ×

大学から通知が届きました。
単位取得通知と、修了証明書。

ぱっと見で何が言いたいのかわかりませんでしたが、
取得できた単位を数えると受けた講義の分は全て取れているようです。
とりあえずこれで司書資格保有者になれたのだと思います。

そして求人ですが、
岩手県内で探せばちょくちょくあるものの、
高卒以上可のバイト的なものが多く(別にそれでもいいんですが)、
今の家からの通勤を考えるとだいたいが遠い。

まあ、ハローワークの求人情報は刻々と更新されるようなので、
週一くらいで確認しながら家から通える仕事を探します。

 × × ×

ふらふらしてはいましたが、
スーパーへ行ったついでにホームセンタにも寄りました。
冬の準備をせねばなりません。
暖房器具と、雪かき用具。

灯油は、ホームセンタの前に販売所があります。
講座の誰かと話しましたが、天板に常駐させたやかんから、
「しゅんしゅん」と湯気が出ている、そんな石油ストーブがいい。
いつでもお湯が飲めるし、加湿にもなるし、
なにより「あったかい感じ」があるのがいい(と想像します)。
そして「しゅんしゅん」という音は、静けさに溶け込む音でもある。

石油ストーブとその上のやかんという状景が静けさを、
いや静謐といっていい神秘的な雰囲気をつくるイメージは、
群青学舎』(入江亜紀)の2巻にある「時鐘」からのものです。

 主人公の寮生の女の子が、夜に老人を訪ねて用務員室に入った時、
 微動だにせず座る老人のそばで、やかんが「しゅんしゅん」と音を立てている。
 外に降りしきる雪とともに、やかんの湯気が「動」を吸収し尽くしたその部屋で、
 少女は老人が既に死んでいるのを知っても、顔色一つ変えない。

 (彼女が肩に手をかけると彼は床に崩れ落ちる)
 そしてスコップを持ち出して、彼を校庭のそばの林にある穴に埋めに行く。
 彼女は、彼がこの数日のあいだ掘っていたその穴の意味に気付いたのだ。

この短編はなぜか年に一度は思い出すようです(今日を含めれば3度目)。
あるいはこの短編が僕を花巻に導いたと言っても、大袈裟ではないかもしれません。
前にマーク・ストランドの詩と併せて書いたもののリンクを張っておきます。
cheechoff.hatenadiary.jp

石油ストーブはホームセンタにいろいろ種類はありましたが、
行きつけのリサイクルショップも見てから買おうと思います。

雪かきの方は、ヤンマーかどこかの電動の大掛かりなものだけあって、
それ以外に「雪かき用」と名のつくものはありませんでした。
(園芸コーナーにそれっぽいけれどたぶんふつうのスコップはあった)
そり、と呼ぶのではないと思いますが巨大なちりとりのようなものを
想像していたんですが、ああいうのは他にどこにあるんでしょうか?
これもリサイクルショップかな。

新花巻の実家から講座に通っていた年上の女性に、
「雪かきがしたくて岩手に来た」と行ったら(あながち嘘ではない)、
普段の会話では控えめで奥ゆかしい人なのに、
「そんな甘いもんじゃないですよ(ふっ)」と
吐き捨てるように返されたりしましたが、
別に何か夢を見ているわけではなく(しかしそれはどんな夢だろう?)、
価値判断以前に身体で経験できればという思いがまずはあります。

ここまで説明して、
「ん、君はナチュラリストなのかい?」
ナチュラルに(つまり何の皮肉もなく)返してきた、
今は富山に帰ったらしい僕より一回り以上年上の中南米気質の女性もいましたが、
元編集者の彼女は昨今村上春樹ノーベル文学賞を逃したことを嘆いていました。
「受賞にかこつけてバカ騒ぎしたかったのに」という理由で。

そんな彼女には「騒ぎたきゃ残念会すりゃいいですよ」と言っておきました。
内田樹氏の言葉を借りて、
村上春樹にまつわるあらゆる文脈(もちろん諸々の著作含む)から
 愉悦と快楽を引き出せるのがハルキストたるゆえんです」
とも。

なにはともあれ、
冬を無事に過ごせればそれで満足かもしれません。
と思えるくらい、数日前はほんとうに寒かった。
秋はどこへ行ったんだろう、
「ごめんなさい、今年はウチが忙しくてそっちに行けそうにないんです」
そうか、季節は巡るくらいだから遠征というか遠出しているのはわかるが、
では秋の実家はいったいどこにあるのだろう、という(?)。


ああ、はやく元気にのぼりたいなあ。