human in book bouquet

読書を通じて「身体へ向かう思考」を展開していきます。

<AR-F01> 個人主義の萌芽

 
 仕事を依頼する人と仕事を受ける人とが、
 互いに向き合う場合だけでなく、
 両者が同じある方角を見据える場合にも、
 その仕事が成立する場合がある。
 

「そうですね、確かに、僕は僕の顧客のために、建てうる中でももっとも快適でもっとも論理的でもっとも美しい家を建てることを熱望しなければならないと言えるでしょう。また僕が持つ最高のものを顧客に売ろうとしなければならないし、最高のものを顧客に知ってもらえるよう、顧客に伝えなければならないということも、言えるでしょう。確かにそれは言えます。しかし、僕はそれをする気はありません。なぜならば、僕は誰かに奉仕したり、誰かを助けたりするために建築をするつもりはないからです。顧客を持つために建築をする気もありません。 僕は、建築をするために顧客を持つつもりです
「どうやって、君は顧客に君の考えを強制するつもりかね」
「僕は強制するつもりもなければ、強制されたりもしません。僕を必要とする顧客が僕のところに来るのです」

アイン・ランド Ayn Rand『水源 The Fountainhead』(藤森かよこ訳) p.21

主人公ハワード・ロークと、スタントン工科大学・学部長との会話より。

 × × ×

先日読了した『水源』をオフィスに置いていて、
鎖書店のラインナップに追加する算段は整っているのですが、
読中にぺたぺた貼った付箋が自己主張をしているので、
とにかく付箋箇所をすべて読み返すことにしました。

そのとき思いつくことがあれば何か書きます。
抜粋部の場面解説は最低限以下しかしません。
読めばわかることは、読めばわかるからです。
あしからず。