human in book bouquet

読書を通じて「身体へ向かう思考」を展開していきます。

15日目(後半):風にあおられ海で歯みがき 2017.3.15

前半はこちら。
cheechoff.hatenadiary.jp

 × × ×

(3)風・・・今日は一日中風が強く、ほとんど向かい風。ゲタ修理中もひっきりなしに吹いてるし、橋では飛ばされそうになるし[室戸]岬[の周辺]では前に進めないくらいでさすがに疲れた。

風は歩き遍路の大敵です。
頭にかぶる菅笠がもろに風を受けてしまうので、あまりに強い時は外してリュックに取り付けるのですが、かぶっていると心が落ち着くので少々の風は我慢したりします。
「橋で飛ばされそうに」という記述にはっきりとした記憶はありませんが、それは数多く起こった同様の出来事のどれがこれに当たるかが判然としない、という意味です。

(4)今日の行程・・・↑とはいえこの天候で鼻緒切れで16:30に宿に着けたのはなかなかのペースでは。6時スタートでコンビニ前で朝食とったあと慌ただしかったが[ママ]、行程を終えてみればなんとかなったといえる。
(5)堤防の上に座って歯みがき・・・これはこれで気持ちいいね。「海の家」での生活をちょっと体感できた気分。

海を目前にしながら歯みがきをした光景は覚えています。

いつもは宿での朝食の後、出発前に宿で歯を磨くのですが、この日は朝がコンビニだったので(なんでだろう?出発が早すぎたからかな)、歯を磨くタイミングを失していたのでした。
たぶんコンビニのトイレとか公衆トイレとかを期待して歩いていたのだと思いますが、行先にT字路があって、直進行き止まりのその向こうに海が開けているのを見た時に「ここで歯みがきしたら気持ちよさそうだ」と思いついた。

胸の高さほどの堤防壁の下でゲタを脱いで堤防に登って胡座をかき、飲料用のペットボトル水をちびちび使って、波の音を聞きながらゆったりと歯を磨く。
堤防壁は車道の側道である歩道(つまりふつうの歩道)に平行にあって、つまり車道も歩道も日常の地元のリズムを刻んで車通り・人通りがあるわけですが、歩き遍路はもちろんそのリズムとは異なる時間感覚でいながら、生活風景に自然と溶け込む。
白衣と菅笠の力でもあり、もちろんそれら遍路装束に力を与えている四国の遍路文化の妙ですね。

(6)行者の人・・・堤防歩道で長々と喋る。半分以上意味不明だったが、毎日歩くのはいいことだそうだ。「若いうちからが大事だよ」。そうですか。霊能力の話、水子供養の話など。
所感:風があって散々な日だったが無事で何より。ヒザは左が傷んでいるが(27)の下りも自然道でおりられたのでこの分ならなんとかなると思われる。平地続きの間はいたわって回復したいところ。******[滲んで判読不能]

「行者の人」は遍路ではなく地元の人で、30分とかそれくらい立ち話をしていたと思います。
頭は坊主で作務衣を着て、懐手に目はギラギラしている。
話の内容は全く覚えていません。
日記の記述からすると、その人の(つまり霊能関係の)仕事上の出来事を話してくれたのでしょうか。
まあ土地柄からいってありふれた(というか「土地柄だしみんな聞いても驚かない」というだけで実際ありふれてないかもしれませんが)話題ではあります。