human in book bouquet

読書を通じて「身体へ向かう思考」を展開していきます。

2014-07-01から1ヶ月間の記事一覧

「女性的」な魅力について

女がどうして、自分とは異質な同性の存在を認めながらも、その内面に深く立ち入ってものを考えたりしないのかということの根本は、これだと思う。「考えたってしょうがない」と。 なぜ「考えたってしょうがない」のかというと、まともな女が、”安定した自分”…

形式について(1)

あるテクストの意味は、その文面にのみ存在するのではないのである。「形式は意味である」(…)のならば、素材も無関係ではない。活字、判型、ページ構成、語の間隔、使用されている紙の質なども、視覚的、触覚的に意味の効果をもたらし、そうした製本形態に…

回転木兎について

変な比喩かもしれませんが、世の中には、人に見られていなければ100mをもっと速く走る人間がいるかもしれないわけで、「日本一」とか「世界一」というのは、「人に見てもらいたい人間の中では日本一、あるいは世界一」という意味ですよね。(…)柔道などの格…

妄想について

ある小説を読み終えて、とても悪い後味をひきずっている。 それは多分その小説に入り込めたからで、主人公に感情移入できたからで、 けどだからこそこの余韻が残ったまま生活に戻れない気がしている。 小説を一日で読んだのは久しぶりだけど、その選択で良か…

常識について

常識があまり好きではない。 と思っていましたが、常識そのものはないと困る。 好きでないと言いながら自分も一応わきまえてはいる。 きっと、好きな常識と苦手な常識があるはずだ。常識を分類しようとして、けれどそれは難しいと知る。 常識は常識として機…

オチのない思考について

今日Veloceでふと思った話 「人は見た目」という発想が、ぽうと、浮かび上がってきました。コミュニケーションはすれ違いが基本だと思っています。 いちおう伝えたい思いはあって、しかしまあ伝わらないと思う。 もし思い通りに伝われば、僥倖。 ただその態…

マイナについて

たぶん、アンチ巨人、というか、主流派が嫌いなのですね。メジャよりマイナを支持したくなるのが基本姿勢かなって思います。 たとえどんな正義であっても、人々が一致団結するのって、とても恐いし、戦争の前兆というか、臭いがそんなところにあると思うので…

健康的な体調不良について

女が社会に進出するようになって以来、あきらかに、「病気ではないが体調が悪い」状態に対処する「東洋」(の医学)が市民権を獲得した。つまり、男の社会の中で、女はあきらかに「体調を崩す」のである。 男は、「健康」という精神論だけで生きている。ここ…

変化のこと(2)-意図と習慣の「啐啄の機」-

昨日、変わったことを考えて、今日そういえばもう一つありました。 雨があまり嫌いではなくなっている。 僕は歩くのが好きですが、それは手ぶらで全身を使って歩く時。 片手に傘を持つなんて、ましてやそれを差して歩くなど言語道断。だから、毎週歩きに出る…

変化のこと(1)-フラクタル・マトリョシカ-

気がつけば変わっていたこと。指の荒れが治りかけています。 右手の親指と中指と薬指の先が、ひび割れていた。 薬品荒れと思い、ある期間軟膏を塗ったが治らなかったので放置していた。 発症した理由も定かでなくなり、回復した理由も分からない。イヤホンの…

ポモの魅惑と陥穽について

「メタ」レベルとは、他のあらゆるレベルを対象に変え、したがって下位のものに変容させるレベルである。メタレベルに接近する者は、みずからも文化の「大きな主体」に変容する。(…)人間の才能の表出を全方位的にコード化することによって、コード化が許容…

境界について

たとえば、街角で笛を吹いていて、通行人の興味をひく人がいたとしよう。(…)多くの通行人は、数秒間だけ笛吹きが奏でるメロディを認識するに過ぎない。多少歩を緩めるくらいだろう。だが、ある人は、たまたまその笛の音に感動して、彼に歩み寄って話しかけ…

無垢について(2)

無垢という言葉から、いつも連想する人がいます。 『いつかソウル・トレインに乗る日まで』(高橋源一郎)の登場人物です。 自分の記憶に残るまま、書いてみます。 読んだのは、記録によると4年前のことです。+*+*+*ある場面で、主人公は隣に寝ている…