human in book bouquet

読書を通じて「身体へ向かう思考」を展開していきます。

googleはググれない

 
エントロピーの最果ては、ただ一つ。
思考とは、その過程のシントロピー。

 エコロジーの問題は、現代文明の自動破壊的傾向と道徳の欠如がことのほかはっきり現れる領域の一つである。それは、言語統制とか抑圧、なだめすかし、居直り、テクノクラシー的対処療法、あるいは利己的日和見主義の応用などでは解決できない問題だ。そのような視角から見ると、おそらく楽観主義者よりも悲観主義者のほうに、進歩に払うコストに対する敏感さも、また建設的オルターナティヴに対する現実感覚も、期待できるかもしれない。
(…)
すべてのことがよくなってほしいと思うならば、多くのことを変えねばならないだろうが、変えることは不可能である。というのも、多くの領域で、個人的知性より優れている集団的知性が、よりによって人類がどうやって生きのびられるのかという問いには役立たないからだ。

マンフレート・ヴェールケ『未来を失った社会──文明と人間のたどる道』岡部仁訳、青土社、1998

 
集団的知性にできること。

 あらゆる問題に対して最適解を導き出すこと。
 誰もが納得する希望を語ること。

集団的知性ができないこと。

 最適解を実行すること、その意志をもつこと。
 希望が日和見でなく行動を起こすものとなるための、絶望を語ること。
 

世界は変わる、必然を擬して。
世界は語る、他人事のように。

世界を変える、偶然を排して。
世界を語る、我が事のように。