human in book bouquet

読書を通じて「身体へ向かう思考」を展開していきます。

白タンポポ

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おとといと昨日同じ宿だったおじいさんが珍しいと言っていました。探しても全然見つからなかったんですが車道そばの縁石に座り込んで休憩していたらすぐそばに咲いていました。

現在は56号をひたすら西へ、高知県黒潮町です。足摺岬には3日後に到着予定、3月中に愛媛に入れるかどうか。

二足目の減りが早いです

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現在高知県須崎市土佐久礼の手前あたりにいます(明日37番岩本寺を打ちます)。今日は13キロの行程なので余裕あり。

修行の道場高知にていろいろと試練を与えられています。二足目になって鼻緒がこすれてできたマメもそうですが、歯の減りが尋常でないです。4、5日前にかえたばかりなのに1/3以上減っていて、しかも両足とも左側が削れて左右を入れ換えて履いても修正がききません。一足目は逆の傾向だったんですが…いちおうこの謎はとけていて、昨日からコーナンで買ったヤスリで力ずくで修正しています。歯が朴の木らしくかなり硬いので(と昨日会った彫り士のへんろさんに教えてもらいました)、力仕事です。歩いてるだけより腹が減ります。

新しい一本歯が届きました

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今日は高知県香南市にいます。

宿に届いた荷物の梱包を解いて感動しました。一本歯の歯はこんなに長かったんですね。自立する姿も久しぶりに見ました。歯の裏がつるつるしていて歩くのがもったいないくらいです。

今日が履き納めだった古い方と比較してみました。
横からの写真でちびた一本歯がどれだけ歩きにくいかがわかるかと思います。台が傾かないと足が前に出ないし、指や足首に余計な負担がかかるのです。重心が低くなって歩行が安定するのが唯一のメリットでしょうか。

とれた宿の位置の都合で明日は早速通常なみの距離を歩きます(28番大日寺を打ちます)。さて、最初から本調子で歩けるかどうか。

今は高知です

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本日14日目、室戸岬をまわって奈半利まで来ました。

下駄の歯の消耗が激しいので新品を調達すべく鉄道で高知市へ向かいましたが、高知県にはないようでした。ネカフェで検索したついでにブログのメール投稿アドレスを調べました。本記事はガラケーからメールを送っています。

下駄は結局今履いているのを買った東京の履物店に宿まで送ってもらうことにしました(クジリを持っているので自分で鼻緒の微調整可能です)。というわけでこの写真の下駄であと二日歩きます(標高430メートルの27番神峯寺にアタックしつつ22キロ歩く明日が文字通り山場です)。平地で時速3キロ出ませんが…これも修行です。

時間と体力に空きがあればときどき投稿します。

旅はあせらず、ご縁1㌕

出発はあさっての2/28(火)としました。

前日入りしてその翌日から霊山寺スタートとなるのですが、予報が変わって歩き始めの水曜も雨になっています。
初日くらいはとも思いますが、2ヶ月も歩くのだから晴れも雨もあるだろうとも思う。
土砂降りやザーザーでなく、サーサーくらいの雨なら歩ける用意はしてあります(レインウェア上下の下がハーフなので膝下が濡れるくらいだときつい)。

 × × ×

一泊目の宿はもう予約していて、夕方までに着けばいいんですが京都から2時間少しで徳島に行けるようで時間にかなり余裕があるので(バスは京都駅10時発)、鳴門公園に寄ることにしました。
高速バスは鳴門口で下りればバス一本か鉄道で霊山寺に行けるんですが、鳴門口の一つ手前の駅が鳴門公園で、調べると「渦の道」というところがあって記憶に引っかかり、そういえば前に読んだマンガ『桃栗三年』(亀井薄雪)の舞台が徳島で、海の大渦の上のガラスにぴょんと飛び乗る場面がありました。

旅はゆっくりあせらずをモットーに、面白そうなところはどんどん寄って行こうと思います。
(たとえば八十八には含まれない「別格」と呼ばれる寺もいくつか行くかもしれません。険しい道は大変ですが基本的にアスファルトより自然道の方が一本歯歩きはとても楽しいのでよい気分転換になるはずです。あとは道中にある温泉にも惹かれます)

そういえば何年も前からちびちび読んでいた『蟲師』(漆原友紀)は今月はじめくらいにようやく10巻を読み終え、雰囲気がなんとなく遍路と通い合うので再度1巻から読み始めて昨日は2巻の「あめがふる にじがたつ」を読んだんですが(作者もあとがきで2巻のお気に入りと書いていますが、僕もこの話が大好きです)、蟲を寄せ付ける体質のギンコはひとところに留まれず根無し草の放浪生活を余儀なくされているわけですが、この話の中で出てくる「目的のない放浪は時につらい だから時々は目的をつくる そうすると余暇が生まれる」というセリフが今回読んでとても身に染み(る予感がし)ました。
目的をしっかり持っておけば充実した旅にできるはず、と思うのは、自分が学生の頃に大阪から北海道まで自転車旅行をしたことがあったんですが、夏休みに行ったので日にちに限りがあるために「宗谷岬に到達する」という目的の裏には「なるべく早く」という制限が隠れていたんですが、今回は期限もなにもなく、どれだけかかっても構わないのです(あまり長くなると気温が上がってきますが、実は今まで着たこともないような超薄着*1の準備もしているので何の問題もありません。と言い切っておこう)。

旅の目的は「八十八ヶ所を回ること」ただこれだけ。
だから、足に無理のないペースで進み、休憩や足休めの日も適宜とり、そうして生じた余暇はその場所を十分に味わいたいと思います

桃栗三年 (RYU COMICS)

桃栗三年 (RYU COMICS)

 × × ×

この話↓が最終的にどうなったか。

cheechoff.hatenadiary.jp

こうなりました。

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数えると295枚でした。
こわごわ測ると約1kgでした。

荷物はもう揃っていて、リュックに詰めては出して量減らして、てなことをやって今のところ総量6kgに落ち着いて(?)いるんですが、これは履物(サンダルor下駄)未積載状態でさらに道中では水や食糧も積むのであり、そして荷造り中はこの話↑を忘れていたことが意味するのは295枚も6kgに含まれていないという事実。

ちょっと勘弁してほしい…と言いたいところですが、こんなに五円玉を退蔵していてもしょうがないし、五円はご縁だと散々力説した以上何やら恐ろしいことでもあるし、とにかくこの¥1,475もかついで持って行きます。

とりあえず麻紐に通してみました。
昔は和同開珎やらをこうやって持ち運んでいたのでしょう。
忍玉乱太郎』(尼子騒兵衛)を思い出します。

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上にリンクした前の記事では「寺を巡るごとに少しずつ『ご縁』を解放していく」みたいなことを書いたはずですが、リュック積載量がシビアなのでたぶん1番の霊山寺でまるっと全部解放することになると思います。
つまりこの五円束↑をそのまま賽銭箱に放り込む、と。

大奮発ですね。

 × × ×

ちなみにタイトルですが、僕がたしか高校生の時に「恋はあせらず」というドラマをやっていました。
貧乏バーテン(織田裕二)が高嶺の花のヒロイン(小雪)にお近づきになるべく奮闘するという筋書き。
バーテンの相棒だか悪友だかで香取慎吾も出ていたような。

主題歌*2が好きだったんですよね。
ん、なんとなく「ショムニ」も同クールだったような記憶が…。

昔はテレビっ子だったなあ。

*1:ハーフよりさらに短い「短パン」というやつです。たぶん小学生以来ですね…村上春樹のエッセイをずっと読んでるとこの辺の感覚もおかしくなってきます。この短パンは白で、これに合わせて白の脚絆も購入してあるので、上着の白衣と白鼻緒の一本歯を合わせれば「超正統遍路スタイル」となります。勝手に言ってるだけです。

*2:「どぅーわどぅどぅーわどぅーにどぅあいにーどぅ」というサビ。なんのこっちゃ。

「いろいろな筋肉」を動員して泳ぐ

プールは毎日行っています。

一本歯歩行のために足を鍛えるのがメインですなわち水中ウォーキングを主体としてやっているんですが、25mプールを続けて何往復もできない(足指でタイルを掴むように歩くんですが足首かその側のふくらはぎにかなり負担がかかります)のでクロールor平泳ぎとウォーキングを交互にやっています。

で、歩き主体なので泳ぐ方は足首以外の身体をまんべんなく疲労させるためで(でも大詰めの最近はふくらはぎへの負荷を維持するために平泳ぎで数百m泳いだりしていますが)、フォームにあまりこだわらないためにスポーツクラブで泳ぎ始めて試行錯誤していた頃と比べてあまり上達していません。

クロールのストローク数でみればむしろ下手になっている気もしないでもないですが、これはプールの流れ方向によってけっこう変わるのでまあ気にしないでおきます。

フォームは気にしないというか、正確には別に上達しなくてもいいやと思いながらその場では工夫を考えながら泳ぐという感じで、時々「なにかつかんだかも」という感触があったりします。

今日もその感触があって、速く泳げるというより安定して泳げる方向性が見えたようなのでメモしておこうと思います。


ハルキ氏のランニングエッセイ(『走りながら考える時に僕の考えること』やったかな? 違う気がします)を読んでいて、トライアスロンの話の中に水泳フォーム改善の話があって、もともと自己流で出来上がったフォームを無理のない別のフォームへ改良するのに、それだけでは目的のわからない身体部分ごとのトレーニングをコツコツやっていって、それが積み上がって形になるまで1年半かかったということが書いてありました。

へーそりゃ大変だと思って、読んだ時はそれだけだったんですが、今日泳いでいて「水の余計な抵抗を受けないように泳ぐ」ことの一つの実践として「身体をブレさせないで泳ぐ」があるのではと、ふとそういう風に泳いでみて手応えを感じてから考えました。

たとえばクロールで腕で水を掻く時に、大きく強く掻けば速く進めるような気もしますが、そうしようとして胴体が曲がったりすると水の抵抗をより大きく受けることになってしまう、水の抵抗という点では進行方向において身体にぶつかる水を少なくするためには身体はまっすぐがよい(はず)。

また、スポーツクラブの更衣室で「速く泳げる人はみんな背筋がスゴいんだよね」という話を小耳に挟んだこともあって、これとハルキ氏の上記の話を合わせて「身体をブレさせないで泳ぐために使う筋肉は(日常で使う部分でないためか)それ用に鍛えないといけないのだろうな」と思ったのは、このコツのようなものを意識して何度か泳ごうとしてすぐに、どこかの筋肉が耐えられなくなったか変に力が入って妙なフォームになったからでした。


というわけで、「コツをつかめば一朝一夕でできるものではない」という認識は持ちつつ、「身体をブレさせないで泳ぐには背筋はじめよくわからない色々なところの筋肉を使うのかもしれない」とも思いながら、その「色々なところの筋肉」の少しでも具体的なところを想像して泳いでみようと思います。

この話はクロールの方が深く関係しそうなんですけど、平泳ぎについても同じことがいえると思います。


旅に出ちゃうと長期間泳がなくなるので、忘れた時のためのメモでした。

リュック買いました(一本歯装備可&花粉症対策仕様)

旅に出るまでにやることはちょこちょこあるんですが(散髪とか耳鼻科で花粉症の薬多めにもらうとか)、昨日は旅の重要なお供であるリュックを買ってきました。

後進のためにリュックのことを情報として載せておきます(…まあ将来的に片手で数えられるくらいは出現するはず)。
自分の士気を上げるためでもあります。

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CORDURAというイタリアメーカのEterna VOLUTTA(VOL247)という容量約30Lの中型リュック。
基本的な仕様は割愛します。

自分がリュック選定に際して最初に考慮したのは、
 ・スポーツサンダルと一本歯下駄が(外側に)積めるか
 ・地図が出しやすい所に収納できるか
 ・さんや袋*1が出しやすい所に収納できるか
の3点。

まず履物積載は両方持って行き片方を履く以上必須条件です。
外履きなのでリュックの中に入れたくはないしだいいちかさばるので外側に積みたい。
と思う前の、これはリュックを買う前の話ですが日常で使っている街歩き用リュックが偶然その仕様を満たしていた(ことを思いついた)ので、購入を検討する時はもう具体的な仕様が頭にありました。

その仕様とは、リュック内の収納量に応じて締まりを調節するベルトが底部に回っているもの。
実際の積載写真を見ればすぐ分かります。
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スポーツサンダルも同じ要領でベルトに挟めます。
リュックの下に装備できるので重心が下がります。

なんだか気分になってきたので菅笠も装備してみましょう。
道中では被って歩きますが、少なくとも四国へ上陸するまではこの恰好で背負うことになります。
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まさに修行という雰囲気ですね。


次に地図ですが、ドリンクホルダーが両サイドについているので晴天時は丸めてここに挿せます。
雨天時やあまり頻繁に見ない時は、リュック背面(背中とくっつく側)そばにチャックがあって紙媒体を平たく放り込めるようになっています。
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あと、さんや袋は最初トップカバーの裏に挟み込むことを考えてトップカバーの大きなこのリュックを選んだんですが、よく考えるとそう頻繁に出し入れするものでもないし(一日に3回以上出す日なんてほとんどありません)、リュックの中から取り出すのとそう大して手間も変わらないしで、容量も想定より大きめなので(経験者の話では25Lリュックに丁度入るくらいの荷物量がよいとのこと)、さんや袋はリュックの中に入れることを考えています。

ほなトップカバー別にいらんかったな、ということになるんですが、持って行くもののリストアップをしていくうちに「花粉症対策グッズ・ティッシュ(箱)」が出てきて(シーズン真っ盛りなのでポケットティッシュでは到底足りないでしょう)、「せや、ティッシュ箱をここに挟み込んだらリュック開けんでもティッシュ出せるで!」と閃きました。
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まだ試してないですけど写真のように収納すれば、トップカバーを閉じたままカバーとリュックの隙間からティッシュを取り出せるはず、です。

花粉症の人にとって、シーズン中かみたいのに手持ちのティッシュがない状態は一種の絶望であり、一種の拷問です。

というわけで、万全の花粉対策!

*1:さんや袋とはお寺でお勤めをする際の道具をまとめて収納する袋で、なくてもいいんですがお勤め時に軽装になれるので購入しました。

大文字山〜如意ヶ岳〜浜大津with一本歯、さてと

以下は昨日の話なんですが、昨日はやること終えて帰ってきて夕食を作って食べたら泥のように眠れそうだったので(別の記事に書きますがこれは機だと思ったのです)、出だしの数行だけ書いて寝てしまいました。

 × × ×

今日は前↓に歩いたのと同じコースを歩きました。
その時はまさかこの道を天狗下駄で歩けるとは思いもしなかったことでしょう。
3ヶ月で成長したものです。
如意ヶ嶽薬師坊に弟子入りできるでしょうか。

cheechoff.hatenadiary.jp

前日より起床が遅れたのでスタートも遅れ、大文字山登山口で下駄を履いたのが11時前で、そこから道草を食わずに進んで14時過ぎに小関峠ハイキングコース入口に着き(つまり自然道から車道に出てきた)、浜大津駅には14:45に到着しました*1
前に靴で歩いた時は半日がかりだった記憶があったので意外にあっけないなと感じたんですが、当時の記事を読み返すとよほど道草を食っていたようですね。

峠なのでアップダウンが激しくて、登りは淡々と一歩を重ねるだけなので問題ないんですが、下りが大変でした。
先日の大文字山下りの記事にも書きましたが「詰んでる感」が、具体的にいえばどう足を踏み込んでもこけるかひねるかしか想像できないような凸凹の斜面が、しかも今回の峠越えではどこまでも続きそうに思われる斜面が何ヶ所もあって、(もちろん窮余の策としてスポーツサンダルも持っているんですが)しばし気を鎮めた後に腹を括って下りました。
まあどういう状況でもたいていはなんとかなるもので、何度か斜面に手を付きましたがこけることはありませんでした。

いやあ今日の行程は自然道歩行のたいへんよい訓練になりました。
雨がほとんど間をおかずしとしとと降り続けていたのも行程の難しさをかさ上げしました。
ぬかるみの脅威は今までで一番身にしみたんですが(10cmくらいの歯がすっぽりはまって台の底部まで泥に触れたのは初めてです)、この点において得られた教訓は「ぬかるみがあっても正規の道を堂々と通るべし」です。
つまり正規の山道というのは数知れない登山者が踏み固め続けることで「自然に」形成されるわけですが、そういう道でぬかるんで足跡に泥水が溜まっている箇所があるとついつい避けてその横を通ろうとします。が、「その横」はまさに新雪がごとく人に踏まれたことのない腐葉土で、踏むとぬかるみよりもはるかに沈みます。一方のぬかるみはもともと踏み固められているから、意外に表面のすぐ下はしっかりしているものです。見た目で判断してはいけません。


さて、足の疲労に関しては、まず峠越えの後に市街地を歩いていて右足の土踏まずがピリピリするという事態が生じました。
これは初めてのことで、いったんピリピリし始めるとだんだん強くなっていくようで不安だったんですが、休憩したらなんともなくなったようでした。
山道ではあまり休憩できなかったので(雨だったし、座り込める場所なんてそうそうありません)、ぶっ続けで歩くとそうなるのかもしれません。

あとは、その日は浜大津から三条まで電車で移動したのちBookOffで一時間ほど立ち読みしてから(もちろんスポーツサンダルで)30分ほど鴨川沿いを歩いて帰りました。
靴やサンダルでの歩き方が一本歯に近づいてきたなあと昨日の夕方歩いていて思ったんですが、家までの歩きもその後のプールも足はまあそれなりの疲労だなあという感じでした(でも平泳ぎもクロールでさえもスピードがいつもより出なかったのでよほど全身が疲れてたのでしょう)。
その翌日の今日はふくらはぎが大変な痛みようで一歩歩くごとに痛いんですが、これは動かし始めると引いていく痛みのようで、脚絆も巻けば心配なかろうと思います。
…心配ないと言いつつ今こうやってコタツに座って書いていてふと立ち上がって歩くとほんとうに心配なくらい痛いんですが、この心配は「毎日ひたすら歩く生活サイクル」に入るまで解消されないもので、この点は頭でしっかり認識しておくしかありません

そうだ、右足親指のタコですが、付け焼き刃のテーピング(ピップエレキバンの粘着シート)を昨日つけて行ったんですが大文字山の山頂で既に紙くずのようにくしゃくしゃに丸まっていたのでそこからは何もなしで歩きましたが、途中ヒリヒリを感じることもありながらそれほど大した痛みはなく悪化もしませんでした。
そしてそのタコは左足親指の同じ箇所に発生しました…。
まあ疑問は減ったし順当なところでもあって、というのも履き方や鼻緒の長さが合ってないせいではなくて、指の皮が厚くなるのを待つしかないような気がするのです。
外れないようなテーピングとかもう少し工夫は考えてみますが、そういう覚悟もしておかねばと思っています。

ところで鼻緒といえば「親指と人差し指の間が痛くなる」とか「鼻緒の締め付けで親指(人差し指)の付け根が痛くなる」とかありそうなものですが、下駄が鼻緒タイプのサンダルと違うのは指で踏ん張って履くところにあって、要は下駄を踏み込む時だけ足と下駄が密着する程度に鼻緒の長さを調節すれば「鼻緒が指を締め続ける」ことはないわけです。
僕の場合は一日歩いて人差し指の付け根に鼻緒の跡が赤く残りますが、触れて多少ヒリヒリはすれどもそれほど痛いと感じたことはありません。

 × × ×

一つ前の記事に書いた「旅の前の心配事」のうち下駄に関することは、もう大丈夫だという境地に達しました。
行く前に判断できる種類の心配はすべて解消された、ということです。

あとは旅にいるものを揃えて、出発日を決めるだけですね。
四国はこちらより少し暖かいようですが、気候と相談です。

*1:街中を下駄で歩くのもだんだんと慣れてきました(家から離れるとわりと平気ですね)。商店街の交差点を横切る時におばさん連に「なんだなんだ」という目でじろじろ見られましたが。

市原〜雲ヶ畑〜上賀茂with一本歯、とその考察

一つ前の記事の通りに、一本歯デイウォーク実践編(3日目)を、本日挙行しました。

コースは行きは予定通り、帰りは府道61号と38号の交差点で曲がって市原へ戻らずに直進して上賀茂へ下り、MKボウル上賀茂を終点としました。
距離は予定とほとんど変わらず(0.5kmくらい延びたかな?)、概ね20km。
要所の到着時刻や休憩時間は(レシートの裏に)メモしていて、市原駅のそばを出発したのが9:50、MKボウルへ着いたのが15:40で、つまりは今日の行程(道はぜんぶアスファルトでした)で一本歯でのコミコミ歩行速度は 20km/6h = 3.33...km/h と出ました。
休憩などを抜けば、4キロまでは行かずともまずまずの速さになると思われます。

今日は道中(大岩を過ぎたあたり)で同じく雲ヶ畑に向かって歩く元気なおじいさんと出会い、その場で少し喋ったり雲ヶ畑の村街地(?)でばったり出会って同道したりしました。
彼が夜泣き峠から大岩に出てきた時にちょうど後ろに僕がいて、でも一本歯で遅いから離されるだろうと思っていたら意外にこちらの方が少しだけ速く、見つけてから結構時間がかかってから追い抜かんとした時に話しかけられたのでした。
話の内容はここでは割愛しますが、山登りを結構やる(「今度また剣岳に行く」と言っていました)というその75歳のおじいさんより速く歩けたというのが驚きでした。
もちろん彼が焦らずゆったり歩くタイプの人だったからですが。


そういえば今日はネットで購入した鈴をつけて歩きました。
買ったのは熊よけの鈴ですが熊よけのためではなく、遍路の「同行二人」というやつで、杖が大師(=空海)の御身、杖についた鈴が大師の声ということなんですが、僕は杖を持って行かない*1ので単独で鈴を持って行こうと思って買いました。
amazon商品ページのレビューに音声動画が張ってあって、レビューにある通り「風鈴のような音」ではあって敢えて言えば風鈴よりは厚みのある音(ベルの肉厚がけっこう厚いので重量もそこそこあります)なんですが、ズボンのベルト通しにつけて歩くと(ズボンとベルが接触するので)いい具合に反響が抑制されてそれほどうるさくありませんでした。
街中では消音した方がよいでしょうが(消音はネジをひねるだけで簡単にできます)、自然道や周りに建物の少ない車道(遍路の道中ではけっこうあると思います)では鳴らして歩くと心地良さそうです。
大師の声云々に関しては今は何も言えませんが、端的に「雑念退散」の効果があります

この鈴をチリンチリン鳴らしながら歩いていたせいかと思うんですが、市原近くから歩き始めた時に、すれ違った散歩中のおじいさん二人に拝まれました(鞍馬近いですしね)。

ついでに書いておくと、今日の行程の最後の方は上賀茂の住宅街と加茂川沿いを少し歩いたんですが、下校途中の小学生二人(高学年で、何のためか杖を持っていた)に典型的な形式で見物されました。
僕も昔そういうことをやったというのではなく映画やドラマでありそうだという意味ですが、何の気なしにわーっと走って追い抜いていって少し先で立ち止まってこちらを見るともなくじっとしていて僕が通り過ぎてから背中をじーっと観察する
後ろからその視線をひしひしと感じたかといえばまあもともと僕は勝手に人の視線を感じるタイプなのでなんともいえませんが、この「典型的な見物」で間違いはなかろうと思ったのは背中から「すげえ…」とこの「…」が如実に表れた呆然とした声が聞こえたからです。

 × × ×

さて、今までで最も実行程に近い今日の行程を終えて得るものがあったので整理して書いておきます。

本番を前にしての懸念点は次の4つがあります。

 (1) 一日に必要距離(20km以上)を歩けるか
 (2) 何日も連続でその距離を歩けるか
 (3) 歩く中での足の不調と対策
 (4) 花粉症は大丈夫か

一つ目は最初に書いたとおりオーケー。

二つ目ですが、これは事前に何日か連続で歩ければ理想ですが*2、明けて翌日の疲れ方も有力な判断材料の一つになります。実際は身体を慣らしていくことのウェイトが大きいはずで、その「疲れ方」があまりにもひどくなければまあ大丈夫だろうと。

三つ目は上の二つに大いに関わります。
今日は休憩も含めて約6時間歩きましたが、靴と変わらない部分ではふくらはぎが多少痛む点、一本歯独自の部分では右足の親指のマメ(できかけ)、です。
これは前に歩いた時(実践編の二日目だったかな?たしかずっと自然道を歩いた時)と違う部分にできたマメで、下駄の台と指の接触部分のすぐそばにできたので「こすれのしわよせ」的に発生したと思われます。
しかしなぜ右足だけなのだろう? とさっきじっくり考えていたんですが、鼻緒が緩いと台と指がズレやすくなるとは思っていてしかし鼻緒の(親指と人差し指で挟む部分の)長さを左右で比べると右の方がきつくて、それは僕の身体が左足の方が0.5大きいからそんなもんだろうという見当によって左右でつけた差なんですが、それはほんまかいなとメジャーで左右の足回り(指の付け根から少し離れた、鼻緒が締める足の胴体(?)の部分)を測ると左右でほとんど変わらず、「よくわからんけど右はきつすぎてマメができたのかもしらん」という結論に至ってさっき調整しました。
これでマメができなくなれば無敵ですね。
しかし鼻緒の長さがちょっと違うだけで足指にかかる負担ががらりと変わるのであれば(きっとそうなのでしょう)、道中でこまめに微調整をできるようにせねばなりません。
今日の行程は一日アスファルトで鼻緒が伸びるような事態には至りませんでしたが、自然道を歩けばそういう事態はじゃんじゃんでてきます。
とりあえずクジリと布切れがあれば伸びた鼻緒を短くする側に調整できるので、実践編行程でも持ち歩いています。

で、四つ目の花粉症。
今日はだいたいマスクをつけて歩いていましたが、ランニングと違って歩いていてそれほど身体が火照ることもないのでマスクをつけながらでも十分いける…のはまだそんなに気温が高くない今だから言えるだけかもしれません。
今はマスクありならほとんど鼻水は出ません。あと目はまだ目立った症状がありませんが、風の強い夕方に目が乾燥するはずが何やら潤む徴候があったり熱をもったりしたので、旅にゴーグルは入り用かもしれません。
マスクとゴーグルのどちらかならいいとして、両方つけて歩くのはなるべく避けたいですが、これはなるようにしかなりません。

 × × ×

ついでのついでに。

(…)山田氏は汁物用の器に持参の味噌玉を入れ、それを湯で溶き始めた。
 この味噌玉というのは、彼の家に先祖代々伝わる兵糧食だそうで、削った鰹節を炒って粉末にし、葱と共に味噌に突き込んで球状に丸め、焼いたものである。御維新前の騒ぎのときにはおおいに役だったのだそうだ。

梨木香歩『村田エフェンディ滞土録』

実践編の日は朝から出るので昼食はおにぎりを作って持って行っています。
具になりそうなものはと冷蔵庫を見ると梅干しと味噌があったのでその二種類にしていたんですが、つい最近『家守綺譚』を読み終えて次に読み始めた本にグッドタイミングなことが書いてありました。
冷蔵庫には味噌汁のトッピング用に「粉末にぼしダシ」があり、食品棚には納豆用の「乾燥九条葱」があって、まさにこの抜粋にある「味噌玉」を作る材料が既に手元に揃っていたのでした
今日さっそくこれを作って(僕の場合はおにぎりの具としてですが)持って行き、雲ヶ畑の家々が並ぶ道を歩きながら食べて、とても美味でした。
ただ今抜粋して気付きましたが丸めた味噌玉を最後に焼くのを忘れていたので、次は焼きます(コンロで直火焼かな)。

*1:平地では全く使わないので。ただ下りの山道では重宝するとは靴の時に経験しているので、もし必要になればその場で見繕おうと思っています。

*2:明日も気温が高いので、雨が小降りなら行きたいところです。雨中の進行は実行程で避けられなかろうと思われるので、むしろ歩けるくらいの雨なら歓迎です。