ゆくとしくるとし '20→'21 3 「図書館をつくろう」
正月は毎年テレビばかり見ていて、目が痛いです。
ただ普段全く見ないので発見はいろいろあります。
NHKの「100分de名著」だったか、
萩尾望都の特集を見ました。
『銀の三角』と『11人いる!』は何度も読んでいて、
でも『ポーの一族』はちらりと読んでよくわからないまま放り出していました。
番組を見て、『バルバラ異界』を読んでみたくなりました。
(シュールコメディだという『イグアナの娘』は「イパネマの娘」のシャレですね)
その出演者の対談とインタビューで、著作者の肉声などを初めて知りました。
斎藤環と夢枕獏は顔も初めて見ました。
斎藤氏は中沢新一に似てるな…と「誰に似てるか」という発想しか浮かびませんが。
ヤマザキマリは写真でしか知らなかったんですが、予想外に声がハスキーですね。
× × ×
書き始めたところで「相棒」の再放送が始まりました。
昨日から全部見てるんで、これも見ちゃいます。
15:37
× × ×
「天気の子」見ました。
青春ですね。
去年一年はどうだったか?
それは、しようと思えば一文で表現できます。
ひたすら登り、ひたすら読む。
それだけ。
× × ×
来年の抱負を言う前に、少し言い訳。
今年の暮れに、登っていて強傾斜で背中から落下して首を痛めました。
油断が3つくらい重なった末の事故で、同じ過ちはもう繰り返しません。
一本歯遍路でさんざん身に染みていたことだったんですが、
身体性をフル稼働させるには考え事をしてはいけない。
それだけ。
一週間で治るかと思って医者にもかからなかったんですが、
二週間でなんとなく緩和したと思って登りに行ったら、
それから回復が止まり、なんとなく倦怠感が出るようになりました。
もっと軽い打ち身くらいに思っていたんですが、
頭を打った時の衝撃を正直に思い返すと、むち打ちだったようです。
過去に家族が交通事故で同じ症状によって身体不自由になったので、
そこから目を背けていたんですが、たぶんそれもここまで。
症状と治療法を調べて、
一度整形外科に行って診断してもらいつつ、
効くらしい漢方(桂枝茯苓丸)もあるので試してみます。
治さないと、次が始まらない。
今回の事故で身に染みたんですが、
身体主軸で生活をしていると、
その身体が不調を来すとその生活がガタガタになります。
身体の周波数に思考を同調させていると、
身体の波の乱調によって思考も不安定になる。
だからこれは代償でもある。
細かい事情に振り回されずに充実感が得られる状態があるのだとすれば、
その状態は前提が崩れれば、細かい事情では覆せない常時の低調に陥る。
脳化社会ではリスキーな(リスクヘッジの効かない)姿勢かもしれない。
まずは治す、まずはそこから。
× × ×
上記の通りで、今は登りたいという気が全然起きない。
登らない期間が延びればそれだけ指も身体も弱くなりますが、それは仕方がない。
治ればまた以前のように「登らずにはいられない感覚」が戻ってくるかも分からない。
そんな状態で考えることではないかもしれませんが…
夢があります。
「実現にはほど遠い希望」という意味ではありません。
「やりたいことをやる」というよりは、
「やりたくないことをやらない」を重視し、
また、内容(結果)よりも状態(過程)を重視するという、
自分の生活思想に合致する生計を立てる方法、
その第一候補、という意味です。
◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆
「私設図書館つきのボルダリングジム経営」、
店名は「晴登雨読」、
略称BBC(Bouldering, Book and Coffee)。
以下はそのおおまかな方針。
図書館については、
ジムと共通の会員カード作成料を除けば無料で利用できます。
貸出資料は一人最大3冊、貸出期間は最大4週間で延長なし。
読書相談や選書など、本に関する相談はなんでもOK。
ただし読書感想文の代筆はしません(図書の推薦ならします)。
閲覧エリアは飲食持ち込み可、店内注文はコーヒーのみ。
コーヒーはブラックと週替わりのスパイスフレーバー数種。
(人を雇う余裕と需要如何によってこの点、充実の可能性あり)
ジムエリアについては、
初~中級者向けのレベルを中心とした課題(自分一人でセットするなら)。
「武道的ボルダリング」の実践となるような、全身・体幹系、バランス系を重視。
ラインセットではなく、長物を含めた課題数とバリエーションを優先させたセット。
そしてトレーニングをせずに、普段から登るだけで上のレベルを目指せる課題。
そしてそして、普段登っていれば、普段の生活の身体作法が変わっていく課題。
内装は建屋によりますが、
入り口近くor/and吹き抜けの2階に書架と閲覧&飲食テーブルを置いて、
ジムエリアの壁はスラブ(←必須!)も含めてひとつながりが理想です。
いちばん重要なのは立地で、
もちろん当てはまったくありませんが、
おおざっぱに言うとジムが乱立する都心部以外のどこか。
需要さえあれば、人の少ない地方であるほど個人的にはありがたい。
また読書や本に理解のある自治体だと、地域となにか協力ができるかもしれません。
イチから、たとえば土地の購入から始められるほど資金はないので、
元工場だとか、既存の建物を改装して利用するのが現実的だとは思います。
なんとなく、いやこれは非現実な妄想ですが、
瓦屋根に漆喰、そして線香の香りが漂う寺社ライクな建物が好みだったりします。
書架の本の活用方法次第ですが、寺子屋的な活動ができればやってみたい。
BBCのテーマも大切なことで、
本とクライミングが有機的にリンクすることをちゃんと言葉にしておきたいんですが、
これはまた時を改めることにします。
◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆
じっさいのところ、僕のボルダリングの実力としては、
中級と上級のあいだ(の中級に近い方)くらいで、
大阪のジムのレベルでいえば3級がちょうどよいくらい。
なので、たとえばスラブや垂壁なら1級課題は作れてもそれ以外では無理。
そして指が強くないのでその課題の傾向もずいぶん偏ったものになる。
さらに今回のケガでブランクが延びるとそれだけまた弱くなっていく…
と、言い訳はいくらでもいえるんですが、
まあ大事なのは実力よりも意気込みの方であって、
ジムをいざ作るとなって、
そこに強い人が来るのであればゲストセッターを呼べばいいだけのこと。
実は去年の暮れから「立地探し」をちょくちょく始めてはいて、
(熊野古道の旅もそのきっかけ作りで、そういう目で和歌山の新宮市街を散策しました)
自分でいい街を見つければそこで伝手を探すし、
あるいはどこかから話が舞い込んできたらまずは話を聞くつもりです。
とにかく縁は大事に、
志はしっかり奥に秘めて、
そして焦らずゆっくりと。
× × ×
「僕にできることは、まだあるかい?」
あるさ。
「まだ」なんて言わず、いつだってあるさ。
25:27