human in book bouquet

読書を通じて「身体へ向かう思考」を展開していきます。

走り始めることについて考える時に僕が書くこと

いきなりですが、先週末からミッドナイトランニングを始めました。
いろいろな転機があったのでついでに始めたような案配で、「いろいろ」の経過は以下のようなものです。

・先週半ば:仕事中に唐突かつ緩やかに「鎌倉に行きたい」と思う。
・先週半ば:気温が上がってきて、後ろを括れるほどの髪を切りたいと思う。
・先週木曜:明日は有休だから出掛けようと思い、フィナーレ(?)として髪を後ろで留めて出掛けようと思い、うずうずしていたら走りたくなって夜中に部屋を飛び出す。
・先週金曜:一日中歩く。目覚ましをかけずともいつもの平日の時間に起き、朝早く出たせいで定時前に帰ってくる(仕事みたいだな)。疲労しつつも暑い自分の目の前にコタツ布団とベッドに羽毛布団があり、勢いで季節の模様替えをする(コタツを仕舞ってテーブルと椅子を出す、羽毛布団を仕舞って毛布を出してシーツ類を茶→水色に変える)。ぐったりして走れず。
・先週土曜:いつも通りBookOff日高屋→Veloceの2時間徒歩コース。途中でいきつけの散髪屋(年1回なのでおじさんはきっと覚えてない)に行きバリカンでばっさりカットしてもらう。刈られた髪の塊を見て「まっくろくろすけ」が10匹はつくれそうだと思う。頭は軽いが足は重い。がジャージに着替えると不思議に元気になり、走る。
・先週日曜:いつも通り一日読書。足が重い気がするが一日中動かないと動きたくなるらしく、走る。
・今週月曜(昨日):ランニングやら何やらの疲れは足の張り以外にはなく、仕事もいつも通り。これは毎日走っても大丈夫なのでは、と期待しつつ走る。

金曜を除けば4日は走っていて、距離はまあ大したことないのですが、もともとランニングが大の苦手だった自分がここまでふつうに走れることにびっくりしていて、日頃の訓練(毎週の立ち読みと天狗下駄での家事)の賜物だなあと感慨深い
どう苦手だったかといえば、自分はお腹が弱くて、走り始めるとすぐ腹痛になって、中学や高校での長距離走は「いかに腹痛を起こさないか」を至上命題としていたので、もちろん速いわけもなかったという有様でした。特に中学は(吹奏楽部なのに)腕ばかり鍛えて足はノータッチだったので、足の筋力も足りていなかったかもしれません。
今思えば当時の走り方も悪くて、お腹を上下に揺らさないように足で全部吸収しようとして、すぐ足が筋肉痛になってへろへろになっていた記憶があります。

それで今回のランニングでは色々興味深い点があって、まずもちろん一般的なフォームで走るのですが、このフォームで走ること自体に凄く新鮮さを感じました。
それは(始めてから半年近く経ちますが)いつもは「和歩」で歩いていて、信号がぎりぎりで走る時もなるべく足と同じ側の手を振るように走っている(これ凄く難しくて未だコツが掴めませんが)ので、いざランニングという時に「えーと、左足を出す時は右手を前に振って…」と考えてゆっくり走り始めることになって、ちょっと気を抜くと手の振りがぐちゃぐちゃになったりして、自分の思い付きと試行錯誤でつくった和歩のフォームが身体に定着したのだと実感しました。
その和歩も最近は重心が上下しないような歩き方の模索中とあって、もともと自分がランニングに求めていた動きが今の自分の身体と親和していたらしく、さらにこれは今回気付いたことで「ランニングで手を振るのは身体の中心を揺らさないため」であることを慣れない腕振りの微調整の中で閃き、昔の自分が腹痛を頻繁に起こしていたのはお腹を上下に揺らさないように注意しながら左右には激しく揺れていたからだと思い至りました。
「腕を振れば身体は勝手に前に進む」みたいな教わり方しかしていなかったので、僕は走る時になぜ(そしてどうやって)腕を振るかをまともに知らずに走っていたのでした。
今は腕振りの意味が実感できていて(これも自己流で勘違いかもしれませんが)、ある足の振りに対して、腕と脚を除いた身体全体がなるべく揺れないように腕の振りが決定されて、けれどもちろんそれは双方向的であって、腕の振りが速くなれば(身体が揺れないように)脚もそれに合わせて速く振るという順番もあって、これが「腕を振れば勝手に前に進む」の実体だろうと思うのです。

話が前後していますが、上に書いた転機のほかに、村上春樹の小説やエッセイをこれだけ好きにならなければ、そして首凝りとの付き合いがなければランニングなんて(昔の自分からすれば)酔狂なことを始めたりはしなかったと思います(身体全体のバランスというものがあるので、ランニングをしていくうちに首凝りが治る可能性もあるだろう、とこれは楽観ですが)。
というわけで始めたからにはしばらく続けたいと思います。
始めて4日目の昨日は当初の高揚感が落ち着いたか足の疲労の蓄積かちょっと動きが鈍かったのですが、まずはこれがもう一度上向きになるまでは止めないつもりです。

そしてシャワーを浴びる前に走るのですが、いつもシャワーを浴びたらすぐ寝るので「わりと寝る前に走る」ことになってしまうのですが、意外と寝付きがふつうなのでこの習慣でいけそうな気がします。そしてこうなると走るのが夜中になって、まあ今の季節はとても気持ちがよいです。

そしてそして、何かにつけて脳内BGMが付随するんですが、これもちょっとした因果があってtom_atom氏の「月の歌」になりました。
夜の歌です。
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