手首と指を痛めているが、相変わらず週3で壁を登っている。
その内容が、現状なりに変化している。
左手を突っ張る登り方ができない。
よって、もっぱら引き上げる動作主体になる。
またホールドに飛びつく(ランジ)こともしない。
キャッチ直後に自重が手首にかかって痛むのである。
スラブ、垂直壁のバランス系と、ヒール等足多用の強傾斜が中心となる。
ジムの設定課題は多種多様なので、ムーブ制限から多くは取り組めない。
よって自主課題の作成が多くなる。
これまでその場限りで即席のコースを作ることはあった。
考える時間が増えた最近は、作成コースの完成度にも配慮している。
どういう動きを取り入れるか、特徴的なムーブがあるか。
自分は背が高めなので、ホールドの間隔にも気をつける。
全体的なバランスが取れれば、A4用紙にコース構成ホールドをスケッチする。
各傾斜の壁が背景に描かれた紙が、クリップボードに挟んで置いてあるのだ。
ジム利用者が作り溜めた「課題ファイル」に、自分の作成コースも加える。
他の人がファイルを見て自分が作った課題を登るのを見るのはなかなか楽しい。
自分の想定しなかった登り方を見て勉強にもなる。
こうした過程を経て、コース作成のコツがだんだん分かってくるようである。
昨年暮れだったか、ジムの中央スペースに「ベルト」が設置された。
綱渡り用の平べったいゴムベルトを足場のみの平均台に張ったものだ。
ゴムとはいえ伸びないし強烈に張ってあるが、それでも上下左右に振れる。
ベルトのビヨビヨする撓り方は、ロープとは異なる独特なものである。
設置当初から、腕が疲れた時に休憩がてら渡って遊んでいた。
それが最近は上記理由で、半腰くらいの本腰を入れて取り組んでいる。
数日前にそのベルト渡りの、ちょっとした極意をつかんだ感触があった。
体の振れがほぼ抑えられ、リラックスして渡れるようになった。
このコツを言葉にしてみようと思う。
まず一言でいえば「体の振れを足もとに伝えない」といったところ。
体が左右に振れれば、重心をベルトの真上に戻すべく何がしかの動作をとる。
両手を細々と振る、片足を横に振り上げる、胴体をひねる、等々。
その動作は大仰にせず、体全体のバランスを崩さないのが肝心である。
とはいえ最初の重心の振れが大きいと、それを戻す動作も応じて派手になる。
繊細な動作はバランスを安定させるが、振れた重心を戻す効果も減じるのだ。
このトレードオフを解決するのが「重心周縁部位による重心回復動作」である。
…正確を期して仰々しい表現になったがそれはさておく。
実際的には、上記の手や足を振る動作をベルト支持部に伝えないようにする。
支持部とは、ベルトに立つ足のこと。
両足で立つなら左右の足、片足を振り上げているなら他方の側の足である。
たとえば、胴体と両手を使ってバランスをとりにいくとする。
そのとき、上はどう動いても腰から下はベルトに対し鉛直の角度を崩さない。
全身が一本の棒のようにゆらゆら左右に振れるヤジロベエはこの最悪の例である。
理想は、腰にヒンジが一つ通い、T字の両手と上半身のみが振れるヤジロベエ。
…いや、理想化しすぎてダメかもしれない。部分的な例としておこう。
そうか、この例を敷衍して、上半身の振れが下半身で相殺できればいいのかな。
理論的な表現をしてしまったので、理論的に考えてみる。
「重心周縁部位」を大きく動かして、重心に近い部分はあまり動かさない。
なぜなら、バランス制御における閾値が、前者の方が高いからである。
前者は大きく動かして微調整が効くが、後者は少しの振れが増幅されてしまう。
モーメントの問題かな? と思ったが、これは違う。
近いイメージとしては「地震波の減衰現象」だろうか。
身体末端の動作は、重心に至るまでにその振れが減じて伝わる。
…なんだか無機物で喩えると、どれも今一つという感がある。
とにかく「身体の芯はまっすぐ」と意識して重心回復動作を行えばよい。
ともあれ、綱渡りスキルがここ最近で顕著に向上したのは確か。
つい昨日には初めて、後ろ向きで最後まで渡ることができた。
他の人がやっているのを見ていると、渡る動作はいろいろあるようだ。
両足をベルトに着けたまま、ズルズルと引きずって進む「ナメクジ渡り」。
両足の位置関係を変えずに、両足同時に踏み切って跳び進む「歌舞伎渡り」。
あくまで体幹向上を主旨として、他の動きもやってみようと思う。
× × ×
上の左手首の痛みについて、たぶんTFCC損傷です。
指の痛みは右小指関節で、付け根の痛みと「ばね指」の症状が強い。
どちらもそれなり対策をとり始めました。
効果が見られればまた何か書きましょう。
Keywords : 漢方、マッサージ、栄養療法
4/17追
上記のうち、漢方療法の話。
TFCC損傷に対しては疎経活血湯が効いているもよう。
服用を始めて3日ですが、症状に改善が見られます。
ばね指には効いていないようです。
TFCC損傷は関節異常で、ばね指は腱の異常らしいのでもっともですが。
なので別の漢方薬を探してみました。
ばね指治療の候補としては当帰四逆加呉茱萸生姜湯と温経湯。
参考ページは前者が東海大の漢方教室資料、後者が日東医誌の臨床報告↓↓。
クラシエのラインナップにあるので前者から試してみようと思います。
商品に書いてある効能だけでは漢方薬の見極めがきかないようです。
前者の効能は冷え性等、後者は月経不順等。連想も難しい。
一つの漢方薬の効能が多種多様なのは、人体の不思議なしくみの体現ですね。