大岩〜樋ノ水峠〜貴船山
今日は日中歩いてきました。もちろん靴で。
「京都歩き」は前回の街歩きから2週間ぶりです。
右足裏の魚の目(ができていたところ)はほとんど痛みませんでした。
最後が岩場でちょっと痛んだかもしれませんが、気のせいかもしれません。
「ほぼ完全復帰」ですね。
× × ×
前回に行こうとして気が変わって行かなかった方面へ今日は行きました。
加茂川を河川敷の歩道が終わるまで上ってさらに少し上り、「東海自然歩道」の立て札に従って大岩に向かいました。
雲がステキだったので加茂川東岸から一枚。
雨の次の晴れた日はいい雲が多いですねえ。
前回の最初に書いた立て札をたどって行ったんですが、最初はずっと車道(沿いの歩道)でした。
横に川がある所に出るも、交通量がそこそこあって、しかもトラックとかゴミ収集車ばかりでした。
それもそのはずでしばらく行くとクリーンセンターがあるのでした。
まあ、これはしかたがない。
クリーンセンターへ向かう交差点を過ぎると本日最初の「京都一周トレイル」案内板がありました。
写真前方の見るからに自然道を行くと氷室というところに行くらしい。
大岩方面が車道なだけにそそられますが、またの機会におあずけ。
と言いながらちょっとだけ自然道に入ると、苔がたくさん生してました。
いいなあ*1。
車道へ戻って大岩コースをたどる。
通る車の数が一気に減って(ほとんどクリーンセンター行きだったようです)、空気も少しひんやりしてきました。
この辺から昼食を歩き食べ始める*2。
壁一面に苔びっしり。
貫禄があります。
巻いて巻かれて、巻かれて巻いて。
スーパー苔タイム。
ほんと色んな種類がありますね。
意味が違うのは分かってはいるんですが、山道での目(←道が分からない時に血眼になって目印を探す時)で見ているとくらくらしてきます。
「こっちだよ」
「あら、そっちは違うわ。こっちよこっち、うふふ」
目の前にずらりとドアが並んでいて、一つひとつが色んなところに通じている(あるいは一つ以外は通じていない、ハズレである)、みたいな場面を連想しました。
『金色のガッシュ』(雷句誠)と『鞄図書館』(芳崎せいむ)にそういう場面があったと記憶しています。
あとやったことないけど、「ゆめにっき」というゲームもそんな感じじゃなかったかしら。
立て札が。
柊野(ひらぎの)というところを通り過ぎていたようですね。
ひらぎのーる。
さらに少し進んで、どうやら大岩に着いたようです。
名前からして大きな岩があると信じていたんですが、地名でしたか。ちょっと残念。
車道をそのまま進めば行ける雲ヶ畑というのは林業が盛んな山村のようです。
夜泣峠・二ノ瀬コースは前に正規の道を外れて悲惨なショートカットをしてしまったので、今日はその正規の道を行ってみよう。
いざ夜泣峠へ。
…と思ったんですが、車も通れそうな広々とした砂利道の左側に狭くて峻険な上り坂があり、
「樋ノ水峠」とある。
名前がついてるからちゃんとした道だし、なんか面白そうだし、方向的にどうせ夜泣峠とどこかで合流しそうだし、ということで方針変更、樋ノ水峠へ向かうことに。
ここから車道を離れて自然道(山道)になります。
山道は落ち葉が降り積もっていて、ということは木に葉はほとんど残っておらず、冬なのだと思わせられました(全然寒くないですが)。
落ち葉をもふもふ踏み進んでいると、自分が踏んでいるのが枯れ葉ではなく雪のように思われてくることが何度かありました(僕は歩く間はだいたい決まった脳内BGMを流すのですが、一度そう思ってしまうと、ほとんど意図せずBGMが雪バージョンに切り替わってしまうのです*3。もちろん意識して元に戻すのですが)。
茸に寄生された木。
足場のようにぽこぽこ生えている。
「おっ、キミ、登ってみるかい?」
でん。
密着部が気になる。
はっぱふみふみよんじゅうろく。
玄関に飾りたくなるような奇岩ならぬ奇木。
ひょっこり。
山道に入ってから道を見失うことはなくて、というのもこまめに色テープが枝に巻いたり吊るしてあったからですが、現在地を示す文字情報はここまで全くありませんでした。
文字だと思って撮りましたが、当然ですが何のことやら、です。
多発。
中の襞まで接写。
「あられもない姿」というやつですね。
山道のようすが変わってきました。
木の植わり方に人為を感じる。
辺りが落葉樹から針葉樹主体になりました。
落ち葉はありますが地肌の土がおおかた見えています。
奇木その2。
ひょろすこ。
道表示!
大岩から来たのですが、判官坂とは? 判官びいき?
表示のすぐそばに分岐がありました。
どうやらここが樋ノ水峠らしい。
さっきの判官坂はこの分岐(前、左、右)のどれとも違う道らしく、分岐の三方の行き先を示す情報が「白 右へ」(白石へ?)しかない。
相変わらず情報が少ないが、冷静な判断が要求される(というのも日がけっこう傾いてきているので山道を降りる算段をつけたいのです)。
方角からいって左へ行くとおそらく雲ヶ畑方面、前は不明、右は二ノ瀬・貴船方面。
雲ヶ畑に着くまでは長そうだし、行ってから交通手段が期待できない(鉄道があるか分からないし、車道を歩いている間にバスとはすれ違わなかった)。
二ノ瀬の方も、山道に入る時に分かれた夜泣峠からはずいぶん違う方に進んできたように思えるところから着くまでが長いと予想される。
…という思考をしたはずなんですが、結論が「前へ」。
「不明」というのはポジティブな響きがあるのでしょうか?
と誰かに聞いても仕方のない話ですが…
が、なんと!
「前へ」少し進むと貴船山の三角点に来てしまいました。
自分の予想は外れていますが結果オーライ。
(特に見晴らしがあるでもなく、「ほんのちょっと開けた平地」という感じだったので三角点付近の全景を撮るのを忘れました)
もう先行きのメドは立ったようなものです。
というのも、二ノ瀬〜貴船口を歩いた時の「元々行こうとしていたコース」に合流したらしいからです。
その時に撮った案内板の写真に加筆してみました。
おおざっぱに言って、赤矢印に示した道を歩いてきたと思われます。
で、ここからちょっとだけ気が緩みました。
到達記録がいくつか残されていました。
貴船山は地味ですが人気のようですね。
三角点から少し進むと積み石がありました。
「最高点 716m」かな?(右とは?)
さらにしばらく進むと表示板。
立てたメドは合っていたようです。
(しかしここまで来た道で二ノ瀬駅に通じるような分岐はなかったような…?)
私的素敵山道。
ピーカーピー?
そういえばユリが見られる道だったようですが、そのようなものはありませんでした。
(思い起こせば「湿原地帯」のような地点はありましたが、草だけでした)
やはりシーズンは過ぎたようです。
そうか、だからでしょう、今日は一人も登山者とすれ違いませんでした。
はっぱふみふみ山道も面白いんだけどなあ。
滝谷峠に到着。
薄暗いが先は見えているので楽観。
貴船口へ向かう。
滝谷峠の分岐からは下りだったんですが、鹿ヶ谷と似ているかそれ以上に苔が好みそうな、日当りが悪くしっとりしていて風が通らない道でした。
途中でふと立ち止まると、静かどころか全くの無音で空気が静止しているようで、日が暮れゆく中しばし呆然としていました。
自分の鼓膜が揺れる音なのか、中低音の一定のノイズが引き延ばされて聞こえるだけで本当に無音で、すぐ上のシダの葉がわずかな風に揺られて上下しているのを見て、それを無音の環境で見ているとなんだか映画の中にいるようでした。
(河瀬直美監督の『殯の森』にこんな場面があったかもしれないとその時思いました。あるいは、『もののけ姫』でアシタカが森の奥深くへ行った時も全く無音だったことを思い出しました)
無音の空間で、自分自身も身じろぎせずに音を立てないでいると、寂しいとかそういう感情的なものは全くなくて、なんだか自分もこの空間の一部、森の一部になっているような気がしました。
それはある意味で、満員のスタジアムで聴衆と一体になって自分も熱狂しているような状況と同じかもしれないと思いました。
毎朝読み進めている『禅堂生活』(鈴木大拙)の言葉を借りれば「没我」ということでしょうか。
写真はその身じろぎしないでいた場所で坂の方を向いて撮った一枚と、真上を撮った一枚です。
どんどん日は暮れて行きます。
薄暗い中で足場の悪い(手で持つためのロープが張ってあるような)岩場を下りたりして多少危険を感じましたが、なんとかライトを使うほどとっぷり暮れる前には(という言い方はライトの光量がとても小さいことを鑑みれば言い訳になりませんが)山道を下りることができました。
毎回こんな感じですが、フラッシュを焚いて案内表示を撮りました。
車道に出てから下りていくと、貴船神社の奥宮にたどり着きました。
つい最近一度来ましたが、シーズンオフになると雰囲気が全く違いますね。
最小限のライトアップ(ライトアップというか、単に照明ですね)があり、それを見る人は一人もいない。
僕はこの方が断然好きなので(人混み嫌いですから)、ゆっくり写真を撮りました*5。
奥宮に通じる砂利道。
いいですね。たまりませんね。
本堂…かどこかだったかな。
貴船神社のチラシに使われる場所だと思います。
今日も貴船口駅までは歩いて、駅で電車を待つ人に時間を聞いたら18時前でした。
18:01の電車に乗り、帰ってきたのが18:40で、いつもちょうどプールに行く時間帯。
うーん、結果オーライ。
*1:「こけばむ」を作成してから初日になりますが、苔を大量に撮りました。今後もそうなると思います。
*2:今日はパン3つ(ごぼうチーズパン、シュガーなんたらパン(忘れた)、さつまいもパン)とかき揚げと紅茶花伝。しかしかき揚げはいいですね。野菜が何種か入ってるし油もとれるし、山で歩きながら食べるとまた格別です。
*3:「いつもの」は久石譲の「風のとおり道」。今日流れた雪の曲は、最近いくつかの曲を色んな生活場面で活用されているタクティクスオウガ(SFC)のサントラから「さむいッス」です。
*4:ウソです。すみません。
*5:そういえばつい最近シャッターボタンを押してから離さないでよいことに気づいたので、夜景を撮る時のブレが大幅に減少しました。ほんと、いまさらですけど。