human in book bouquet

司書資格を活かせる仕事を探していきます。

ルドルフ・シュタイナー × コリン・ウィルソン(0)

ながいまえおき(だけ)

「で、シュタイナー学校は?」
人は育てるものじゃない。自ら育つものだ。それにどう手を貸すか、そういうことだろう。私は明日子をあの学校にやって本当によかったと思っているよ」
「だからああいうお嬢さんになったわけですね。でも、シュタイナー学校が何でないかわかったけれど、何であるかはまだわからないですね」と林太郎は言った。
「さっきファクトリーではないと言ったけれど、それは製品の品質管理がないということなんだ。こういう子を作るとは言わない。これとこれができる子を養成するとは言わない。だから成績という物差しにこだわらない」
「もっと具体的に言わないとダメよ」とキョーコさんが言う。

池澤夏樹『光の指で触れよ』

光の指で触れよ (中公文庫)

光の指で触れよ (中公文庫)

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昨日はいつも通りの週課のついでに期日前投票に行きました。
いくつかある会場のうち厚木のシティプラザは知っていた(一時期よく図書館に通っていた)ので、
アミュー厚木に着いて、BookOffで立ち読みをする前に寄ろうかと思い(10時前に着いたのです)、
朝から雨が降っていたので地下道を通ってシティプラザの方へ行きました。

地上の位置的にこの辺かなというところで"図書館"があり、
「あれ、こんな所にも図書館あるんや!」とびっくりしましたが、
これは僕の知ってる図書館とは違うから後で寄ろうと通り過ぎようと思ったら
地下道からその図書館への入口に「シティプラザ」の看板があり、「???……!!」と思いました。

つまり地上の入口から吹抜けの階段を上がって入る2,3階の図書館は馴染みがあったのですが、
地下にもその同じ図書館があることを在住7年目にしてようやく知ったのでした。
しかも地下は自分が好きなジャンル(哲学・思想系)の棚があったので、
荷物になるからたくさん借りないように…と念じながらもついつい書架を徘徊していました。


『分散する理性』(鷲田清一)をはじめ読みたい本をいくつも見つけ、
小説でなければグイグイ線を引かずには読めないのだし…と理由をつけて抑えていたのですが、
ルドルフ・シュタイナー』(C.ウィルソン)という本が目に入り、思わず借りてしまいました。
その時は「こんな組み合わせがあり得るのか!」と感じたのですが、これは勘違いでした。

コリン・ウィルソンは『アウトサイダー』を読んで凄い人だと知っていて、
シュタイナーは僕の記憶によれば「ジェイムズ本」(リンク先の最初の引用の本)に出てきた人で
BookOff onlineで検索してもその人の関連著作がほとんどなかった人だったんですが、
部屋に戻って調べてみるとシュタイナーではなくフェヒナーでした。(ナーしか合ってないナー)

でもシュタイナーという名前も僕の記憶にはちゃんとある位置を占めていて、
印象深い名前だからこそウィルソンとの組み合わせで衝動的に本を手にしたのであって、
はて誰であったかしらと、奥歯に小骨が刺さる思い(何か違う?)がしばらく続いていたのですが、
時間が前後しますが昨日の夕方Veloceでその借りた本を読み始めた時にひょっと解決しました。

 シュタイナーが亡くなってからは、彼の思想は、彼の教育理論を奉ずる学校、彼の農業思想に基づく農場、さらには肉体と精神の関係についての思想に基礎を置く病院や診療所で生き続けていった。が、シュタイナー自身が最も重要だとみなしたであろう仕事──「精神活動の哲学」とでも呼ぶべきもの──は知識階級に浸透することがなかった。

「1 内宇宙への門」p.20 (C.ウィルソン『ルドルフ・シュタイナー その人物とヴィジョン』

下線部に至った瞬間に池澤夏樹氏の小説のタイトルが浮かびました。
帰宅して、読了棚からその小説を取り出すと付箋がいくつも貼ってあり、
その付箋を前からたどって行くうち、本記事冒頭の抜粋部にてシュタイナーの名前を見つけました。
抜粋部のすぐ後では「具体的」な話が続くのですが、長いので割愛しています。


ちなみに『光の指で触れよ』で僕のいちばん印象に残ったのはパーマカルチャーの話で、
前に高村薫氏のインタビュー記事に触れて書いた「農への関心」というのも、
関心対象は産業としての農業ではなくこのPermanent Agriculture(永続農法)のことなのです
小説内では関連づけられてなかったと思いますが、もしかしてシュタイナーの農業思想って…?

少し読み返し、この小説が僕の生活の考え方にとても大きな影響を与えたことを思い出しました。
再読必至ですね。
前作があるらしいので、その本をまた手に入れて、読み終えた後に再読することにします。
この小説は、今文芸誌に連載中の『土の記』(高村薫)とも思想的に繋がっているはずです。

cheechoff.hatenadiary.jp

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で、図書館で借りた本には当然ですが線が引けないのですが、
引けない引けないとうずうずしながら読んでいて無法にも引かれた線を見るにつけ
(さいわい鉛筆だったので)ひとつひとつ消しゴムで消さずにいられないのですが、
それはよくて、線が引けないので投入する付箋の枚数が尋常でなくなっています。

そして本は手元に残らないので気に入った箇所はブログに抜粋しておこう、
と、まだ半分しか読んでない段階で本記事を書き始めたのですが、
抜粋する前から書き過ぎて疲れてしまったので抜粋は次回にします。
まずは2週間以内に読み終えねば…

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7/11
なんて言いながら、本日読了しました。
ふう。

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