human in book bouquet

読書を通じて「身体へ向かう思考」を展開していきます。

「ここに重力があるから」

ライミングシューズの二足目↓を買いました。
スポルティバのフューチュラというシューズ。
一足目↓↓は7ヶ月前に手に入れたスカルパのフォースです。
こちらは司書講習が始まる前にジムに通い始め、三度目で購入したもの。

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cheechoff.hatenadiary.jp

最初からだいたい週3で、講習中は3h/day、その後は平均して6h/dayというあたり。
店で一足目を見せた時に「(消耗が)プロ級ですね」と言われました。
ボルダリングを生活に組み込んでひたすら登っていただけのことはあります。
足重視の登壁スタイルも足裏の摩滅に拍車をかけたようです。

フォースの右足裏↓は指先でシューズ内底の生地が露出してしまいました。
まだまだ使えるはずですが、極小の足用ホールド(?)には乗れなさそうです。
こまめに使い分ければ長持ちするようなので、引き続き使っていきます。
というよりフューチュラはきつくて長時間履けないので、しばらくフォースが主力です。

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フューチュラのソール(靴底)はダウントゥのターンインタイプ。
ダウントゥは鉛直方向の形状表現で、つま先が下がって土踏まずが大きく浮く。
ターンインは水平方向の形状表現で、つま先が内側にカーブしている。
一方のフォースはオーソドックスな、フラットのストレートタイプ。

写真が暗いですが、二足を並べる↓とダウントゥの感じがわかると思います。

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left : SCARPA-Force   right : LA SPORTIVA-Futura

店で試し履きをした時に、フューチュラと同じくスポルティバのソリューションと迷いました。
履いた時のきつさが、後者は足の部位に偏りなくフィット感が良かったのです。
その登りやすさも店主のお墨付きでしたが、ソールやヒールが硬い印象がありました。
逆にフューチュラは全体的にやわらかく、足裏感覚もソリューションより繊細でした。

フューチュラは上級者用だと言われ、でもその理由は足使いの微妙な加減ができる点にある。
クライマーの技術を底上げしてくれる機能でいえば、ソリューションの方が高い。
フューチュラはクライマーが「頼る」というより、足捌きを素直に反映するシューズといえる。
ひとしきり悩んだのち、身体性の賦活という登壁思想に従ってフューチュラにしたわけです。

watabotchさんの分析↓によると、両者ともプロのクライマーにけっこう使われているようです。

hiker-hiker.hatenablog.com

 × × ×

今の生活に若干動きが出そうな予感がありつつも、変わらず登り続けています。
「生活としてのボルダリング」は身体への無理もなく定着したようです。
また、機会があれば登りたい「外岩」にも手を出せるレベルになっている気がします。
今後も住むところにジムか外岩がある限り、登り続けることになるでしょう。

ある登山家は、彼の登る理由を問われて「そこに山があるから」と答えた。
ライミングは抽象すれば、なんでもいいから上方に向かって登ることです。
室内壁、ボルダー(外岩)、崖、あるいは木、城壁、マンションの外壁(おっと)、等々。
手近に足場さえあれば、「重力に抗する営み」をすぐにでも始めることができます。

宇宙空間でのボルダリングはきっと楽しくないことを思えば、登る理由は「これ」でしょう。