ほんの昔話
今週のお題「人生に影響を与えた1冊」
→『「おじさん」的思考』(内田樹)です。
- 作者: 内田樹
- 出版社/メーカー: 晶文社
- 発売日: 2002/04/06
- メディア: 単行本
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学生時代に、実家(二階の部屋が沈むくらい本で溢れている)の本棚でふと目に留めて「面白いタイトルだな」と思い、手に取りました。
ウチダ氏の著書として初めて読んだ本ですが、これで氏にハマりました。
エッセイ集のようでたしか「ブログコンピ本」(氏は昔から本に載せても遜色のない濃い内容のブログをせっせと書いておられました)だった気がしますが、政治、教育、フェミニズム、映画などなどテーマはばらばらでしたが論理の核というか氏の思想は内容全体に通底していて、それはメタ思考(構造主義的思考)だと思いました。
例えば特定のテーマを考えるとして、ある主張・意見の出所(なぜ世間は、あるいは自分はその主張を良しとするのか)に思考が及び、その思考のさらに土台(つまり、テーマによらず、世間や自分はものを考える時にどのような手順を踏むのか)を考察し、さらに…とまるで玉葱の皮むきかマトリョーシカの解体作業のような論理展開がなされ(「入れ子構造」は氏のたいていの著書のキーワードです)、解体している対象が自分自身(もちろん氏自身だけでなく読者も含まれます)にも関わらず本書を面白く読めることにとても驚いた記憶があります(だって、自分自身がどんどんあやふやになっていく過程ってふつうは不安になるものでしょう?)。
今数えたらこれまで読んできた「ウチダ本」はちょうど40冊になりますが(読書記録には「ソーシャルライブラリー」を使っています。こういう時便利ですね)、全てはここから始まったのでした。
つまりこの本のおかげで読書に目覚めた…のだったかな?
以上、ほん(本)の昔話でした。