human in book bouquet

読書を通じて「身体へ向かう思考」を展開していきます。

十年ぶりのプール / 一に足腰

神奈川にいる間にすること、その1。
会社に出勤するかわりにプールへ日参する。
村上春樹氏の小説・エッセイを読んで泳ぎたくなり、
泳ぐことが嫌いであるにもかかわらず無謀な計画を立ててみました。


で、退職翌日の昨日に早速、近くの市営プールへ行きました。
(近くといってもバス+歩きで90分近くかかりましたが)
泳いだのは高校以来10年以上ぶりでしたが、
やってみればなんとかなるもので。

平泳ぎだけはある程度まともに泳げると自分では思っていて、
けれど昨日泳いでみるまでは足の動きが全く想像できなかったんですが、
会社の元同期が「自転車と一緒で体が覚えてるんじゃないかな」と言った通り、
泳ぎ始めると足が勝手にそれっぽいカエルキックを実行し、前に進めました。

思えばプールの授業でろくな記憶がないのは心に余裕がなかったからで、
なぜといえば僕のせいで常に後ろがつかえていたからですね。
(泳げる人なら「常に前がつかえて不完全燃焼だった」とでも言うのでしょうが)
誰にもせかされずゆったり泳げたことで、呼吸を整える余裕が生まれました。

というか泳いでいる間の呼吸の仕方なんて誰も教えてくれなかったんじゃないか…
と人のせいにしたくなるほど、これまでがむしゃらに泳いでいたようで、
考えながら、試行錯誤しながら泳ぐ楽しさを今回初めて感じました。
あとは一日(休憩挟んで3時間弱)泳ぐ間に少しずつ水と仲良くなれました。


何より一番の収穫は首の調子が良くなったことです。
普段やってる首の筋トレと違って、上半身全体を使う方がきっとよいのでしょう。
今は腕や膝などの普段は使わない部分の疲労がすさまじいですが、
日常的に泳ぐことで身体全体が「動的な常態」にシフトしていける気がします。

身体と相談しながら、なんとか泳ぐことを習慣化していこうと思います。

 × × ×

また別の記事に書きますが、生活の大きな転換期なので、
ブログタイトル等を一新することを考えています。
サブタイトルはちょっと思いついたので先に変えていますが、
元ネタは「一に足腰、二に文体」(@村上春樹です。

 この標語は氏のエッセイで何度か目にしていて(安西水丸氏のイラストとか)、
 氏の生活と職業に対する姿勢を簡潔に表現するいい言葉だと思っていましたが、
 ちょっと前に会社で三砂ちづる氏のエッセイ(↓)に引用されているのを見て、
 意外なところで繋がるんだなあと驚いたものでした。

 www.mishimaga.com

 まあ考えてみればそんな意外でもなくて、
 僕が三砂氏を初めて知ったのは内田樹氏との共著『身体知』で、
 その内田樹氏はハルキ小説の素晴らしさを語れば右に出る者はおらず、
 元を言えば僕はウチダ氏のブログを読んでハルキ小説にハマったようなものです。

それはさておき、
「健全な魂は健全な肉体に宿る」とのことなので、
この夏は身体性の賦活を最優先して過ごすことにします。
想像の中身も思考の方向性も、身体の状態が大きく関わってきますからね。