human in book bouquet

読書を通じて「身体へ向かう思考」を展開していきます。

 -新原道信

境界の連想、ものさしの忘却

『歴史の体制』(フランソワ・アルトーグ)という本を読み始めました。序章の終盤に「境界」という言葉が出てきて、なにかが繋がりました。 「この繋がり方には覚えがある」と思い、「岬」がタイトルに入った本を連想して、ブログ内で検索すると『境界領域へ…

守り隔てる薄膜について

読中の『野生の哲学』(水沢哲)について何か書きたいと思い、 本の中にマーク(「○」や「!」など)を書き込んだ箇所を読み返していたのですが、 いつもの「部分抜粋&コメント」がしづらいなあと思ったのはこの本に全体の流れがあるからで、 もし書くなら…

システムに回収される関心について

無関心とはただ相手を認知しないということだけではない。相手の体験を恣意的に改竄し自分たちにとってのカタルシスの物語のひとつとして「回収」していくという形の無関心と同時にある。 「一日目 岬から始める」p.67(新原道信『境界領域への旅 岬からの社…

「方法論」について

註(13) <"かまえ(disposizione)"=もののみかた、ふれかた>という意味での理論について、メルッチは「現実を単に当たり前のもの、明白なものとして見てしまわないための、リアルな現実をとらえるためのある種のフィルター、現実がもつ意味について問いを…

「僥倖」の連鎖について

(…)そうしたものに、なぜかこころひかれてくれるひとに出会うという僥倖を少しだけ期待しながら、こころのなかの「のみの市」、「おもちゃ箱」、社会的生を生きる”個々人の内なる社会変動”の「スケッチ」「素描」の地図/「曼荼羅」をつくっていく。 薄汚…

sense of sensorについて

愛の対極にあるのは憎しみではない。無関心である。美の対極にあるのは醜さではない。無関心である。知の対極にあるのは無知ではない。それもまた無関心である。平和の対極にあるのは戦争ではない。無関心である。生の対極にあるのは死ではない。無関心、生…