human in book bouquet

読書を通じて「身体へ向かう思考」を展開していきます。

(SRSその2)境界の盾、浸透の矛

 2 自己言及システムには、その基礎的作動に応じて異なるいくつかの類型がある。それは生命(…)、意識、コミュニケーションでありうる。そのような作動を混ぜ合わせることは不可能である。なぜならば、諸作動は閉じたシステムを仮定しているからである。(…)相異なった諸領域はもちろん、因果的に相互連結を内部接続している。とはいえ、それはたんに諸事実間の関係なのではなくて、つねにシステムとその環境世界との関係として組織されているものである。 (p.95-96)

相互連関として、諸システムは内在的、自然的、ないしは宇宙論的統一を有することはない。相互連関はただエコロジカルな諸関係なのである。エコロジカル・システムといったものは存在しない。(p.99)

ニクラス・ルーマン『自己言及性について』

 
システムとその環境世界。
図と地。
その相互変換性。
主客関係の倒立とその解消。

車窓から見える風景。
近くの電柱に目を留めると、後景のビルが動く。
遠くの山並みを見つめれば、平地の街並みが回転する。
図と地は交代可能であり、しかしイコールではないことを知っている。

自己言及システムは、閉鎖かつ開放されている。
細胞壁は境界を設定しながら物質を浸透させる。
矛盾の確立がシステムの作動と自己指示を担保する。
矛盾の起源は、無矛盾の擬制システムによる諸システムの規定にある。

矛盾は存在ではなく、定義である。