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読書を通じて「身体へ向かう思考」を展開していきます。

岩泉ヨーグルト、季節野菜カレー、筍チャーハン(湯治記2)

温泉に行った前後で体質の変化がいくつかあります。

まずは、食事量が増えたこと。

旅館にいる間は温泉に入りまくっていたし(別途書きますが、1週間の後半では「1回の入浴で大浴場に2時間滞在×4セット=8時間」という、まさに飯・風呂・寝るの三拍子で一日が過ぎました)、空いた時間にあちこち散歩に出てもいたので必然的に食欲が増進していたのですが(あ、あと玉川温泉では「飲泉」もできて、これも消化器系に効くので食欲が改善されます)、神奈川に戻ってからは前と同じ生活をしているのでふつうなら食事量も元に戻るはずです。

が、体重が標準-10kg以下という(たぶん)危険な水準だったのでこれを機に秋田にいた間と同じように食べ続けてやろうと思って、戻ってきた日に食材を大量に買い込んで1週間を過ごしてみたところ、倍増ともいえる量をあまり無理なく食べれている現状があります。

また別の記事に書くと思いますが(他の人にとって大してリマーカブルな話ではないのですが、生活の特に根源的なことに変化があるとなんだか書きたくなってくるのです)、簡単に書くと、まず朝食はグラノーラ+りんご1/3個だったのが「納豆チーズトースト」(トーストは6枚切り)がプラスされました。これまた別のきっかけがあって…思い出した、"グラノーラふりかけ"の存在が意味する所をある日考えた時に「グラノーラは主食ではなくおかずである」という認識にたどりついたので意外とすんなり受け入れられました。納豆トーストは周りの人に薦めるとみんなゲテモノみたいな顔をしますが(言わずもがな、顔がゲテモノではない)、納豆ご飯と思想的にはほぼ軌を一にするものです。あと夕食は肉もの(ハンバーグorウィンナー)と卵1個を足してご飯(玄米)の量を2倍にしました。
帰ってきた時には60kg台に回復していましたが、さて今後も引き続き増えるかどうか。


体質の変化で思いつくもう1つは、髭の伸びが遅くなったことです。
毎朝髭を剃る時に顕著に差があって気付きました。
これの意味は何でしょうね…男性ホルモンが減るなんてことは考えにくいので、やはりエネルギィが別のところに使われているという発想に至ってしまいます。
原因も他の体質変化との関連も分かりませんが、変化は変化として押えておきたいと思います。

さて、長くなりましたが本編へ行きましょうか。

 × × ×

旅館での食事の話です。

朝のバイキングはその名の通り食べたいだけ自由にとることができます。
医食同源」という言葉が玉川温泉のHPには掲げられていますが、その名に恥じぬ、体によい素材と味付けがされた品目が食堂に並んでいました。
言い方を変えれば、あっさりめのものがほとんどでジャンクフード(という言葉は村上春樹の『ダンス・ダンス・ダンス』に頻繁に出てくるので僕も変に馴染んでしまいましたが)を食べ慣れた人には物足りないです。
僕は粗食系男子なのでむしろ願ってもない食事だったのですが、まあ肉・野菜・ご飯の話はおいといて、ここではヨーグルトをとりあげたいと思います。
玉川温泉の売店でも売っている「岩泉ヨーグルト」バイキングにも出てくるんですが、これがとびっきりにおいしかったです。
味も濃厚、粘度も濃厚(スプーンから垂れそうになった分をそのスプーンで巻き取れるくらいです)。
バイキングではトッピングのフルーツが横に並んでいて、これをかけてもおいしいですが、ヨーグルトだけでその味をゆっくり堪能するのも乙です(僕は最終日の朝だけそうしました)。
ただ濃厚なだけに、バイキングで散々食べた後に「デザートは別腹」感でとりかかると痛い目に遭います(遭いました)。
まあ美味しいからいいんですが。

昼食は同じ食堂で一品ものを食券を購入して注文します。
僕はそれほど色々食べたわけではありません。
というか、滞在中は半分以上が「季節野菜のカレー」でした。
通常のカレーに入ってそうな野菜(ジャガイモ、人参など)と豚肉(すごくあっさりしている)に加えておそらくメインの季節野菜(たけのこの日とアスパラの日がありました)が具になっています。
野菜のひとつひとつも美味しかったんですが、僕はルーの味に感動しました。
野菜カレーというとレトルトなどでは「野菜の入ったカレー」という感じなのですが、このカレーは「ルーもしっかり野菜味のカレー」だったのです。
そして味が薄いわけでもないのにあっさりしていて、カレーにしては後味がすっきりしていました。
僕は3日連続でもいけました。
おすすめします。


で、夜は自炊棟の台所で自炊をしました。
朝昼でまともな食事を摂っていたので夜は量だけ確保して適当でいいやと思って、毎晩米1合を鍋で炊いてあとは思い付きでプラスアルファという献立でした。
温泉に来る前の計画段階では売店で食材を買い込んでけっこうまともな食事を作ろうと考えていたのですが、売店にはあまり食材がありませんでした。
長期滞在の方は地元から段ボールで食材を郵送していて(来る前に自分で送ったり、来ている間に家族に送ってもらったり)、部屋が並ぶ廊下には段ボールやらクーラーボックスが並んでいました。
現地調達はあてにならないことは覚えておくとよいかと思います。
僕は日常的にご飯に豆を混ぜて炊いていたので、それ用の豆(黒豆と虎豆)を少し持ってきていました。
というわけで「米1合プラスアルファ」に落ち着いたのでした。

そんな現地調達派に嬉しかったのがタケノコの存在でした。
これも長期滞在の人に教わったのですが、旅館のすぐそばの林(に限りませんが)には笹が生えていて、その根元を探るとタケノコがいると。そして採って皮をむいて焼いて食べれば美味いと。

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採ってきたタケノコです。
普段社食やらスーパーで買って食べるタケノコとは全然違っていて「こんなの食べられるのか?」と思ったんですが、皮をむくときれいな黄緑色をした柔らかい部分が出てきます。
根っこに近い部分は固いので食べずに捨てます(と言われたんですが、若い人ならふつうに食べられそうな気も…)。
タケノコの節がちょうど固い領域と柔らかい領域の境界になっているのが面白いです。
皮をはいでから全体を曲げてやると一目でわかります。

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タケノコ&豆チャーハンです。
なぜ米がこんなに黒いのかというと、黒豆(煮汁はもちろん黒)と虎豆(皮は薄茶色ですが中の豆は紫で、煮汁も紫です)の煮汁を使ってご飯を炊いたからで、加えて古代米(米なのか? 黒ごまではないのか? と思わせる代物。酢を入れると発色が良くなるらしいです)を入れたからです。
タケノコの緑が際立っています。

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別の日の豆チャーハンです。
写真上部のあきたこまち古代米(それぞれ3合)は売店で買いました。
バナナも売っています(これは温泉生活のおやつにちょうどよいのですが、この日は夕食のおかずにしました)。
調味料を持ってきていなかったので売店で買った塩が緑色の袋のものです。
魚は自分では焼きませんでしたが、お裾分けで滞在中に2尾戴きました(名もなき焼き魚と煮魚)。


4、5日以上泊まるという方は、宿泊日より前に食材やら調味料やらを旅館に郵送しておくことをおすすめします。
共用の台所にあるロッカーみたいな冷蔵庫(有料)を借りることもできます。