human in book bouquet

読書を通じて「身体へ向かう思考」を展開していきます。

桜散る サバに口説かれ 初煮付け

じつはまえおき

今日、初めて自分で魚の煮付けをつくって食べました
鯖の切り身です。

一人用フライパンに鯖が2/3くらいつかる量の水を入れ、
沸騰したら鯖(若干凍ってました)を入れてしばらく煮込み、
いつも味噌汁に使う液状カツオだしと卵かけご飯用醤油と、
あと砂糖と塩をてきとうにぱぱっとふり、
煮込み汁がなくなる直前に火を止めて小皿に移す。

うまし。

思いつくままに調理したら難なく美味しくつくれました。
なぜ今までつくらなかったのかと思えるほど簡単でした。


理由は、その発想がなかったから、です。
社会人になるまで魚嫌いと思い込んでいて、
寿司は鰻、穴子のほかは邪道系(卵、シーチキン、コーン等々)しか食べず、
単品で出るような魚は自分から食べようと思ったことがほぼありませんでしたが、
それは魚を食べられるような箸使いをしていなかったからです。
社会人になり、ちょっとしたきっかけ↓で箸使いを(しかし自己流で)修正してからは
抵抗なく魚を食べられるようになり(ということに後から気付き)、
実は自分は魚好きであることにようやく気づいたのでした。
cheechoff.hatenadiary.jp
それから社食では積極的に魚を食べるようになり、
しかし家でつくるという発想はまだなく、
その機会が訪れたのは「グリルパン」なる調理器具に出会った時↓のことでした。
cheechoff.hatenadiary.jp
つまり家での魚の調理がグリルを使うところから始まったため、
「家で魚を煮込む」なんて全く思いもしなかった、というわけです。
社食でさんざん鯖の煮付けやら鰤大根を「うましうまし」と食べておきながら、
さらには農業新聞で煮魚なんて何度も出てきたはずなのに(郷土料理の紹介記事とかで)、
習慣による固定観念とはおそろしいものです。


ではなぜ今日いきなり煮付けを思いついたかといえば、
まず「今週末は魚を食べたい!」と切に思っていたことがあり、
ししゃもとかメザシあたりの丸ごと食べれる中魚(小魚よりはデカいので)を買おうと思い、
チルドの魚売り場でそれら中魚にアタリをつけつつ流し目で周りを見ていて、
ふと鯖の切り身(3つ入り)に目が留まり、
切り身のなりが「どうぞおいら達を煮付けにして下さいな」と語りかけてくるようで、
今思えば一人用フライパンを最近は炒り豆を作る時の「煮出し」(というのか知りませんが、
汁が全部飛ぶまで煮込むんです)に使っていた経験も煮付けの連想を呼び込んだ気がします。

じつはほんだい

本題というか、最初に書こうと思ったことというだけで、
もはやどれが本題なのかはどうでもよいですね。

とはいえ「今週末は魚なり!」と思った理由がその本題で、
社食ではいつも定食(日替わりで肉系と魚系の2種類)で魚を選ぶんですが、
今週はめぐりが悪くて、
というのも魚系のおかずに「カニクリームコロッケ」とか、
(クリームコロッケがご飯のおかずメインになるという発想に僕は未だ馴染めません)
味付けが僕にとってはエグい「カレイの煮付け」とか、
社食で出て初めてその名前を知った「メルルーサ」とかがあって、
メルルーサは味は別に嫌いではないですが調理のせいか若干パサついていて、
 あと謎めいた名前にちょっとした距離感があってたまに避けてしまうのです。
 なんかモビルスーツみたいな…メッサーラ? レウルーラ…は戦艦か)
魚系なのに魚じゃない日と、
微妙な魚の時にちょうど魅力的な肉の日とが連続したりして、
そして金曜に食べた肉系の定食「鶏と○○の煮込みと春巻」がトドメだったんですが、
食べてる間はおいしく食べてたんですがたいそう油っこくて、
その日の夕方まで胃もたれというか軽い吐き気に苦しんだのでした。
(夕方に水をがぶ飲みしてなんとか持ち直しました)
が、考えてみるとその肉系の定食は以前はふつうに食べていたはずのものです。

つまり、
まあ何年か前から徴候はあり自覚もあったことですが、
「油もの」を身体が受け付けない度合いがひどくなっているようです。

ここに思い至った時に、内田樹氏が以前書いていたことを連想しました。
ジャンクフード大好きのウチダ氏がジャンカーになる前の話で、以下に抜粋します。
(「ジャンキー」と書こうとしましたが、これ激しく別の意味になっちゃいますね)

私は20代の一時期、けっこうストリクトな「玄米正食」をしていた。
玄米を食べ、有機野菜を食べ、肉を食べず、あらゆる添加物を忌避した食生活を半年ほど送っていたことがある。

おかげでたいへん身体はクリーンになった。
ついでに精神もクリーンになった。

そうすると、まわりで肉を食べている人間や、砂糖入りの食物を食べている人間や、添加物が入っているものを食べている人間を見ると「ゴミを食べている」ように見えてきた。
内田樹の研究室: たべもののうらみはこわい

実は僕も自炊では玄米を食べています。
(社食での昼食はもちろん白米です)
人のどぎつい食事が「ゴミ」に見えるなんてことはまだありませんが、
スーパーの惣菜売り場で揚げ物をうんざりした目で眺めることはあって、
味は美味しくても後味(食後の身体の状態)を想像するとウッときて手に取れない、
という日常生活から察するに、
友人と焼き肉屋に行った日にゃ「あるいは」もあり得なくはないな、
と思いました。

まあ、プライベートで人と食事を共にすることがほぼない生活をしているので気には…

あー、
そういえば今月末に友人の結婚式に出るのでした。
前日準備から手伝うので何かしら宴会もあることでしょう。


身体を馴らしておきましょうか。
いや、静養目的で有休をうしろにくっつけとけば問題ない。

今は「そういう時期」だから、仕方ないですね。
やれやれ。

 × × ×

4/11追記
月曜は有休だったので三連休で、この三日間の夕食は「サバ定食」でした。
以下は2日目と3日目の写真(1日目は撮り忘れ)。
サバの味付けは、
 1日目:醤油・かつおダシ煮付け
 2日目:塩糀入り醤油煮付け
 3日目:焼き魚醤油
でした。

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ちなみに味噌汁の具は長ネギ、長芋、人参、豚肉です。
そして飯ものは「3日寝かせ玄米おこわ・虎豆入り」です。
農業新聞の記事にあった「小豆玄米おこわ」のアレンジなんですが、
この話は気が向いたらまた書きます。