human in book bouquet

読書を通じて「身体へ向かう思考」を展開していきます。

『里山資本主義』(藻谷浩介)を読む

書評ではもちろんなく、私的なメモです。

毎週土曜BookOffに通って、今日初めて藻谷氏のこの本を108円棚で見つけました。
発刊当初は朝日の書評欄や著名人のツイッタなどで話題になっていた。
早速買って、しかしそのままVeloceで読もうとした時に、最初は躊躇がありました。
経済の本は日常生活と相容れなくて構えるからで…まあ、構えて読み始めました。


まだ半分ですが、この本は良い縁になるだろうと思います。
林業にもオーストリアにも興味が湧きましたが、肝心なのは生活の思想です。
そして思想の実践を裏付けるのは、なりわいを成立させる「場所」だということ。
「何もない過疎の町だからこそ何だってできる」という、場所に根付いた生活の思想

誰しもみな、やりたいことがあり、行きたい(いたい)場所があります。
やりたいことをしていくうちに居場所を見つけることもあります。
また、その場所で求められる仕事が自分のものになっていくこともある。
僕は28年生きてきて、後者が性に合うと分かってきました。

たぶんどこにいても、それなりのことをしていくことになるのでしょう。
ただそれは、その時自分がいる場所の「周りに合わせる」ことではありません。
僕自身の「自分と周囲の調和の基準」があり、僕はそれに従って行動する。
他人事のようですが、僕が活きるかどうかは「その場所」が決めると思っています。

というのも、僕が活かせているかどうかを判断するのは僕ではないのです。
ただ、それは僕が満足に生活しているかどうかとは(あまり)関係がない。
「どこにいてもそれなりのことをしていく」とは、そのような意味においてです。
いきなり大事ですが、この思想の実践は世界のあらゆる生活を肯定することになる


里山が僕を呼ぶ声が、かすかに聴こえた気がしたのでした。