human in book bouquet

読書を通じて「身体へ向かう思考」を展開していきます。

2019-08-01から1ヶ月間の記事一覧

Can one speak about unspeakable? (4)

言葉は「ないものをあらしめる」ために生まれた。 その場にあるもの、そばにいる人を名指す必要は、本来はない。 身振りで伝わるからだ。時間的に、または空間的に、「ある」が「ない」に変わったもの。 あるはずがなくなったもの、あってほしいがないもの。…

Can one speak about unspeakable? (3)

→(1) →(2) × × ×「『沈黙に至る雄弁』というものを考えてみたのです」 「ふむ。つい最近どこかで聞いたような表現じゃの」 「……」 「……」「言うことがなくなって黙り込む、ということかな? もうおしまい?」 「いえ、ちょっと一人でデジャビュに浸っており…

Can one speak about unspeakable? (2)

→(1) × × ×「『沈黙に至る雄弁』というものを考えてみたのです」 「ほう。どこかで聞いたことのある表現だな。それは具体的には、どういうものかね?」「前に話していたように、言葉がそこには存在していないはずの沈黙という状態を言葉で表現したい、いや、…

お盆に姪甥と遊ぶ

先週末、タイに住んでいる兄一家が実家に帰ってきました。 それに合わせて僕も帰省して、午後いっぱいを一緒に過ごしました。9歳になった姪と、3つ下の甥と会うのは2年ぶりでした。 おてんばで多動症的だった姪(「あーちゃん」)は少し落ち着いた反面、「い…

「遺産過多」の時代、消費対象としての時間、キュレーションと自販機

(…)しかし、すでにシャトーブリアンがこの加速化の経験を旧秩序の廃墟の抗いようのない徴と見ていたし、[ロバート・]ムージルもまた「加速化主義(accelerisme)」という表現を作っている。アレヴィはその試論をミシュレの引用から始め、ヒロシマのその後…

自己の定点観測、「りんとした現前」、幅のある瞬間

『「歴史」の体制』(F・アルトーグ)を読了し、二度目の再読に入っています。 8割以上が理解できず、なんとか意味が汲み取れた2割の中で重要そうに思えて印をつけた部分の前後だけを読み返すという再読。 やはりすぐには終わらない。歴史の体制 現在主義…