human in book bouquet

読書を通じて「身体へ向かう思考」を展開していきます。

2016-06-01から1ヶ月間の記事一覧

サイホン/タコの死にゆく道

「大きな月というのは、なにをどうやってもうまくいく、ついているということだ。かならずしも蓄積ではなく、相互に非常に異なるケース、コントラスト、正反対の色、あらゆる方角で一斉に響く和音、下から上へ、あるいは対角線に沿って社会をくぐりぬける、…

『共同幻想論』(吉本隆明)読了

『共同幻想論』(吉本隆明)を本日読了しました。 4/16に読み始め、毎週土曜の午後にVeloceで読み継いでいました。 湯治に行ったりで2週分は読まなかったとして、 8週×4〜5時間くらいかかったでしょうか。 何が書いてあったか?正直、読んで頭の中に残っ…

三、プラスのプラスはマイナス(43 ノート)

「マイナスのマイナスはプラス」という一行をノートに書く。 その下に矢印のついた線と目盛りを描いて、ゼロを打つ。 「プラスのプラスはマイナス」という一行をその下に書く。 ふと顔を上げると、先生が無表情で僕を見つめている。 1 頭21 インキ41 金61 家…

見えない雨と言葉、シルクハットと記憶

「見なさい、晴れているのに傘をさした男がいます」 探偵の視線の先を追うと、確かにそのとおり、蝙蝠傘を開いた髭の男が、悠然としてこちらに向かって歩いてくるのが見えた。何やらオレンジ色の包み紙を小脇に抱え、よく見れば、全身が雨に打たれたかのよう…

二、先進的団欒(56 注意する)

四人掛けのテーブル席で、妻は雑誌を、夫はパンフを、娘はスマホを見ている。 「東名厚木がさあ、…」よく通る声で妻が誰にともなく話し始める。 「ね、これどういうことなの? どういうことなの?」と娘が画面に言う。 夫はパンフを眺めながら、妻でも娘でも…

一、純金(30 金持ち)

純粋な金持ちは、金の使い途を知らない。 知らないがゆえ、貯めるために貯め、使うために使う。 彼らだけが、"神の手"を見ることができる。 目の前で動かしているそれが、まさに当のものだ。 1 頭21 インキ41 金61 家81 礼儀 2 緑22 怒り42 馬鹿な62 可愛い8…

昇華班活動事例研究

今日の本題です。前段やら話のつながりを意識し過ぎると書きたいことにたどり着けなさそうなので、 飛躍御免(お、いい言葉だ)でさらさら書いていこうと思います。 × × ×橋本治氏は「活字の鉄人」と言われるくらいすごいのですが、 それは著書の多岐にわた…

過去の小物(小さな物語)

今日は先週の日曜に出勤した分の振休です。 朝が雨で外出できず、前日に引き続いて部屋に入り浸りです。 籠った次の日は動きたいのですが… 雨が止んでいるので、夕方に歩きに出掛けるかもしれません。と言いながら『ぼくたちの近代史』(橋本治)を今日一日…

「鳩屋詣の八十八文」について

「鳩屋詣の八十八文」半分以上冗談の思い付きが時を経るごとに形を成して行き、 遂に名を得るに至った話について。 × × ×毎週土曜にVeloceで読む本を、 湯治から帰ってきた翌週(=先週の土曜)は持っていくのを忘れ、 その直前にBookOffで仕入れた本を読む…

身体基準の時間/大噴 - おおぶけ(湯治記3)

温泉皮膚炎はその実質的症状としてはほぼ消失しつつあります。かゆみをおぼえる箇所はなくなり、発疹もとれて褐色の跡が残るのみです。 消えるまで一月をみていましたが、実際のところ1週間で済んだようです。 「首筋を撫でると爬虫類のようだ」という先々…

夢を見るために生きているのです/時間の死骸

だったか、「朝、目を覚ますのは夢を見るためです」という言い方だった気もしますが、 確か村上春樹がそんなことをエッセイに書いていました。 (本のタイトルだったかもしれません) × × ×「不変は死である」という考え方にはもともと親しいのですが、 turu…

岩泉ヨーグルト、季節野菜カレー、筍チャーハン(湯治記2)

温泉に行った前後で体質の変化がいくつかあります。まずは、食事量が増えたこと。旅館にいる間は温泉に入りまくっていたし(別途書きますが、1週間の後半では「1回の入浴で大浴場に2時間滞在×4セット=8時間」という、まさに飯・風呂・寝るの三拍子で一…

六畳間、川の音、畳の親しみ(湯治記1)

皮膚炎は治まりつつあります。 それに従って、湯治の結果も見えてきました。一番治したかった首の「危険な凝り」は、7,8割は良くなったようです。 また、通常時の首の回りやすさや、デスクワークや読書などで長時間動かなかった後の首の固まりやすさも改善さ…