human in book bouquet

読書を通じて「身体へ向かう思考」を展開していきます。

2015-03-01から1ヶ月間の記事一覧

情報化と身の丈について

だからこそ、価値や規範というものが失われ、やみくもなブランドへの追従が流布する状況が生じてきているのだろう。そしてその背景に、ケータイの普及に代表される社会のIT化の影響が潜んでいるのだとすれば、すなわち社会の高度情報化は私たちが自分が社…

マンガ、ウィスキ、パン、歩く、食べる

毎週同じことをしているはずで、時々ズレが生じます。今日はBookOffで出物があり、マンガを2冊買いました。 長らく棚に不在だった『蟲師』(漆原友紀)の5巻と、 先週は半額棚で見たのに今日は108円棚に移っていた『恋に鳴る』(山名沢湖)。 後者はいつも…

倫理的行為の選択について

個人とは簒奪者でなくて何であろう。意識=良心の到来とは──霊の最初の火花とは──私の傍に累々と横たわる屍骸の発見と、殺すことによって存在する自分への恐怖心でなくて何であろう。(…) 殺害者になることなく存在すること。この責任を回避し、私が責任を…

「踏みとどまる人びと」のこと

平日の朝食時は内田樹氏のブログを印刷したものを読んでいます。 朝は比較的仕事に近いので、夜に本を読む時とは頭の回り方が異なります。 けれど、仕事に近いだけ、会社の出来事(要素)とリンクしやすい。 のですが、今朝(3/25)読んだ部分は「夜型」の連…

原宗教的性質について

「平日洋書」のこと - ユルい井戸コアラ鳩詣cheechoff.hatenadiary.jpレヴィナスを読み始めて(↑)からもうすぐ二月が経ちます。 ページが半分強は残っているので、読了はあと二月後になるのでしょう。 タルムード*1の本文が何を言っているかは、正直全然わ…

「頭隠してシリカゲル」のこと

これは言葉にしておかないと、という出来事がありました。毎週BookOffで1冊以上は本かマンガを買っています。 最近店のカウンタでポイントカードの作成を勧められるようになりました。 「オレンジのBookOffポイントカードを作られますか?」と聞かれるわけで…

グリ・ルパンⅠ世、すっぽこ、轍残君

生活の話です。昨日は有休で、一日かけて『僕の叔父さん 網野喜彦』(中沢新一)を読みました。 「農業の中の非農業的な部分」の話に強く惹かれましたが、 それとは別の箇所で料理の話があり、「一人用の土鍋が欲しい」と思ったのでした。 野菜を出汁と味噌…

「板β食ーべたい」話

タイトルは嘘で回文ですが、あの「ABCビスケット」のイメージです。何の話かといえば、βからの連想です。 なぜβかといえば、さきほど読了した本のことです。 このシリーズは久しぶりに読みました『ジグβは神ですか』(森博嗣)。 凄いとしか言えません。内容…

変化のこと(9)- 再・首凝り族

また首が凝ってきました。 前に「治った…?」と思ったのは3ヶ月前でした。変化のこと(6)-脱・首凝り族- - ユルい井戸コアラ鳩詣原因がよく分からないのでちょっと考えてみようと思います。 逆戻り、ではなく螺旋運動のイメージを持ちたいので。 それで最…

過去を流す水について

「損得勘定」ではなく「そんとき感情」 ※関西弁— chee-choff (@cheechoff) 2014, 8月 7生活は単調でも、日々の感情は時に大きく揺れ動いています。 「感情に流される」と言って、しかし実際の行動に現れるわけではない。 では何が流されるのか? …それは「取…

「二重ひねり和歩 その2」について

内容的には前回↓の続報になります。 非等価な手の振りについて - ユルい井戸コアラ鳩詣 前回に「交互に片手を握りながら歩く」2つの方法を書きました。 今日はその後者をしばらくやってみて、慣れてきた感じがしました。 腕を前に振り出す時にその手を握る…

神の構成論的アプローチについて

ここで心に留めておくべきことは、脳化学や認知科学において、人間がCPG〔セントラルパターンジェネレータ〕を使ってどのように体を動かしているかは、いまのところはほとんど明らかにされていないということである。分かっている事実は、人間にはCPGという…

「溜まる消耗」について

「何かを選べ」と言われた時に「どっちでもいい」と言って相手の望む選択を提示(暗に強要)された時、「そういうことではないんだ」を説明するロジックを思い付いた。自分はその選択の結果には拘泥しないが、選択(行為)の質にこだわるのだ、と。そして強…

かるたのこと

バビロンのことわざ「目には目を、歯には歯を」 日本のことわざ「目にはウロコを、歯には衣を」— chee-choff (@cheechoff) 2014, 12月 17『読んだ本はどこへいったか』(鶴見俊輔)に、かるたの話が出てきます。 島崎藤村が書いた文に岡本一平の絵をつけた「…

「解釈の超出」について

神秘(ソッド)はタルムード神秘学では聖典の究極的意味を意味する。(…)真の神秘は、文字通りの意味よりもっと簡潔ななかに始原の簡潔性のなかにあると言う。ただしこの始原的意味がその変わらぬ簡潔性において明かされるのは、ただ歴史の全行程が踏破された…

島民の冬眠について

風邪をひいたようです。今日の午後くらいから発熱しはじめ、体の動きも鈍くなりました。 なんでだろう…と思い返すと、原因は先週の土曜にありそうです。 三寒四温の「寒」の(しかも雨の)日に、寒いと感じつつ2時間歩いた。 そりゃひくわな、とも思います…

「渦中の陸」のこと

「案ずるより産むが易し」といいます。 「案ずるより有無を言わせず」(@『あ・じゃ・ぱん』)ではありません。 「あんず酒飲む横山やすし」でもありません(かなり無理あり)。 その後の展開としては「産めばみな子」でしょうか(もはや当たり前)。 案ず…

変化のこと(8)-ハウスワーカ的ブリコルール

主婦も主夫も、性別が出てくるので時に使いづらいですね。 「主婦」はだんだん肯定的に使われていますが若干古めかしく、 「主夫」だとイクメンとか急にポストモダン(?)な感じがします。 かといってタイトルみたく書くと被雇用者みたいですが、まあ「韻」…

「ジェミノイド本」のこと

予告通り、石黒教授の本の話です。学部時に教授の所属科にいたので、ちょっとした身内感があります。 4回生の研究室配属時に選択肢としてありましたが、当時は妙な噂があった。 「I研は給料が貰えるくらい忙しい(こき使われる)」と。 教授の授業の印象か…

「空腹痛」のこと

今日は寒くて雨でしたが、いつも通り歩いてきました。 ただ靴が心配だったので、通勤に使っている全天候型のを履きました。 いつも週末は靴底に弾力のある革靴で軽快に歩くのですが、 今日は雨を弾く固めの材質の靴だったので全体的に疲れました。が、途中か…

落語的心理テストについて

「スパゲティ本」の話です。妄想人生作者: 島田雅彦出版社/メーカー: 毎日新聞社発売日: 2005/09/27メディア: 単行本 クリック: 2回この商品を含むブログ (9件) を見る島田雅彦のエッセイを読み終えたので、次に何を読むか考えました。 スパゲティを茹でなが…

角が栄える話

アテンション・プリーズ。日本において革命は、日々の規則正しい食生活において為される。こんなふうに。「食う、出た。」(矢作俊彦『あ、じゃぱん』のノリで)— chee-choff (@cheechoff) November 18, 2014日本現代史の裏教科書、あるいは「テストに出ない…

浮遊する話

昔のツイートを掘り起こしシリーズ。発想が浮遊した人間が地に足着いて見える矛盾は、「居室が浮遊している」ことで解決されるという叙述トリック。あるいは地球も宇宙空間に浮遊して…— chee-choff (@cheechoff) 2014, 11月 9これはMHFL↓のことです。森博嗣…

融通無碍について

僕らは、あなたを驚かそうと思った。そして僕らはあなたを弱い女よと呼んだ。 「弱い女よ、僕らは、征服者になるのだよ」 (…) 「そうなったら、僕らはあなたの恋人だ。奴隷よ、僕らのために詩を読め……」 しかしあなたはもう読んでくれなかった。あなたは本…

非等価な手の振りについて

和歩の話です。ずっと意識していながら、言葉にしていなかったことがありました。 歩くとき、右足と左足は「等価」ではありません。 交互に入れ替わりますが、地を蹴る足と振り出す足は挙動が異なる。 しかし一方で、足に合わせて前後に振る右手と左手は「等…