human in book bouquet

読書を通じて「身体へ向かう思考」を展開していきます。

謎の異交通 - free dialogue in vivo 6

 
 言葉が通じているかが不明。
 返事がない、ただの独り言のようだ。
 問いかけた同じ数の沈黙が降り積もる。
 それでもこちらは言葉にするしかない。

 問いかけを自分で聞いている。
 答えを想像することはない。
 沈黙に耳を澄ませる。
 問いの反響が仮想域に長く谺する。


 ふと閃きが訪れる。
 静寂の欠片が幽かな燐光を帯びる。
 意想外の出力が眼前に現象する。
 光の残像は熱の記憶を跡に残す。

 決意の刹那。
 意図に紛れ込む無形の呼び水。
 偶然と決然が必然を導く。
 情報の奔流、大河の一滴


 眠りと覚醒の常態。
 言葉の単交通からそう解釈せざるを得ない。
 同時に相手の目を仮想構築。
 宛らこちらは唄う水飲み鳥か。

 粒子であり波動であるもの。
 不定であり螺旋であるもの。
 次元は座標軸を失いメビウスと化し。
 連想は既成を無視し量子跳躍を試み。