Wシリーズ第2巻、読了しました。
魔法の色を知っているか? What Color is the Magic? Wシリーズ (講談社タイガ)
- 作者: 森博嗣
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2016/01/19
- メディア: Kindle版
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「森博嗣は余計なことをせずに、真賀田四季のことだけ書いていればいいんだ」と豪語していた司書講座の同期、イシーダ画伯にオススメしたいところです。
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二人の絵に対する姿勢について、 「抽象性」という言葉が最初に浮かんで、 言葉が足りないかとその説明を考えているうちに、 「ものすごく具体的」という言葉も出てきました。 (…) 違わないはずはないのに、 この両者の違いが分かりません。 どういうことだろう…
岡潔と安西水丸の共通点 - human in book bouquet
その差異があまりに明瞭なものに対しては、それを表現する言葉を持たない。
具体的に一つ取り出せば、それ以外が捨象される印象を得て、嘘になる。
正確を期して膨大な記述を費やしても、量的に敵わないうえに、記述の順序が重み付けとなる。
そもそも、説明なしに差異の認識が人と共有できるのなら、それを表現する意味はない。
「僕と君とは、いったい何が違うのだろう?」
「…あなたは私と、いったい何が同じなの?」
その差異があまりに明瞭で、それでいて何かしら等しさを感じるもの。
それらのものに費やすに値する説明は、同一性についての表現。
疑問の余地がなかった差異に同一性のライトを照射して、浮かび上がる影は「謎」である。
影がその実体の存在感を際立たせる、澄明なる月夜の神秘。
表現を要求する同一性は、運動を孕んでいる。
閃いた瞬間の真実には、やがて解ける魔法がかかっている。
生を変化たらしめる時間は、光に生まれた言葉を石に戻す。
言葉の輝きは宇宙の星々と同じく、原初との時間差を免れない。
ただ、過去に消えた火種に光を見るのは、時間を超越する意思の魔法である。
解けない魔法がないとすれば、それこそが魔法の生命たる証。