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大阪市内で工業デザインの仕事を始めました。ボルダリングも続けます。

12日目:疲労の徴候、4日ぶりの24番 2017.3.12

この日は、9日目に薬王寺を出て、鯖大師には寄りましたが4日ぶりに次の寺、24番最御崎寺に到着しました。

般若心経や光明真言などを唱える、寺に着くと本堂と大師堂とで2回行う「お勤め」は、日によっては8回、10回とやる日もあり、そんな日は歩く時間が減るので焦ってしまったりするんですが、逆にお勤めがない日が続くとそれはそれでさびしいもので、4日ぶりのお勤めとなったこの日のことは印象に残っています。

24番は寺と宿坊「へんろセンター」がちょっとした山の上にあります(標高というほど高くはないが傾斜がきつい)。この日は宿坊に泊まる予定で、昼過ぎに到着したので時間に余裕がありました。山のふもと、登り始めの横っちょに洞穴があり、中には像が祀られ、本堂や大師堂と同じようにろうそく立てと焼香スペースがありました。そこが24番の大師堂だったのか、「昔は大師堂だったところ」なのか、記憶が曖昧ですが(こういうことを本来は日記に書いておくべきだったんですが…)、疲労していたにもかかわらず、朗々と経を読み上げたことを覚えています。

(1)眠い:最初の頃は眠れなくても日中歩いている間は平気だったが、ここ2,3日から昼寝をして体力回復している。海辺での日光浴が気持ちよいのもあるが、「旅テンション」が落ち着いてきたのかもしれない。夜は早いうちに一度寝て夜半過ぎに起きる風になっている。

(2)足の疲れ:海沿い行程中から疲れ方が変わってきた気がする。ふくらはぎに疲労が蓄積し([その日の]歩き始めはつらいが歩くうちに気にならなくなってくる)、昨日今日は足先の疲れが見え始めた。指の付け根の筋肉か、ゲタを掴む力が入らない、というよりはこまめに休憩しないとダルくなってもたない。風呂マッサージで(前は気にならなかったから)抜かしていた部位なので、今日からはしっかりやろう。

(3)足の日焼け:鼻緒焼けが日を増してひどくなっている。湯に染みるので明日から処置しよう。

(4)歯の削れ方と歩き方:歯がかなり短くなってきた。ゲタの台の裏から中心に向けて傾斜がついているので、ほんとうにギリギリまで短くならない限り歩けるとは思うが*1、この影響で歩き方は変えざるを得なくなっている。台を前後にあまり傾けず、そのかわりに股を開きめにして歩幅を確保する。指の疲労はこの歩き方の変化の影響かもしれない。今はまだもっているが、指の状態によっては再変化を要する。

(5)宿にて:夕食では宿坊大好き外国人、区切り打ち24[番から]スタートのおじさん、車逆打ち50回以上のおじさん[と相席になる]。[車遍路は]慣れれば1まわり1週間でいけるそうな。[夕食に出てきた]「大皿盛り」が高知の郷土料理*2。温泉はいい湯。2回めで龍谷大野球部とかち合う*3

所感:「修業の道場・高知」を実感し始めている*4。日焼け、足の痛み等、慣れとは別に蓄積されてきた苦痛がものを言い始めている。淡々と歩くことに変わりはないが、頭もひきつづき空っぽに、身体の声をきくべし。

日記の5つのトピック中、3つが足(歩き方)のこと、1つが体調のことで、日記的な出来事の記録は1つしかありませんでした。
親類の供養だったり、世界平和だったり、遍路に託す祈願は人さまざまで、多くの歩き遍路が道中つけるであろう日記にはその祈願が色濃く反映されるものでしょうが、お勤めの後に寺に納める札に「身体賦活」と大書し、実はそれは苦心の末であって「祈願などない、歩きたいから歩く」と思って歩き遍路を決意した自分の道中記としては、とても素直なものだと思います。
それが他の人が読んで面白いかどうかは全く別問題ですが。

*1:文章だけでは、何を言っているのかよくわかりませんね。僕も読み返してしばらく考え込みました。写真だと一目瞭然↓。これはこの2日後の状態。台の裏が完全に平らだと、歯がなくなった時に台が地面にべったり接して動けなくなるんだがそうはならない、と言いたいらしい。ゲタが履物としてありふれていた時代は、そうなる前に歯or本体を替えるか、履き捨てて裸足で歩いていたのでしょう。現代では、道=アスファルトを裸足では到底歩けませんが(こう考えると、歩道なんて呼んでいても結局道路は「車のための道」のおまけなのですね)。そういえば道中で「草履で本州縦断」をした人の話を聞きました。藁を編んだ昔ながらの草履で、すぐボロボロになって頻繁に取り替えていたらしい。そりゃそうですね。耐久性でいえばゲタの方がまだましでしょう。 cheechoff.hatenadiary.jp

*2:具体的な食材を忘れましたが、とにかく多種類のおかずを大きな皿にどかんと盛り付けたもの。この数日後に聞いた「高知は酒飲みが多い」のと、関係があるのでしょうか。ちなみに、高知に入ってからは毎晩のように「かつおのたたき」が夕食に出てきました。

*3:へんろセンターを宿にしていたのかは不明ですが、近くにある学校のグランドでの練習が終わって温泉になだれ込んできました。なんか関西弁やな…と思って話しかけると、龍谷大だという。運動部のコミュニケーションというか、茶化し合いが典型的に野球部的だなと聞く前から思ってましたが、高校生だと予想していました。自分の高校時代が念頭にあったんですが、それにしても幼すぎないかと、君らもっと考えることあるやろうと…余計なお世話ですが。

*4:4県にまたがる遍路道の、それぞれの県にキャッチコピーのようなものがついています。調べればすぐですが、記憶を探ると…「発心の道場・徳島」「修行の道場・高知」「○○の道場・愛媛」「涅槃の道場・香川」。忘れてますね(笑)そして涅槃の意味もよくわかっていない。歩き終えてこの様ですから…まあ、道中後半ではもう少しマシだったかもしれません。今後の展開に期待。