human in book bouquet

読書を通じて「身体へ向かう思考」を展開していきます。

なぜ魔法陣は二次元か

「魔法"陣"なんだから、そりゃ二次元だろう」という話ではなくてですね…

本記事はひとつ前↓の副産物です。
結果的にSF的現象の論理的考察になりました。
cheechoff.hatenadiary.jp
先に、あるものに対するカテゴリの関連づけによって、
所属カテゴリとは別の二次元平面が発生すると書きました。

このとき「平面と平面が交わるさま」を想像したんですが、
(高校数学でいえば数学ⅠAでやる幾何でしょうか)
交わった部分は線分になるので「うーん」と思って絵的には追求しませんでした。
というのも、ものと言葉のひとつの対応を集合(閉領域)で考えていて、
閉領域は二次元ですが線分は一次元だから「合わないなあ」と思ったのです。
ついでに、たぶんその集合の属するカテゴリはその閉領域を含む平面と考えていた。
「ではこの"線分"とは何だろう?」ですが、本記事ではそれはさておき。


平面と平面が交わる領域は線分(直線)になります。
そして平面と平面が交わるためには、両平面を含む空間が想定されます。
つまり、以下「空間」を省略して書きますが、こういうことが言えます。

 「二次元と二次元は、三次元において一次元的に重なる」

これを見てなにかこう、次数の行ったり来たりが面白いなあと思って、
じゃあ次数を一つ上げてみよう、とするとこうなります。

 「三次元と三次元は、四次元において二次元的に重なる」 ・・・(*)

三次元(空間)は現実空間のことで、しかし四次元はなかなか想像しづらい。
三次元と三次元の重なりを「立方体同士の部分的包含」でイメージすると、
共通部分も三次元になってしまいますが、これは三次元的に重なっているから間違いです。
では四次元的に重なる、とは…?

ここで、最後の「二次元的に重なる」という部分が気になりました。
二次元はわかるし。
…これがわかれば四次元のイメージ構築につながるのでは?


と思って、しばらく考えて、「魔法陣」を思いつきました。
あの、SF世界内で別の場所にワープできる、杖を手に地面にカリカリ描くやつです。
これは上の答えというよりは、逆に上の論理からこちらの形式が導かれたはずで、
つまり、「魔法陣は三次元空間同士の重なり」なのですね。

ここで大事な点として(いや大事かどうか知りませんが)、
魔法陣は四次元とつながっているわけではありません。
異なる三次元の間をいわば「四次元的に」つなぐ、
言い換えれば、魔法陣による移動において四次元が垣間見られる、
というのが(*)における「四次元において」の意味です。

これに対して、今思いつくのはドラゴンボールですが、
「瞬間移動」は、あれは四次元空間を移動していることになります。
前記事で森博嗣氏の本の内容を紹介しましたが、
「突然光る球が浮かび上がる」がこの瞬間移動に対応します。

瞬間移動によって、移動対象の全体が、同時に(無時間的に)別の空間に移動する。
一方で魔法陣による空間移動は、陣という平面を介するので、
移動対象が平面をヌルッとくぐり抜けるだけの時間を要する。
(こう書いて、ドラえもんの「机の引き出し」は魔法陣系だと気づきました)

…そうか、この所要時間が「四次元的に」ということですね。