human in book bouquet

読書を通じて「身体へ向かう思考」を展開していきます。

一本歯二足目とクッション取付

二足目を買いました。
試し履きをしたかったので京都の街中でないかと履物屋を探し、錦市場へ行きました。

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左が新しい方で、少し幅が細い。
そのぶん台が薄くて歯が短く、つまり下駄が軽い。
そして歯の前方角部が面取りされています。

クッションをつけるつもりだったので、面取りを加味して工夫しました。
クッションはe-geta.comで購入しました。
リンク先の一番下です。

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歯底から。

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下駄側面から。

クッションのゴムを切断して、歯の底面と面取り斜面のそれぞれに接着剤と釘で固定しました。
底面固定ゴムと斜面固定ゴムの隙間はゴムの切れ端をつくって埋め込みました。
が、大雑把にハサミでじょきじょきやったせいか、一度外を歩いてみると隙間に土や小石が入り込んで一部の切れ端が隙間から追い出されてしまったので、方針を変えて、その土や小石をかい出してから木工ボンドを充填しました。

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隙間の右側1/3弱に充填したボンドを乾かしている途中(二日目)。
たぶん四日で完全に固まる(と透明になる)はずです。
最初から隙間の全部をこうしていれば綺麗な仕上がりになっていたのですが。

ひとまずこれでクッションは完成形のはずで、あとは耐久性がどれだけあるかです。
歩行一日目(いつも通り河川敷を1時間程度)にしてクッションのトゲトゲがいくつか磨耗していて、盤石とは思えませんが、しばらく様子を見ます。


履き心地を比べればクッションありだとまるで靴のようで、石畳やコンクリートを歩いていてもへいちゃらの感があります。
がその裏返しで、地肌とコンクリートとで抵抗反発感に差があまりなく(あるにはありますが)心許ないという言い方は少し変ですが浮き足立ったように感じます。

安全性をとれば(クッションの破壊を考慮の外におけば)クッションありがよいですが、正直にいって、歩くことの充実全般の面ではクッションなしがよいです。
充実の内容は、クッションありよりなしの方が裸足で歩いている感覚に近い、というところに因っています。

硬い地面での長時間歩行に問題なければクッションなしで旅に出たいところです。


そういえば、店で下駄を買う時に「下駄は時々(という以上に)左右を入れ替えて履くものだ」と初めて知りました。
鼻緒の前の穴の位置が台の中央にあいていて左右どちらでも履けるとは知っていましたが、どこか履物として下駄を靴やサンダルと同じものと僕は考えていたようです。
当然ですが、左右を入れ替えて履いていれば歯の減りが外側に偏ることはありません。

このことを知って、クッションなしでもいけるかもしれないという思いを強くしました。
歯がだんだんすり減っていき、それが外側だけすり減って歩きにくくなるのであれば長期歩行には耐えられないと考えていたのですが、歯が左右均等に減って歯の長さがだんだん短くなるというだけであれば、むしろ歯が短くなるのは歩きやすくなることでもあり(減り過ぎるとそりゃあよくないですが)、道中で長さを確認しながら歩いていて「そろそろ交換時かな」と思ったら履物屋に行って買い替えればよい。

歯がだんだん減る、歩き具合が日に日に変わっていくというのは、ただ目的地に達するというだけならともかく、歩くことそのものを経験するうえでは一つの大きな魅力である。ということを高野川ナイトウォークで履き比べをして実感しました。

とはいえ現段階では、クッションありの方も履き慣らしてみるつもりではあります。