human in book bouquet

読書を通じて「身体へ向かう思考」を展開していきます。

六畳間、川の音、畳の親しみ(湯治記1)

皮膚炎は治まりつつあります。
それに従って、湯治の結果も見えてきました。

一番治したかった首の「危険な凝り」は、7,8割は良くなったようです。
また、通常時の首の回りやすさや、デスクワークや読書などで長時間動かなかった後の首の固まりやすさも改善されました。
完治かどうか分からないのは、元々どれだけ良かったのかがもはや不明で、そもそも凝りを自覚した時には首を色んな方向に曲げたり倒したりしていたんですがそのような動きを今までしたことがなかったような気もしていて、たとえば「危険な痛み」を首に感じたという時に僕の首の状態が悪いというよりは首の曲げ方が悪い(そのような曲げ方をすれば大体の人が同じ痛みを感じる)、という可能性もあるかなと、事の発端を今振り返ると色々うやむやになってるなと思うのですが、歳をとるとはそういうことなのかもしれません(正論)。

何にせよ、症状(筋肉痛なのか神経痛なのか、とか)は不明ながら改善はされたので、再発せぬように気をつけて生活をしようと思います。
逆立ちは首の回りが良くなるので日常的に続けていきます。
ただ肩まわりのストレッチは以前やり過ぎていたことが判明した(湯治の期間中に、背中の「腕を後ろに引っ張ると背骨が飛び出る部分」に集中的に皮膚炎が出て、まさにそこがストレッチで負担をかけていた部位だったのでこの現象からして「玉川温泉に浸かって出る皮膚炎は悪い所に出る」という俗説を僕はある程度信じています)ので、ストレッチは腰回りだけをほどほどにやることにします。
首のストレッチは、時々首をくるくる回すくらいでしょうか。

 × × ×

さて、では玉川温泉の話を書いていきましょう。
一つだけ注意点ですが、自分の経験をベースに書きますので、温泉の効能の正確さ(病気や治療は個体差が大きいので正確もなにも本来はありませんが)はあてになりません。
ちょっと行ってみようかしら、という人が読んで雰囲気がわかるような内容になれば幸いです。

 × × ×

自分はネット(じゃらん)で、宿泊する3ヵ月前くらいに自炊部の部屋を予約しました。
嵐山氏のエッセイには「半年前から予約が埋まる」と書いてあったのでそれでも間に合わないかもと思いましたが、ネット予約は枠は少ないもののそれほどではありませんでした。
予約してからも枠の残り状況をこまめに確認していましたが、2月前であればまず大丈夫だと思われます。

ネットでの予約は部屋の指定はできず、その日に空いていた所に割り振られるようです。
自炊棟の部屋はトイレや洗面所はなく、同階の人々と共用です。
もちろん台所も共用なので、食事を準備する時間帯はフロア全体が長屋のように和気藹々となります。
僕は3食自炊だと偏るかと思ったので朝昼は食堂(朝はバイキング、昼は一品もの)で食べて、夜だけ自炊にしました。

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僕は北投荘の227号室でした。
川に面した6畳間の和室で、他の部屋もそうだと思いますが作り付けの棚がたくさんあります。
5月でしたが山の方なので涼しく、夜にはストーブを点けた日もありました。
ビニール紐を持ってきていたので、棚の隙間やカーテンレールにひっかけて物干しとしました。

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窓から見える景色(上は上、下は下)です。
川の音がすごく大きくて、慣れるのに4日かかりました。
耳栓をしたり、ノイズキャンセルのプレーヤを無音再生したり、ドラえもんスタイルを試したり(押し入れに布団を敷いて襖を閉めて寝る)と思いつく限りの試行錯誤をしましたが全く駄目で(つまり3日間は一睡もしませんでした。それでいて一日4回も入浴する体力がどこから湧いていたのか…)、開き直って窓の真下に頭がくるように布団を敷いて窓を開けて寝るという暴挙に出ると、これがなんとかうまくいったようで4日目には数時間だけ寝ることができました。

寝入っている間は確かに川の音は意識されてはおらず、起きたと思うと川の音が聞こえ始めるのか川の音を意識して起きたことが自覚できるのかわかりませんが、起きた瞬間の不思議な感覚(その日の意識が川の音から始まる、という。慣れるとどうなるのでしょうね)が新鮮でした。
また部屋でぼーっとしている時には川の音のおかげで雑念があまり湧いてこないようで(でも読書はちゃんとできるのです)、川のそばに住むのもいいなあと思いました。

あと、畳の方がリラックスできますね。
裸足で過ごすなら明らかに洋室より和室の方が相性がよいし、座布団ひとつでごろんと横になれるのもステキです。

次に住むところは畳がある部屋(家)にしたいです。