human in book bouquet

読書を通じて「身体へ向かう思考」を展開していきます。

「旧約聖書 創世記 2章18節」を朗読してきました

『わかりあえないことから コミュニケーション能力とは何か』(平田オリザ)を今回の遠征で読了しました。
選書時の目論見通り…という言い方は今の自分には多少ネガティブに聞こえますが、
旅先の用事と互いにリンクが生成されるような本でした。

 × × ×

 地区の人々が集まれる一つの拠点があって、
 毎週、毎月、あるいは毎年といった長短含んだ定期的な行事があって、
 その行事が長年続けられることによる幾世代にわたる繋がりがあって、
 同じ場所で同じことを、継続させる人が入れ替わることで紡がれる歴史があって。

 一人ひとりが受け持つ責任があって、
 でもそれは独りで背負い切る責任ではなくて、
 これからの二人を見守るみんなの温かいまなざしがあって、
 そしてそれは二人が二人でいることの理由なき肯定であって。

 × × ×

先の二日は今思えば異次元空間にいるかのようでしたが、
その場所にいる間は僕の内にも外にも違和感が少しもなく、
それは神奈川に戻ってきた自分の生活と遠く隔たっていると同時に、
その気になればひとっ飛びで帰れるほどすぐそばにある場所でした。

とても言葉にし切れない二日間でしたが、
本にあったオリザ氏の言葉を借りて、

 「みんなちがって みんないい」
 ではなく、
 「みんなちがって たいへんだ

とだけ書いておきます。

「たいへん」だからこそ、生きて行こうと思えるのです。

 × × ×