human in book bouquet

読書を通じて「身体へ向かう思考」を展開していきます。

無題8(暴投)

 
 「君の人生がママならないなら、僕がパパになるよ」
 「いったい、何の話をしているの?」

彼女の窮状を見かねてつい発した言葉が愛の告白になってしまったが、
告白にしては迂遠に過ぎたようだ。

家族の中で最年少の成員の視点から呼び名が決まるのは文化人類学的に確かだが、
まだまだ幼い娘は幼さ極まって未だ存在していないし、
だいいち我々は家族ではない。

しかし、愛の告白とは輝ける未来を語ってこそのものではないだろうか?

 × × ×