human in book bouquet

司書資格を活かせる仕事を探していきます。

オガミドリさん、長女鰤子、三つむじ

『うずまき猫のみつけかた』(村上春樹)を読了しました。

 雑誌掲載時から、「なごやかに絵日記風にやれるといいね」ということで、安西水丸さんのイノセント・アート風の絵と、うちの奥さんの素人スナップ写真をつけて発表されていました。写真は本の読者のために、雑誌のときとは少し違ったものを選びました。水丸さんとうちの奥さんに深く感謝します。それから雑誌の担当編集者である松家くんと塩澤くん、雑誌掲載、単行本化のまとめをやってくれたオガミドリさんにも感謝します。海外から連載を送るというのは、ファックスやコンピューターが発達して便利になった現在とはいえ、やはり現実的な苦労の多いものであった。おっと忘れてはいけない。デザインの藤本さん(別名柳銀八)と、出版の元じめ寺島くんにも感謝します。しかしなんだか映画のエンド・タイトルのクレジットみたいだな。
(…)
「うずまき猫」はうまくみつかりましたでしょうか?
あとがき p.251

別にこんな長々と引用する意味はあまりなかったんですが、雰囲気がわかるように長めに書いてみました。
なにかというと、『夜のくもざる』(村上春樹安西水丸という超短編集を読んで「オガミドリさん」がステキな人だなあ(笑)ととても印象に残っていたのですが(この本の「ビール」という短編に、「実在の人とは全く異なるオガミドリさん」がメインで登場するんですが、最初寝しなに読んだ時に爆笑してしまいその夜はなかなか寝付けませんでした。何度読んでも面白いです)、最初この名前はあだ名だと思って、「原稿を手渡す時にいつも(少し前かがみに)相手を拝んでから受け取る」みたいな描写から「水飲み鳥」を思い浮かべたりしていたのですが、上に引用したみたくぜんぜん冗談でない感じに書かれているのを見て「そうか、オガミドリさんというのは本名か!」と今さらながら気付いたのでした。
おそらくはストレートに「小賀碧」さんとか、あるいは日本人の男性と結婚して名字だけもらった「尾上ドリー」さんとか、そのあたりだと見当をつけています。

いやほんと面白いですよ、「ビール」。おすすめです。

 × × ×

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少し前から定着している日曜の昼食ですが、今日とつぜん閃きました。

それには前段があって、表面上は揺るぎなき習慣を構築した自分の生活では毎週土曜のVeloceからの帰りにスーパーに寄って1週間分の食糧を買い込むのですが、食事メニューとして土日の夕食だけは最近まで定まっていなくて、スーパーではいつも肉売り場と魚売り場と惣菜売り場を行ったり来たりして思い悩んでいたのですが(食べたいかどうかで言えば惣菜はどれも魅力的に見えるのですが、味が想像できて後味まで想像した時に「なるほど」と思ってしまうともう食べた気になってしまう、というのが「思い悩み」の内容で、つまり売り場で立っているだけで既に脳内膨満感に悩まされているのです。しかし後味をしっかり想像しちゃうと揚げ物は手に取れませんね、ほんとうに)、それまで時々買っていた春巻(具材を皮で巻いた状態で売ってあるもの)に「チーズポテト味」というのがあって、春巻は皮が油をやたら吸い込むので脂っこいことこの上ないんですが、ある時このチーズポテト春巻をオリーブオイルで炒めることを思い付き(たぶん中華的な具だと合わなかった気がします)、最初に作っておそるおそる食べた時に美味しくてしかも脂っこくないことに感動し(と書くと少し誇張で、実際は米油で炒めた時と味の差が分からなかったというだけですが…)、土日の夕食のおかずメインがチーズポテト春巻に定着したのがつい先週のことです(この件のツイートを下に貼っておきます)。


で、日曜の昼食がイングリッシュマフィンになる前はパスタを食べていたんですが、パスタを食べなくなって使わなくなっていたオリーブオイルが再び土日の夜に活躍の場を見出されたことから、僕の中でオリーブオイルの存在感が再浮上してきたのでした。

という前段があってやっと写真の話ですが、イングリッシュマフィンはいつも味付けなしでグリルで焼いていたんですが今日ふと「オリーブオイルをつけて焼けば美味しかろう」と思ってやってみたら、想像通り美味しかったです
あまり量は多くなくてよくて、そしてもともとマフィンは具を挟む土台なので本体の味の個性があまりないので、オリーブオイルを少したらすと「オリーブオイル味のマフィン」になるわけですが、つまり言いたいことは上質なオリーブオイルを使えばそれだけ味が引き立つということです。


ところでオリーブオイルは粘性が水に比べれば高くて、瓶から少しだけたらすというのがなかなか難しくて(ぎりぎりを狙うと瓶の口から瓶の外面にたれてしまいます)、今までこういう状況に陥ったことがなくて「うーん、なにかよい方法はないかしら」と考えてみたんですが、さすが「余裕しかない日曜の昼下がり」の効用というべきか、「そうだ、あれがあるじゃない!」とすぐ思いつきました。

その「あれ」というのが実は上の写真の上方に写っている小瓶なんですが、ご存知の方は馴染みのある、そう、昨年解禁された例のアレですよ。

…と引っ張ってもしょうがないですが、シダトレン(花粉症の舌下治療薬)の治療初期の滴下用の瓶です。
たぶん化粧品とかで似たようなのがあると思いますが、僕は去年の10月に治療を初めてこの瓶を医者からもらったんですが、「なんか使えそうだな」と思ってとっておいたのでした。
ただ何に使うかは見当がつかなくて、普段目につかない所においてある「(小さな)燃えないゴミ」を入れるアルミトレーに放り込んでいたのですが、それが約半年後に日の目を見たことになります。


思えば母方の祖母が紙袋やらポリ容器やらをなんでもとっておく人で、僕は小さい頃からその祖母に懐いていたので祖母の遺志を受け継いだわけですが(小学校低学年の頃は地面に落ちているものを抵抗なく何でもかんでも拾ったり、粗大ゴミ置き場を見つけると嬉々として宝探しを始めたりしていたので親からは「拾い乞食」と呼ばれていました)、学生時に内田樹氏のレヴィ=ストロース論を読んでからはこの癖に後ろめたさもなくなって「自分にはブリコルール(器用人)の素地がある」と思っています


というわけで「もし結婚して生まれた子どもが女の子だったら鰤子(ぶりこ)と名付けよう」と唐突に閃いたんですが、奥さんに本気でそんなこと言ったら非難轟々でしょうか。
「四季か鰤子か」と真顔で迫ったら、娘を連れて実家に帰っちゃうかもしれないですね。
(奥さんが森博嗣を読んでなかったら「まあ、四季なんて可愛いわね、いいんじゃないかしら」とか言いかねませんが)

冗談ですが(どこまで?)。

 × × ×

最初の引用の最後に引いた下線のことを忘れてました。

あとがきの最後にハルキ氏がこう書いているのを読んで「うずまき猫とはなんだろう?」と思ったんですが、このエッセイには猫の写真がたくさん載っていて、もし「うずまき猫」がメタファーでなく実在の動物としての猫を指すとしたら、ハルキ氏が学生時代にアパートで飼っていたピーターの「茶色の虎猫で、長毛がかって頬がふわふわしたもみ上げみたいな感じになっていて、なかなか可愛かった(p.234)」という描写を念頭におけば、「うずまき」が示す対象は一つでしかあり得ない。

 それは「旋毛(つむじ)」だ!

……。

まあ、見つかりませんでしたけどね。


ちなみに『恋に鳴る』(山名沢湖)の短編「じーっ」には、つむじを3つ持つ驚異的な高校生・羽山くんが登場します。そして本の表紙絵(↓)は、その羽山くんの背中をひたむきに見つめる臼井さん。羽山くんの友人・高岡はある時その臼井さんの熱い視線に気付いてしまい──?

恋に鳴る 1 (まんがタイムコミックス)

恋に鳴る 1 (まんがタイムコミックス)

なんかタイトル、「三すくみ」みたいですね。
現象的にもそっくり!

いや、つまり、
三すくみは「蛇vsナメクジvs蛙」なんですが、
三つむじは「つむじvsつむじvsつむじ」だという…。


ところで、髪質が変わるとつむじが消えたりすることってあるんですかね?
僕の髪は今現在、かたやきそばとか鳥の巣とか散々言われ放題の天然パーマですが、
幼少時は「さらっさらのストレート」だったらしいです。

シンジラレナイ…!