human in book bouquet

読書を通じて「身体へ向かう思考」を展開していきます。

望めば、叶っている。

何か現状にままならないことがあって、
こうなればいいのに、
あんなものなくなればいいのに、
などと思うとする。

その状況があって、
その状況に対する思いがあって、
けれどほんとうは、
「現状」にはその状況に対する思いも含まれている。


つまり、望むべき未来の状態があって、
それを望む今は、
現に今の自分がそれを望んでいることを含めて、
「望ましい現状」だということ

このことを、よく忘れる。


このことを最初に明言してくれたのは森博嗣のエッセイで、
それは本と僕がそういう出会い方をしたからなわけだけれど、
それからは時々、直接そのことを言われなくても連想するようになった。
たとえば今日『人間関係』(加藤秀俊)を読み終えた時に思い出した。

たぶん「人」について考えると、そこに思考が吸い寄せられるのだと思う。


そしていつも戒める。
「それはゴールでありスタートなのだ」と。
螺旋階段をするすると進む。
上りか下りかは分からない。

周期的に弧を描く空間が、三次元とも限らないのだから。