human in book bouquet

読書を通じて「身体へ向かう思考」を展開していきます。

壺庭のこと

寮の近所の大学構内を、散歩がてらよく通ります。
農業大学だからか緑が溢れており、車の音も遠くになるのでお気に入りのコースです。
構内には庭園があって、遊歩道と人工の小川が整備されていて、観賞用に加えて食用もあるのか色とりどりの花が植えられています。
遊歩道には一辺が30cm弱のタイルが敷き詰められているのですが、道の中央部のタイルが所々で抜いてあり、そのタイルのない空間には土があるので雑草が生えています。
その雑草の植生(植物相)が空間ごとに違っていることに今日気付き(毎週土曜に同じ所をもう3年くらい歩いるので存在自体は知っていたはずですが)、路上観察学会が分類したトマソンの一つ「壺庭」を連想しました。
路上観察学入門』(赤瀬川原平藤森照信南伸坊編)を読んだのは何年も前ですが、最近になって『東京路上観察記』(赤瀬川原平尾辻克彦)を読み始めたからでしょう。
「壺庭」というのは…検索したら路上観察家(?)の方のHPを見つけたので以下にリンクを張ります。

トマソンとは | 変貌する経済システムと社会生活

トマソンは人工物やそれが改修されたり風化したものなのですが、作った人の意図や人工物の本来の機能とは全く別のところで芸術性が発揮されているところに特徴があります。
アスファルトに穴が開いてできた「壺庭」は、アスファルトの破損や風化に加えて、土や種がその穴に運ばれて雨が降ったりしてできるわけで、人工が一部絡んだ自然の摂理に因っているわけです。
それとは違い、庭園のタイルのない空間の叢は遊歩道の設計者が意図したものなのでこれはトマソンではありません。

まあそれは「そういう連想」だったということなのですが、最初に思ったのは、その「小空間叢」がけっこう数があった(10個以上)ので、一つひとつを写真に撮って並べると面白そうだということでした。
というわけで、来週覚えていたらデジカメを携帯して撮ってこようと思います。