human in book bouquet

読書を通じて「身体へ向かう思考」を展開していきます。

「車のない島」のこと

「旅行」タグを久しぶりに使ってみました。
が、これは「行ったよー」ではなく「行きたいな」の記事です。
忘れないように(忘れてもいいように)、備忘録ですね。
備忘録、というのも忘れることが前提の言葉な気がします。

まえおき

毎年恒例のことなのですが、本日縮毛矯正をあててきました。
半年伸ばす→矯正あてる→さらに伸ばす→バッサリ切る→半年…というサイクルです。
元高の級友かつ大学サークル仲間のストパー熟練者たっぴー君の解説によると、
「ジスルフィド結合を切ってつなぎ直す」らしいです(10年前の話をなぜか覚えてる)。

それをやるとくしゃくしゃの天パがストレートになるというまあ魔法的施術ですね。
学部1回生時に学科の友人に勧められて以来開眼し、毎年やることになりました。
「まっすぐは正義だ」と周りには冗談を言っていますが、これは正しく冗談です。
普段お金のムダ遣いをしないので、せめてもの散財、ということかもしれません。

それで神奈川に来てからも散歩のついでに店を探し、いくつかあたりました。
今日はまた違うところに行きましたが、神奈川では3軒目、かな?
年1回なので普段歩くうちに何軒も見つけて、気分次第で行き先が変わるわけです。
年1回では「行きつけの店」にもならないし。

今日行ったお店は今までで一番居心地が良かったです。
店長らしき男の人が担当してくれたのですが、最初の応対で性質を察知したらしく、
施術の間は必要な会話以外はほぼ無言で対応してくれました。
僕は髪の毛が変質させられるのを見ているだけで十分楽しいのです。

ほんだい

縮毛矯正は髪に薬液を馴染ませる時間が長いので、待っている間は雑誌を読みます。
鏡のそばのミニテーブルにおかれる雑誌は、大体いつも僕には縁遠い種類のものです。
ファッション、スポーツ、車、食事(これはそこそこ関心はありますが)などなど。
それが今日は旅行もの(『男の隠れ家』だったかな…)があったので手に取りました。

日本の島の特集記事があり、ひとしきりの旅情報に加えて島の街も紹介されていました。
島の位置や大きさや人口などの数を見つつ、写真を眺めてインプットしていました。
色々な風景のイメージは小説を読んでいる間の想像を豊かにします。
今日はひとつその逆があって、風景写真から小説の一場面を連想したものがありました。

いくつかの島をみていき、ページをめくると「湖に浮かぶ有人の島」と目に入る。
淡水での漁業、世界唯一の云々とあり、この島は琵琶湖の沖島というらしい。
興味が湧き、文章を最初から読むと「島には車がない」と書いてある。
車(のそばを歩くの)が嫌いな僕は素直に「いいなぁ…」と思いました。

車がないのなら車道もいらず、アスファルトも敷かれてないのではないか。
島の地面に直に触れて、気持ち良く歩ける所なのではないか。
(などと想像を膨らませるのが楽しいので、検索して調べようとは思いません)
何か機会があれば行ってみたいな、と思いました。

その記事を読んだ後、髪につけた薬液を洗って落としてもらっている間、
洗面台に溜めたお湯が耳のそばで波打つ音に聴き入っていました。

船着き場に繫がれた小舟が波に揺られているようでした。

ちなみに

今回は矯正をあてる時期が遅れたため、あてた瞬間はすごい長さでした。
もちろん社会に合わせて切りましたが、切る前は前髪は鼻の下まで伸びていました。
切る前の頭を眺めて、真っ先に落合恵子を連想しました。
朝日新聞で「積極的その日暮らし」を連載していた時の髪型です(今は知りません)。

この連載のタイトルは素敵ですね。「計画的無計画」と通ずるところがあります。