千ちゃんの先チャン本紹介、という趣向です。
(そういえば俺をそう呼ぶ人はもう近くにはいないなあ、とか…)
最近はスパゲティ本に『フフフの歩』(先崎学)を読んでいます。
棋士の日常を綴ったエッセイなんですが、面白いです。
着物で懐手でいつも眉間に皺な人というのが棋士のイメージだったんですが、
濃密な空間にいる人々はやっぱり濃ゆいというか、ちゃぶ台返しですね(?)。
先崎氏は『3月のライオン』(羽海野チカ)の盤面監修をされているらしい。
マンガの中には氏の用語解説コラムもあって、「へー」と思っていた。
そしてマンガを読み始めてしばらくして、ブックオフの棚に氏の本を見つけたのだ。
「いい因縁だ」とその時思ったんですが、同時に「それだけだろうか?」とも。
読み始めて最初の方に「作家の保坂和志氏と〜の受賞会場で会って…」とあり、
そういえば保坂氏のエッセイに先崎氏の名前が出ていたのだと思い出した。
(『言葉の外へ』か『アウトブリード』のどちらか。時期的に後者かな…)
単に知り合いだったか、『羽生』の執筆のために取材をしたのだったか。
それで、そういえば羽生善治氏の新書を買い込んだのは保坂エッセイの影響で、
もしかして『3月のライオン』を読み始めたのも同じ影響かもしれないと思った。
羽海野マンガは『ハチクロ』の竹本君に憧れチャリ旅敢行という浅からぬ因縁もある。
因縁の輪は解けないチエノワの如く複雑なのだなと改めて思った次第。フフフのフ。
本題ですが、この先崎エッセイは『ライオン』との併読をゼヒにオススメします。
読んでいて自然と互いが参照され、リンクされると言えばいいのか、
「将棋会館でのドラマ」が二方面から照らされて、不思議なリアリティが生まれます。
エッセイはお笑い系なのですが、何度か『ライオン』を読んだ時と同じ涙を見ました。
とはいえエッセイはお笑い系で、本書は酒と麻雀とカジノ(と将棋)の日々から成る。
表紙絵でも氏は右手に雀牌、左手にグラスで「フフフ」と不気味に笑っている。
グラスからして中身は焼酎のようだが、氏の前に置かれた瓶は醤油にしか見えない。
まあ「将棋指し」と「醤油差し」は一字しか違わないから、そういうことなのだろう。
ちなみに『ライオン』は3巻まで読みましたが、島田八段が大好きです。
- 作者: 先崎学
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2001/04
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- 作者: 羽海野チカ
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