human in book bouquet

読書を通じて「身体へ向かう思考」を展開していきます。

最近のアボカド捜索料理

相変わらずアボカドが安いので(メキシコ産。円安のせい?)、 週2くらいでアボカドサラダを食べています。スーパーで買う野菜は、食べたいものではなく安いものを買うので、 いつも使う、使い勝手の良い野菜の値段が高いと時々へんなのを選んだり、 かとい…

多義語滾りて御座候

再び、沼りました。 「無人島に一冊」はもうこの本で。 と、まだ読中(でももう終盤)の今なら思える。「読中の今なら」というのは、 思考が滾(たぎ)るのは橋本治の本を読む間が最高潮であって、 自慢でもなく単純に経験則として言えるのですが、 こんな文章…

「もののあはれ」とは喜怒哀楽が等価であること

相変わらず、家での読書は『小林秀雄の恵み』(橋本治)の「沼」に嵌ってます。今回はスタートが遅すぎる(本記事を書き始めた今はもう寝る時間)ので、 とにかくシンプルに思いついたことを書き殴り、たい。 (でも一つひとつ展開してったらかるく1万字は…

「科学的合理性が外部環境となる未来」のためのABC

内容的には前記事の続きです。夕食の前の3時間ほどで前記事を書き上げ、 いつもは読書しながらの夕食を何も読まず音楽だけで食べて、 その間に書いた内容を反芻していたらまたいくつか思いつきがありました。 僕にとっては内田樹が、自分の読書世界を広げて…

近世→近代→現代(今)→現世(未来)

オフィスの鎖書在庫棚が何度目かであふれてきたので、 棚の増設ではなく古い在庫を段ボールにしまうという作業を先日始めました。そのうち、「出品したけど読み直したい本」が一つあるのを見つけて、 というのは棚にはその本のかわりに同サイズの木材を立て…

「井桁崩し」のクライミングへの応用

まえおき 今住んでいるアパートの部屋にはロフトがあって、 ロフトに上がるハシゴをバーにひっかけて登りますが、 そのバーが手を伸ばせばぎりぎり届く距離にあって、 ちょっと体を伸ばしたい時に日常的に掴むことがあります。この部屋には二、三年は住んで…

出来立て過ぎるフルーツサンド

料理投稿が続きます。 またしてもアボカド。 記事タイトルと写真とで、 言わんとすることは伝わると思います。ちなみに「できたて過ぎる〜」は(今風の)通称で、 料理の正式名はちょっと長いですが、「イゴだけどイゼン、なのでナカとってイチュウのフルー…

今、日々在りて

ここ最近、併読書のなかで、長々と読み続けてきた本の読了がいくつかありました。『意識と本質』(井筒俊彦)、『存在なき神』(ジャン=リュック・マリオン)と、それから先ほど読み終えたのがイヴァン・イリイチの『脱病院化社会』。それぞれ、最終頁を閉…

アボカドとトマトのサラダ

コロナが流行って外食はほとんどしなくなったのですが、 それでも唯一行っているお店で知ったアボカドとトマトのサラダが、 シンプルなわりに美味しくて自分でも作れそうだと思って、 何度かつくるうちにアレンジするようになりました。画像は最近のそのバリ…

「ゲシュタルトクライミング」 〜アフォーダンスがクライミングを進化させる〜

最近造語ばかりしてますね。 まあ、それが文章を書きながら考えてみようという動機の発端になってはいます。 × × ×先日出品したセットの作成過程で、佐々木正人氏の本を少し読み直しました。3tana.thebase.in前に読んだのは学生の頃なので10年以上前で、 そ…

サブリミナルチャージについて

草履で歩きながら思いついたこと。 × × ×「足指健康ぞうり」という、指がひっかかる突起(スペーサー)が土台についた草履をここ二年ほどずっと履いてきたんですが、数ヶ月前か半年か前に買った2足目の足裏の減りが激しくて(歩き過ぎもあり、歩き方の変化も…

生きた言葉と公案(まえおき)

「公安」ではなく「公案」です。『無心ということ』(鈴木大拙)をルカラガーム(月パスで通っている京都のジム)で読んでいる時に、 「活句と死句」という表現を見つけ、 この「活句」こそが僕がブログで何度も考えてきた「生きた言葉」のことだと思い、 嬉…

着脱式鰓呼吸器の詩

最近、仏教や禅の本を並行していくつか読んでいて、 おそらくそのせいで文章があまり書けません。何度か動機が湧いて書き始めたことがあって、 でもだんだんと内容が書きたいことからずれていって、 それ自体はいつものことですが、 その収拾のつかなさを放…

香辛寮の人々 2-11 微々と縷々

前記事からの続きです。 いや、インタールードかな。 久しぶりに、フェンネル氏登場。 対するは、直接は初登場のアニス嬢。 × × ×香辛寮「G&S&B(ジーエスビー)」のリビングにて。 テーブルには一組のコーヒーと、各々その傍らに男女。時は夕暮れ。 建物は…

「鎖書」概念考その1 ~ 心理療法との共通点

ここひと月ほどブログを更新していませんでした。 別の場所で文章を書いていて、そちらの方で「文章を書く意欲」が満足されていたようでした。 それはいいのですが、まあ、たまにはこちらでも。司書の仕事の話を書きます(もちろん「考えながら」)。 オンラ…

「現実が意識を規定する」とはどういうことか

一例を挙げると、夕方に古本屋に行こうかと思い立ち、 近くのスーパーにも寄れるなと思い、外出する準備をしていて、 リュックとポーチのどちらを持つか、 という判断において、欲しい本がどれだけあるか、 夕食のためやその他買いたいもの、 を行く前から想…

続・透明感について

コトバは、元来、意味的側面においては、存在分節をその第一義的機能とするものであって、この点だけは分節(I)でも分節(II)でも変らない。しかし、既に詳しく述べたように、分節(I)は有「本質」的分節。ここでは、分節とはいろいろ違う事物を「本質」…

マクラナマクラマクナマラ

ニュークリア・エイジ (文春文庫)作者:ティム オブライエン発売日: 1994/05/10メディア: 文庫 (22)ロバート・マクナマラ──Robert McNamara ケネディ=ジョンソン政権におけるエリート高級官僚、いわゆる「ベスト・アンド・ブライテスト(アメリカ最高・最良…

モジュール化と「無知の無知」(後)

前回の続きです。 残りは結論だけ。cheechoff.hatenadiary.jpルーマンの引用箇所を何度も読み返しながら考えたのは、 社会進化における機能的分化(つまり専門分化)=モジュール化ということでした。つまり、専門分野に特化して生計を立てる専門家とは、 車…

モジュール化と「無知の無知」(前)

進化は、同時に他のシステムにとっての環境世界でもあるような変動するシステムによって、他のシステムに適合あるいは拒否を強いながら、展開していくのである。このことは変化する環境世界の内側における、変動する構造と変動せずに維持される構造というこ…

21日目:岩不動の「役者住職」 2017.3.21

仏坂不動尊→宿(一福旅館) 16km (1)チャリおじさん 「なずな」を出て近くの海沿いを少し離れた〇〇〇〇[判読不能]の前で杖を2本チャリにのせたおじいさんと話をする。「チャンバラ貝」が須崎の珍味だとか(今日街で聞くの忘れた…)。 海というか、湾が見渡…

「不安がもはやタブーとならず、公共の問題となった」

価値の領域で、時間地平の「状況の定義」への還元が、包括的な価値変化として観察されたもの──ある部分では、非常に誤解を引き起こしやすい「ポスト唯物論者」というような用語──と一致する。(…)とりわけ、他者あるいはすべてのひとに対する怖れや関心とい…

(SRSその2)境界の盾、浸透の矛

2 自己言及システムには、その基礎的作動に応じて異なるいくつかの類型がある。それは生命(…)、意識、コミュニケーションでありうる。そのような作動を混ぜ合わせることは不可能である。なぜならば、諸作動は閉じたシステムを仮定しているからである。(……

「シミルボン」アカウント作りました。

この一つ前の記事を書評ということにして「本が好き」に投稿し、ようやく100冊目となりました。 前↓に言ってから半月近く経ってしまいました。書評サイトのこと - human in book bouquetなにはともあれ有言実行、 さっそく引越し先の書評サイト「シミルボン…

脳化社会の「もう一つの側面」/ローファイ絶望社会論

『未来を失った社会』(マンフレート・ヴェールケ)を読了しました。原著は96年初版で、統計データなどは古いのですが、語りがいい。 「絶望の舌鋒を振るう社会学者」とのことですが、楽観はもちろんないが、悲観とも違う。 ラジオの天気予報のように淡々と…

googleはググれない

エントロピーの最果ては、ただ一つ。 思考とは、その過程のシントロピー。 エコロジーの問題は、現代文明の自動破壊的傾向と道徳の欠如がことのほかはっきり現れる領域の一つである。それは、言語統制とか抑圧、なだめすかし、居直り、テクノクラシー的対処…

問うて落ち、語りて落ちて、(SRSその1)

論理を整理したいというわけではないのですが… こんにち個人主義を再構築することは、主体なるものの再肯定を意味するものではありえない。われわれは主体に、そのふさわしい継承者、この諸問題に関し、また現代社会の社会構造との関連においても適切な継承…

「我輩は官僚である。名前はもうない」

『未来を失った社会』(マンフレート・ヴェールケ)という本を読んでいます。「社会もいずれは必ず人の一生と同じ経過をたどる」という標語を掲げ、 無秩序の増大であるエントロピー現象が社会のあらゆる領域で起こる様を、 歴史事件や統計データを並べたり…

青豆とピーナッツ

『遠い太鼓』(村上春樹)をひさしぶりに再読し始めました。 一度目に読んだ時に書き込みがあって、初読は9年前だったようです。 つい最近オフィスで選書中にふと連想したのがきっかけなのですが、 他のきっかけが多すぎて、家にいるとそれが具体的に何だっ…

救済思想と生産主義、なし崩シズムとAI化する人間

預言書からキリスト教に至る宗教は、未来へ未来へと向かう精神、現在生きていることの「意味」を、未来にある「目的」の内に求めるという精神において、この近代へ向かう局面を主導してきた。 (…) ことにダニエル書は、シリア王アンティオコス・エピファネ…