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お遍路天狗の京都修行日記

ただいま一本歯で四国遍路中。

『家守綺譚』、いまさら反抗期、いやはや花粉症

小島信夫集成シリーズは『墓碑銘・女流・大学生諸君!』を読んでいたところだったんですが、先の一本歯実践編2日とその後の遍路準備的なあれこれがあって間があき、今日4、5日ぶりくらいに続きを読んで「墓碑銘」を読了すると、小島信夫熱が冷めました。…

自分の芝で

ちょっと正気に戻りました。「考えたくないこと」と昨日書いて気にかかっていました。 主観的に言えばそれで間違いはないんですが、ちょっと離れて見ればそれは「考えを強いられること」です。 強いられる、という言葉は強いですが、何事も縁として見る自分…

落ち着いて考える

体調を崩した時に考え込むと後ろ向きになるので、回復するまでは込み入ったことは考えない、という経験則があります。 一方でその「後ろ向きの思考」は、体調が万全で目の前だけを見て好きなことをやっている状態(もちろんこれは一つの幸福な状態)よりも冷…

「静的想像力」の涵養について

まえおき 昔、テレビで「炎のチャレンジャー」という番組があった。たしかウッチャンナンチャンが司会で、番組が設定した課題をクリアして100万円を手に入れるための参加者の奮闘を眺めるという番組。 その課題の内容が、「電流イライラ棒」(一本道の迷路み…

「一人寺子屋」で自分を知ってゆく

大切にしたいものは何??鶴見俊輔と中学生たち (みんなで考えよう)作者: 鶴見俊輔,南伸坊出版社/メーカー: 晶文社発売日: 2001/12/01メディア: 単行本 クリック: 2回この商品を含むブログ (2件) を見るcheechoff.exblog.jp今日1冊の本を読んで、触発されたこ…

『プラグマティズム』再読(1)

プラグマティズムはあらゆる学説の角ばったところを取り除き、それをしなやかなものに矯め直して、それぞれの学説を互いに円滑に働かせようとする。本質的に新しいものではないのであるから、それは古来のあまたの哲学的傾向とよく調和する。例えば、つねに…

昇華班活動事例研究

今日の本題です。前段やら話のつながりを意識し過ぎると書きたいことにたどり着けなさそうなので、 飛躍御免(お、いい言葉だ)でさらさら書いていこうと思います。 × × ×橋本治氏は「活字の鉄人」と言われるくらいすごいのですが、 それは著書の多岐にわた…

有用性、肯定性を「ずらす」ために

有用性で人をとらえることを断固として否定し、有用性を人の心に介入させない仕組み、相殺する世界観が心の更新のために必要なのだ。意味があるから生きているのではない。そこに戻るときに、人の心に更新される力が生まれる。心の更新 - 降りていくブログ昨…

「受け身派」擁護論

日曜午後は、先週から『私家版 日本語文法』(井上ひさし)を読んでいます。 初版が昭和56年(1981年)で、1つ前の『狩人日記』(安野光雅)に続いて古い本です。 では、文法の授業を暗記力の鍛錬時間にしないためにどんな方法があるだろうか。たとえば、「…

原爆・原発としての核、思想モデルとしての荒巻素子

三連休だったので、「籠り日」(「木漏れ日」と似てますが、えらい違いですね)の日曜を挟んで今日もVeloceへ行き、 『ヒロシマ、ナガサキ、フクシマ 原子力を受け入れた日本』(田口ランディ)を読了しました。ランディ氏は本当にすごい人だと思います。 本…

教訓の主体的生成機能について

前にも「教訓」というテーマでがっしりとした話を書いた記憶がありますが(これ↓かな?)、 その前回とはおそらく違う結論が導かれるはずです。 cheechoff.hatenadiary.jp × × × 「あんな本を手にとって読む人がいたなんてなあ、信じられないよな」と詩人[…

「類似性と差異」の可能性、「閃きエネルギ」減衰の法則

具体的な経験の可能性を広げる、 たとえば連想を形成する繋ぎ目の種類を増やすような、 そういう抽象的思考には躍動感があります。 多くの経験は意識に上っているが、その周囲を莫大な無数の経験が囲んでいる。そしてこの宇宙[ジェイムズの言葉できう「談話…

一を知ること、集団について

小林 子供が一というのを知るのはいつとかを書いておられましたね。 岡 自然数の一を知るのは大体生後十八ヵ月と言ってよいと思います。それまで無意味に笑っていたのが、それを境にしてにこにこ笑うようになる。つまり肉体の振動ではなくなるのですね。そう…

「専門家」について(前)

というわけで、今日もVeloceで本を読んでおりました。 そんなそんな 先の土曜から読み始めた『人間の建設』(小林秀雄・岡潔)です。 そんなに厚くない文庫本で、一日で読了できると思いきや、そんなそんな。背表紙の紹介文が「有り体にいえば雑談である。」…

すべてが懺悔Fにならない

なみだがでたはなし 明日は友人の結婚式でした。何のぬかりもありませんでした。 習慣を重んじる僕は日曜に予定が入った場合もいつも通りの週末となるよう、 次の月曜の有休を、1週間前から申請していました。 (いつもは休む2日前に申請する習慣からすれ…

日本人における自然について

前の記事↓と繋がっている話ではあります。 cheechoff.hatenadiary.jpVeloceで読みながらメモしたことに、ちょっと加えて載せました。 筋を追って書けないのは力量不足です。+*+*+*日本人の造園術について。 自然を人工的に秩序立たしめるためには、自…

どちらへも向かうこと

最近思考がまとまりません。 難しいことを考えているというよりは、 あるトピックをあちこちに繋がり過ぎていて、 面白かろうそれらのどの部分かを言葉にしようと思うと、 収拾がつかなくなることが明らかで「やんぺ」となってしまいます。インプットの時期…

体癖論事始

ながいまえおき*1 人によって、どんなふうに体を動かすか、使い方には違いがある。それに応じて、日常的にどんな姿勢をとっているか、重心がどうなっているかも違う。そのことを精密に観察することをつうじて、外部から内部を見ることができる。 こうして、…

必然の必然性について

必然についてよく考えていました。いや、今も考えていますが、 つい最近そのことについて別の側面が見えたので、 ちょっとメモしておきます。+*+*+*必然が見えにくくなった、 あるいは確証が持てなくなったのは、 情報が手軽に大量に、かつ否応なく入…

「得をしない」≠「損をする」

「つぶやきなまし」祭です。このタグ名は「つぶやき」+「焼き鈍し」の造語なんですが、 なぜこんな名前にしたのか思い出せません。 語呂の良さにいい気になってロクに考えてなかった気も…まあいいか。「得になることをしなかった」ことと「損をした」ことは…

身体不離、臨終図巻、カラス・スナイプ

明日から雨ということで、今日はお休みを取りました。 というテキトーな理由付けでもしないと取り忘れてしまうのです。 それほど忙しいわけではないのですが、週休2日で生活リズムを作っているとそれを崩すのにエネルギィがいるのです(祝日は不可抗力なの…

「高一追想シリーズ」4冊目

先々週と先週はイレギュラでリュウ氏の新書を読みましたが、 今日から「高一追想シリーズ」最終の第4弾、『人と接するのがつらい - 人間関係の自我心理学』(根本橘夫)を読み始めました。 この4冊を今回読む順番はランダムにした(目を瞑って本棚から手に…

経済だけじゃない、『日本経済に関する7年間の疑問』(村上龍)

『日本経済に関する7年間の疑問』(村上龍)を読了しました。本書は新書なんですが、村上龍が新書を出してるんだと興味をそそられて手に取りました。 経済の本を買ったのは久しぶりで、今の僕は学問としての経済に興味はないのですが(院生時にスティグリッ…

「どちらの生き方を選ぶか」?

その結果、抑ウツ傾向のないふつうの人は七五パーセントも当たると当てた(傍点)と思い、何の根拠もないのに、状況をコントロールしていると思うのです。しかし、抑ウツ傾向の人はそうではありませんでした。たとえ七五パーセント当たっても、状況をコントロ…

観察主義者の素地について

『人間関係』(加藤秀俊)を今日から読み始めました。この本は前に書きましたが、高一の時に一度読んだ本です。 当時の出来事や考え方を思い出すかなと思っていましたが、文章としては「読んだことがある」と思わせる箇所は全くなく、グリーンの蛍光ペンで几…

「春日本」とのシンクロについて

純粋な情報量から言えば、ぼく以上にぼくについての多くを語ることのできる人間は、この世界のどこにもいない。しかしぼくが自分自身について語るとき、そこで語られるぼくは必然的に、語り手としてのぼくによって──その価値観や、感覚の尺度や、観察者とし…

「内側から補正するような何か」について

『経済成長という病』(平川克美)を読了しました。本書の全体について何か言えるほど考えはまとまっていません。 簡単な感想としては、こういうおじさん達の話をもっと聞いた方がいいな、と思いました。 個々の部分で思考を触発され、読中に書き込んだ所が…

軽井沢ワイルドカード

先週後半から会社の研修で軽井沢へ行っていました。「軽井沢」とだけ聞くと優雅ですが、一応お仕事です。 6年目になった同期と一緒にグループ討議やご飯や懇親会などなど。 部屋割りで鼾が凄い人と当って二晩とも眠れなかった以外は無難に過ぎました。 睡眠…

「自然」を書くこと

養老 (…)中学生の時にいじめられた記憶を二十五歳になって書いたという『十四歳の私が書いた遺書』という本を読んだんです。そこで気がついたのは、その本の中には、花鳥風月が一つも出てこないんです。桜が咲いた、台風が来た、雪が降ったといったことは…

橋本治の本とロマサガ3のこと

「平日和書」として『退屈な迷宮』(関川夏央)をおととい読了しました。 1月末に読み始め、2週間に5日のペースで読んで、意外に時間がかかりました。 読む前の印象と違って資料的な書物で、内容は南北朝鮮のルポや歴史の解説など。 日本が北朝鮮をもては…

「待ち方」について(後)

前回↓の続きです。「待ち方」について(前) - ユルい井戸コアラ鳩詣cheechoff.hatenadiary.jp自分のことを書こうと思ったのですが、それはやめることにしました。 ちょうど今日の昼休みに読んだ小田嶋氏の記事↓のことがあります。 僕の部屋は世間から隔絶さ…

「変化を映す鏡」について

彼女は一種不思議なさびしさを感じた。それは財産を惜しむ心でもなく、また財産が与えるものを惜しむ心でもなかった。理由は、彼女が、これまでの生活にあって、ジャックほども、無駄な剰余というものは知らずに暮してきたのだから。ただ彼女は今、自分の新…

情報化と身の丈について

だからこそ、価値や規範というものが失われ、やみくもなブランドへの追従が流布する状況が生じてきているのだろう。そしてその背景に、ケータイの普及に代表される社会のIT化の影響が潜んでいるのだとすれば、すなわち社会の高度情報化は私たちが自分が社…

倫理的行為の選択について

個人とは簒奪者でなくて何であろう。意識=良心の到来とは──霊の最初の火花とは──私の傍に累々と横たわる屍骸の発見と、殺すことによって存在する自分への恐怖心でなくて何であろう。(…) 殺害者になることなく存在すること。この責任を回避し、私が責任を…

「頭隠してシリカゲル」のこと

これは言葉にしておかないと、という出来事がありました。毎週BookOffで1冊以上は本かマンガを買っています。 最近店のカウンタでポイントカードの作成を勧められるようになりました。 「オレンジのBookOffポイントカードを作られますか?」と聞かれるわけで…

「村上春樹的測量術」のこと(後)

続きです。 「村上春樹的測量術」のこと(前) - ユルい井戸コアラ鳩詣 前回は話がごちゃっとしていて、しかしこれはまとまりそうにありません。 たぶん、僕が日々念頭にあることをこの測量術とやらに詰め込もうとしている。 それはもちろん無茶な話で、単に…

「村上春樹的測量術」のこと(前)

先週の続きです。 「測量術」のこと - ユルい井戸コアラ鳩詣 結果的に有言実行となりました。 今日いつも通りBookOff→日高屋→Veloceのあと、本屋に寄りました。 念頭にあったのは「測量術」という言葉だけで、それを頭の中で転がすうち、 「現代的な測量術を…

現状維持から変化へ(4)完〜そして日常へ

前回↓の続きです。ひとまず区切りにしたいです。現状維持から変化へ(3)〜変質するナチュラルについて - ユルい井戸コアラ鳩詣そもそもなんでこんな話を考え始めたかを振り返ると、 『明日は昨日の風が吹く』(橋本治)を読んで何か書きたいと思ったのでした…

現状維持から変化へ(3)〜変質するナチュラルについて

前回↓の続きです。"現状維持"から"変化"へ(2)〜思考と身の丈について - ユルい井戸コアラ鳩詣 医療には正常か異常かという観点だけで、全体を水に個別的な課題に努力を傾注するという一面があります。でも倫理は、病気は避けるべきとか、難病を持つことが…

"現状維持"から"変化"へ(2)〜思考と身の丈について

前回↓の続きです。現状認識から行動へ(1)〜必要と不安について - ユルい井戸コアラ鳩詣タイトルを微妙に変えましたが、言いたかったのはこちらでした。 まず「行動」の方ですが、これは生活を変えるとか、体を動かすとかいう話ではない。 結果としてそれらに…

"身近"な著者と「ままごと」のこと

文章には、様々な階層において意味があります。辞書的意味を組み合わせた「一般的な意味」に加えて。 その文章はいつ、誰が書いたのか? その文章は、書かれたのか、話されたのか? その文章は、母国語か、外国語の翻訳か?それらの情報によって、同じ文章に…

象徴的暴力のフラクタル性について

昨日の意欲が別の所にいきそうですが、読んで、考えてしまったので書きます。 象徴的暴力は、赤裸々な暴力が不可能である時に暴力がとる穏やかで隠然たる形式であるが、そうだとすれば、婉曲化の労苦をお払い箱にしてメカニズムの発展が要求する「魔術から解…

現状認識から行動へ(1)〜必要と不安について

…最初は「必要」について考える記事のはずでした。何度も書くと言いながら投稿するのをためらっていたテーマです。 僕自身関心がとても高いテーマなのですが、考えを進めるうちに、 進んでいたはずがいつの間にか立ち止まり、後ろ向きに縮こまってしまう。 …

「ついで症」の戦略について

やる気が出ないことでも、それが何かの「ついで」だと途端に足が軽くなる。やった方がいいことでもやらなくちゃいけないことでも、同じ傾向が見られる。 タスクの重要性に限らず、また私的な領域だけでなく仕事上でも時々発揮される。 多少の労力や時間を要…

「二人称の<死>」と支配について

自分の命は自分のものだという感覚は、じつは財産保全という考え方や自由主義や個人主義などと、歴史的に手を携えて成長してきたといっていいと思います。(…) つまり、近代では命や才能や性質といったものが財産と同じく交換財になってしまったということ…

「やがて哀しき境界人」のこと

『やがて哀しき外国語』(村上春樹)を読了しました。 村上春樹の本のあとがきは、いつも「読みごたえ」があります。 本の内容のまとめなのですが、それは要約でなくて「濃縮還元」なのです。 この本のあとがきで、村上春樹も「境界人」だったことに今さら気…

象徴は 小腸巡りて 昇華せむ

(…)理論構築は、贈与交換と、次に言うようなおそらく象徴的労働の全体との本源にある制度的に組織され保証されている誤認の可能性の諸条件を消滅させるのだ。その象徴的労働とは、利益にとらわれない交換という、本気で思い込んでいるフィクションによって…

「僥倖」の連鎖について

(…)そうしたものに、なぜかこころひかれてくれるひとに出会うという僥倖を少しだけ期待しながら、こころのなかの「のみの市」、「おもちゃ箱」、社会的生を生きる”個々人の内なる社会変動”の「スケッチ」「素描」の地図/「曼荼羅」をつくっていく。 薄汚…

「プランBのない"現代"」について

本記事は長いです。これまでで最長で、引用合わせて約4000字。 自民党が参議院選挙で大敗して、安倍晋三が「辞めない」と言い出したら、作詞家の阿久悠さんが死んでしまった。なんだか「じんわりと来るショック」だった。「ああそうか、”現代の日本語”は、一…

統計的思考について

(…)そういうこと[一つ一つの電子がどう動いているかということ]は、何も分る必要がないので、電子の流れ全体のことを知れば、それでテレビも見られるし、電子顕微鏡の写真もとれる。一つ一つの電子の動きは分らなくても、機械の設計もでき、また学問も進…