human in book bouquet

読書を通じて「身体へ向かう思考」を展開していきます。

 -鶴見俊輔

鶴見俊輔の「菌糸眼的思考」

自分が生きてゆくにつれて視野がひらける。そういう遠近法を捨てることはできない。しかし、そういうふうにしてひらけてくる景色には、自分にとって見えない部分がふくまれる。この自分にとって見えない部分を見るというのは、できないことだが、見えないも…

評価、身の丈、個性と抽象

『思想をつむぐ人たち』(鶴見俊輔著、黒川創編、河出文庫)を読了。 これで2回目だったか、3回目だったか。思想をつむぐ人たち ---鶴見俊輔コレクション1 (河出文庫)作者:鶴見 俊輔出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2012/09/05メディア: 文庫 事実は…

限界芸術と「身の丈、ありもの生活」

『特性のない男』の三冊目を今日読み終えました。 どの巻も最後の章はとくに思索に富んでいるのですが、 三冊目終章の以下の箇所を読んでいて、鶴見俊輔氏の「限界芸術(論)」を連想しました。「限界」という単語がそうさせたのでしょうが、 この連想における…

「一人寺子屋」で自分を知ってゆく

大切にしたいものは何??鶴見俊輔と中学生たち (みんなで考えよう)作者: 鶴見俊輔,南伸坊出版社/メーカー: 晶文社発売日: 2001/12/01メディア: 単行本 クリック: 2回この商品を含むブログ (2件) を見るcheechoff.exblog.jp今日1冊の本を読んで、触発されたこ…

「踏みとどまる人びと」のこと

平日の朝食時は内田樹氏のブログを印刷したものを読んでいます。 朝は比較的仕事に近いので、夜に本を読む時とは頭の回り方が異なります。 けれど、仕事に近いだけ、会社の出来事(要素)とリンクしやすい。 のですが、今朝(3/25)読んだ部分は「夜型」の連…

かるたのこと

バビロンのことわざ「目には目を、歯には歯を」 日本のことわざ「目にはウロコを、歯には衣を」— chee-choff (@cheechoff) 2014, 12月 17『読んだ本はどこへいったか』(鶴見俊輔)に、かるたの話が出てきます。 島崎藤村が書いた文に岡本一平の絵をつけた「…

「測量術」のこと

ソローは、本が売れなかったから、人の家でまき割りをしたり、鉛筆を作ったりして生活を支えるのですが、もう一つの収入の道があった。それは測量です。プラグマティズムの哲学者には、測量技法を身につけた人が多い。パースは、光の波長を使う測量術を考え…