human in book bouquet

司書資格を活かせる仕事を探していきます。

 -村上春樹

灯台守の無名性について

灯台守、センチネル、ゲートキーパ。 これも非常に興味のあるテーマです。 鳥検番はペラル山脈にあるシシナン山のふもとに住んでいた。鳥はそのペラル山脈を越えてやってくる。鳥検番は、そういう鳥を動かし、気象を左右する力があると言われ、町の人々から…

道徳の動特性、夢の責任 ─ ある関係の始終についての演繹的思考 (2)

それゆえ、これを認識すれば、もはや道徳の規範を固定した不動の規則とはみなさず、その更新のために働くことを絶えず人間に要求する動的な均衡とみなすようになる。無意識に獲得される反復の傾向を個人の性格のせいにして、その性格に反復の責任を取らせた…

カーヴァー詩集『水と水とが出会うところ』

読了しました。 音読しました。 何度もかけて。 噛み締めるように。お気に入りのタイトルをメモしておきます。 今の僕の感覚に、なぜだかわからないがぴったり合うもの。今だけの出会い。 今だけの記憶。 記憶にはけっしてなり得ない記憶。「パイプ」 「電波…

星野青年と大島さんの対話より

それそのものではなく、 それがもたらしたものごとに目を向ける。 それとともにある時も、 それがそばにはいない時も、 それとの出会いをことほぎながら、 変わり続けるために。 「じゃあひとつ訊きたいんだけどさ、音楽には人を変えてしまう力ってのがある…

一億総「ナカタさん」説

4ヶ月くらい前から再読している『海辺のカフカ』(村上春樹)がまだ読中で、そんな中久しぶりに自分が昔書いた書評もどきを読んでいて閃いたのでその内容をタイトルに込めました。カフカを読みながら「今の僕ってナカタさんみたいだなあ」と思っていたんです…

ふたたび "Keeping Things Whole" について

『犬の人生』(マーク・ストランド)を数年前に単行本で購入して読みましたが、近所の図書館に新書判(「村上春樹 翻訳ライブラリー」)で見つけたので、あらためて借りて読みました。この本でいちばん記憶に残っているのはハルキ氏のあとがきに引用されてい…

無題10

「欲しいものが欲しい、って昔ありましたよね」 「おっ、シゲやんか。古いな。君いくつやっけ?」 「なんですかその運ちゃん仲間みたいな呼び方は」 「ばれたか」 「…それ、物欲が満たされたあとには欲望が独り歩きするってことですよね。そういう状況におい…

一本歯実践編2日目、鼻緒の調整法、弾み車を一定の速度で回すこと

昨日も一本歯ウォーキング実践編いってきました。往路)大文字山登山口(スタート)〜旧登山道〜山頂〜池ノ谷地蔵〜比叡平 復路)比叡平〜池ノ谷地蔵〜大文字山山頂〜火床〜登山口(ゴール)時間にして4時間ほど、休憩を5、6回しました。 ほんとうは比叡…

思考の再編成、賀茂川ウォーク、和歩の「歩き食べ」

昨日は午後からぐったりし始めて、けっきょく一日安静にしていました。一昨日の「府立図書館&Veloce行程」と「高野川ナイトウォーク」を組み合わて無理をしたのが原因かな、と常識的には思うんですが、もしかしてというか「そういう生活思想に今則っている」…

サイホン/タコの死にゆく道

「大きな月というのは、なにをどうやってもうまくいく、ついているということだ。かならずしも蓄積ではなく、相互に非常に異なるケース、コントラスト、正反対の色、あらゆる方角で一斉に響く和音、下から上へ、あるいは対角線に沿って社会をくぐりぬける、…

夢を見るために生きているのです/時間の死骸

だったか、「朝、目を覚ますのは夢を見るためです」という言い方だった気もしますが、 確か村上春樹がそんなことをエッセイに書いていました。 (本のタイトルだったかもしれません) × × ×「不変は死である」という考え方にはもともと親しいのですが、 turu…

空耳泡沫/立て板にミミズ

いつもの席。 カウンターの向かい、ガラスごしに外の明るさが見える二人がけの席。 今日も吉本隆明の『共同幻想論』を読んでいる。 今の時間帯は軽快なインストジャズが流れている。 (本当は逆で、その種のジャズが流れていることからおおまかな時間が把握…

テグジュペリ-吉本-村上ライン

ぼくは、自分の車室へ戻ってきた。ぼくは、ひとり言をもらした。彼らは、すこしも自分たちの運命に悩んでいはしない。いまもぼくを悩ますのは、慈悲心ではない。永久にたえず破れつづける傷口のために悲しもうというのではない。その傷口をもつ者は感じない…

「羊男」は羊かい? それとも羊飼い?

なぜ憎みあうのか? ぼくらは同じ地球によって運ばれる連帯責任者だ、同じ船の乗組員だ。新しい総合を生み出すために、各種の文化が対立することはいいことかもしれないが、これがおたがいに憎みあうにいたっては言語道断だ。 ぼくらを解放するには、おたが…

オガミドリさん、長女鰤子、三つむじ

『うずまき猫のみつけかた』(村上春樹)を読了しました。 雑誌掲載時から、「なごやかに絵日記風にやれるといいね」ということで、安西水丸さんのイノセント・アート風の絵と、うちの奥さんの素人スナップ写真をつけて発表されていました。写真は本の読者の…

教訓の主体的生成機能について

前にも「教訓」というテーマでがっしりとした話を書いた記憶がありますが(これ↓かな?)、 その前回とはおそらく違う結論が導かれるはずです。 cheechoff.hatenadiary.jp × × × 「あんな本を手にとって読む人がいたなんてなあ、信じられないよな」と詩人[…

「小カッコウ」の「カッコウ例」をいくつか

結局ケチなんじゃないかと言われそうだけれど、決してそういうのではない。生活の中に個人的な「小確幸」(小さいけれども、確かな幸福)を見出すためには、多かれ少なかれ自己規制みたいなものが必要とされる。たとえば我慢して激しく運動した後に飲むきり…

一(個)と全体(組織)について<併読リンク>

僕は学校を出て以来どこの組織にも属することなく一人でこつこつと生きて来たわけだけれど、その二十年ちょっとのあいだに身をもって学んだ事実がひとつだけある。それは「個人と組織が喧嘩をしたら、まず間違いなく組織のほうが勝つ」ということだ。(…)た…

「記憶の祝福」について

久しぶりに新しいタグをつくろうと思います。 要するに「記憶」なんですが、書きながらもう少し気の利いた名前を考えてみます。 きっかけになったのは、最近何度か引用している『アフターダーク』(村上春樹)の一節。 (今思うとですがこの引用部は、この小…

守り隔てる薄膜について

読中の『野生の哲学』(水沢哲)について何か書きたいと思い、 本の中にマーク(「○」や「!」など)を書き込んだ箇所を読み返していたのですが、 いつもの「部分抜粋&コメント」がしづらいなあと思ったのはこの本に全体の流れがあるからで、 もし書くなら…

『アフターダーク』と「しんみりカオス」

昨日『アフターダーク』(村上春樹)を読了しました。 何か書いておきたいと思ったので思いつくままに書きます。 僕は学部時代にジャズ研にいて、カーティス・フラーのアルバム「blues ette」も持っていて、「fiver spot after the dark」と言われてすぐメロ…

「カキフライ理論」実践

液の適切な量が重要である。 滴下する前にはだいたい数回転で個々の位置関係が変化せずに全体が一体化してぐるぐると回る。 質点の座標は変わらずにXYZの空間軸が無秩序にぐりぐり動く座標空間を思い浮かべればよい。 それでは回転の意味がない。しかし考え…

「体験に基づく頻度」について

「確率」にはいくつかの意味がある。一つは長期的に見た相対頻度である。「この一セント硬貨の表が出る確率は〇・五である」と言えば、一〇〇回投げると五〇回表が出るという意味だ。これとはべつに、単一の事象の結果に対する主観的な確信という意味もある…

"to keep things whole"について

We all have reasons 僕らはみんな動くための for moving. 理由をもっているけど I move 僕が動くのは to keep things whole. 物事を崩さぬため。 "Keeping Things Whole" Mark Strand 「物事を崩さぬために」マーク・ストランド(村上春樹訳) 一部(最後の…

「待ち方」について(前)

「二ヵ月と十日」と彼女は即座に答えた。「彼にはじめて会ってから、消えちゃうまでよ。二ヵ月と十日。日記をつけてるから覚えてるの」 オレンジ・ジュースが運ばれ、空になった僕のコーヒー・カップが下げられた。 「あの人が消えてから、三ヵ月待ったわ。…

「野原の不在」について

in a field 野原の中で I am the absence 僕のぶんだけ of field. 野原が欠けている。 This is いつだって always the case. そうなんだ。 Wherever I am どこにいても I am what is missing 僕はその欠けた部分。 "Keeping Things Whole" Mark Strand 「物…

「踏みとどまる人びと」のこと

平日の朝食時は内田樹氏のブログを印刷したものを読んでいます。 朝は比較的仕事に近いので、夜に本を読む時とは頭の回り方が異なります。 けれど、仕事に近いだけ、会社の出来事(要素)とリンクしやすい。 のですが、今朝(3/25)読んだ部分は「夜型」の連…

「やがて哀しき境界人」のこと

『やがて哀しき外国語』(村上春樹)を読了しました。 村上春樹の本のあとがきは、いつも「読みごたえ」があります。 本の内容のまとめなのですが、それは要約でなくて「濃縮還元」なのです。 この本のあとがきで、村上春樹も「境界人」だったことに今さら気…

せり上がる足裏について

一本歯の歯底に巻いていた靴下が、マジックテープが外れてとれました。ラグの上を歩いていてとれたのですが、すると面白いことが起こった。 とれた左足でラグを踏み込むと、足の裏の感じが断然変わっている。 具体的には、平らなはずの一本歯の平板が「内側…

夏休み課題図書のこと

会社の夏期休暇中に、毎年一冊の本を集中して読みます。 夏休みに「どこに行くか」という命題を「何を読むか」にすり替えました。 行動の選択肢の一つが読書なのではなく、読書は行動を包含するのですね。 「人は物語を生きる」という認識のもとでは、まあ真…